ch12.その他 : 感動


  子どもたちの夏休みも終わり、新学期が始まったのだろう。夏休みの宿題も終わって子どもだけでなく、親御さんたちも、ほっとしている時期なのだろう。


  先般、テレビで読書感想文のマニュアルというのだろうか?サンプルのようなソフトを開発した人がいて、それがとても子どもたちに重宝がられ、お礼の手紙が舞い込んでいるという内容を見て、しばし、言葉を失った。その開発者はとても自分の開発したソフトが人の為に役立っていると満面の笑みで解説していた。その光景を見て「この人、本気で思っているのか?」と再び、言い知れぬ恐怖も感じた。
   喜んでいる子どもたち、それを「本当に素晴らしいわね!」なんて言う母親なんかが隣りにいたとしたら・・・・その子どもたちの将来が本当に心配になった。自分の頭で考えない、所謂"いいとこ取り"だけで生きていくことになるだろう。「ありがとうこざいました」なんて感謝の言葉の裏には「ああ!楽ちんだった」ということしかないだろうに。苦しんでいろいろ考えれば考えるほど「脳」は喜ぶものなのに!本をきちんと読み、何かを感じ取る。そして自分の頭を使ってまとめるのが下手でもいいじゃないか。一生懸命にやりぬくということを覚えないとならないよ。「ああ、自分は読書感想文なんか、もう!嫌いだぁーっ!」と思ったっていい。いいとこ取りのものを学校に提出したって、そこにあるのは単なる塵である。
   こうした話は子どもだけではない。ある大学生のレポートもインターネットの検索でテキパキとコピペしてなんと3時間はかかるであろうものが(この数字もよく理解は出来なかったが・・・・)たったの30分で完成したという。見た目は見事なレポートだ。最近ではコピペした部分がわかるソフト開発もされているというが、何れにしても"いいとこ取り"だけて人生は生きていってほしくない。
  


  今朝、読んだメルマガに、"昔読んで感動した本を本屋でみつけ、三十数年ぶりに読んでみた"という文章が掲載されていた。この本もなかなかの名作のひとつである。その方は、「小学生の時、わくわくしながら読んだ記憶が鮮烈に残っていたものをあらためて期待を胸に読んだ。しかし、あとに残ったのは疑問と落胆だった。この本のどこがあんなに面白かったのか。でも、小学生の時のように感動したらバカではないか...とも思ったものの、やっぱりあの感動のカケラでもよみがえってほしかった」という内容だ。
  小学生の時に選んだ本の数々。勿論、当時は予想もしなかった経験や苦労をして大人になってしまったのだから当時の「感動」はないにしても、じっくり別の角度で読んでみたら再び何かをキャッチできる筈だ。自分も、小学校3年生の時の夏休み『星の王子さま』の読書感想文の宿題が出た時、何故、担任が熱っぽく薦めるのか、何か自分の中でよく分からなかったもの、それが大人になって読めば「はぁ・・・」と感動した経験がある。人はあの頃には戻れないにしても、常に感動はあるのではないかな。

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このページは、ichikoが2008年9月 3日 08:44に書いたブログ記事です。

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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