ch07.味 : 関サバの思い出


   「燃料費出ない」「採算あわない」と 原油高は農業や漁業にも影響を及ぼしている。
たとえば、大分市佐賀関で水揚げされる高級魚の関サバの漁獲が激減しているという。地球温暖化の影響も指摘され、「このままでは幻の魚になる」と危ぶむ声も出始めているのだ。
  
   食べ物で思い出すことがあるものだ。美味しかったという思い出もあるだろうが、シーンや言葉などいろいろあるものだ。この、関サバというと何故か、私はあの緊張したある接待の席を思い出す。随分、昔の話だが・・・。
   ある取引先との席だった。クライアントに対しては、生々しい話も切り出さなくてはならないだろう。緊急の会議が入ったということで同席する筈の上司の到着が遅れていた。クライアントとのポイントのなる話しは上司が先ず口火をきる筈。だから、それまでは何を話題に話せば良いのか・・・・・私の緊張を見てか、女将が微笑みながら「今日は美味しい関サバがはいりましたよ、おだし致しましょうか」と言ってくれた。新鮮な関サバが運ばれた。「関サバですか!好物です」とクライアントは「旨い」と大喜びだった。何故か、ほっと私の緊張もとけた。あの日以来、あの店には行っていないのだが・・・・。
   関サバは若い時代の緊張を思い出させてくれる魚だ。「幻の魚」になってしまってはちょっと哀しいのだ。

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このページは、ichikoが2008年3月 7日 22:00に書いたブログ記事です。

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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