ch12.その他 : 都会の孤独


   「年賀状は12月25日までにおだしください」とテレビでアナウンサーが微笑んでいる。この季節になると、会う方々に「年末はいつまでですかぁ?」と聞いてくる。御用納めというと28日という数字が長年刻み込まれているのだが、今年は日曜日。もう来週にはいろいろ納めなくてはならない。しかも来週はクリスマパーティーだ、忘年会だと宴会の嵐も続く。師走は毎年、こんな調子で過ぎていくようだ。
  ネットで東京の代々木の借家から男性の白骨遺体が見つかったというニュースを見た。病死らしく、なんと死後6年以上が過ぎているという。今月になって地権者の男性が借家に入り、ゴミや散乱する本、衣類に埋もれるように洋服を着たままの白骨遺体が見つかったそうだ。なんとも・・・・言葉もない。しかし、例えば、回覧板をまわすなど、近所づきあいはなかったのか?訪れる人はいなかったのか?と不思議でしようがない。
  男性の弟を捜し出し、DNAの簡易鑑定を行い、そのご遺体が失踪したと思われていた男性本人である事が分かったらしい。いやはや。妻とも離婚、子どもと別れ、そして兄弟との縁もきれていたのだろうか。男性は昭和17年生まれ。生存していれば66歳。まだまだ若い。50代後半に病気に罹り、そのまま息絶えたのだろうか。6年もの歳月は長い。師走そして新年を迎え、そして・・・・。
   しかし、都会の孤独死。他人事ではない。高齢者だけでなく、都会に住み、近所づきあいも人と拘わることも煩わしいと思う若者だってあり得る話である。卑近な事例では、団塊世代の離婚組も多く、子どもも独立していれば本当にシングル生活の人々が多い。自由きままな生活かも知れないが、兎に角「世間と拘わることが大切だから」と伝えるようにしている。たとえ携帯電話があったって本人がだめになってしまったらもうどうしようもないのだ。昔、一人暮らしの知人が自宅で急に体調が悪くなり救急車を呼ぼうとしたが電話機に手を伸ばす形で亡くなってしまったことがある。久しぶりに訪れた息子さんが発見した時、彼女は絶命していた。いやはや、いろいろ考えれば何もかもが他人事ではない。

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このページは、ichikoが2008年12月20日 04:54に書いたブログ記事です。

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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