社会問題 : 破壊そして創造 |
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まだ景気のいい頃だった。確かにあの頃は浮ついていたと思う。この調子で行けば安泰なんだくらいに不遜な気持ちでいたと思える。そんな時、時のリーダーは私たちに「スクラップ・アンド・ビルド」を繰り返した。何度も何度も繰り返した。しかし、当時の自分達は果たして、真剣に100%の努力をしただろうか? 大いに疑問だ。 全てを一度破壊して再度構築する事・・・・躊躇いと不安、それ以上に迷っていた。一生懸命にとか努力とか、何よりも会社に何年間在籍しているとか、ある程度しがみ付いていれば何とか生きられた時であったのだろう。しかし、今。完全に「時」が変わった。従来のビジネスモデルが完全に通用しない。本当に実感する。
パナソニックが2010年3月までに正規、非正規社員合わせて計1万5000人を削減する方針を発表した。世界景気の後退の中で「破壊と創造」に挑むわけだ。需要回復の目処がたたなければ更なる「破壊」を迫られるだろう。スリム化したとしてもそれだけで回復するわけではない。
ある日ある友人が私に暗い表情で言った。「~百人のリストラが予定されている」と。対象となる世代のなんと厳しい現実。まだ見えないとしてもその現実が突き出される。言葉にもならない。聞いてもどうすることも出来ずだ。ではどうするのか?内部留保の問題で、ワークシェアリングで数年後には回復、甦ると言いきる会社もいろいろあるが、基本は国の力以外にないだろう。
読売新聞社が「首相に最もふさわしいと思う国会議員は誰か」と面接方式の全国世論調査をした結果、小泉元首相(14.4%)がトップで次位が小沢民主党代表(13.7%)だったそうだ。麻生さんと自民党離党で注目された渡辺喜美元行政改革相はほぼ同じ・・・というのも面白い。小泉さんの実績というより、多分、あの「時」を駆けた小泉さんのイメージというのか、所謂「空気」が欲しいのだと思う。首相に求める資質のトップが「指導力」、そして「決断力」というらしいが、本当に国民は国民意識になれる、ジャッジが出来る指導者が欲しいのだ。
たとえが相応しくないかも知れないが、1937年であったか、ヒトラーという一人の英雄が熱い国民の支持で生まれた。大戦後の混乱の中で、ドイツ国民が自分達で選び、そしてひとつの政権が生まれた。その時の為政者は確かに天才であったのだろう。しかし、何かが彼を悪魔に変えていった。天才でもなくて良い。朴訥として、そしてあくまでも真摯に国の未来を考える指導者であれば。
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