ch10.生活 : ものを大事にすること |
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節約ブーム?でシャンプーやリンスも詰め替え用が売れているという。まだボールペンでさえ、かえしんを購入する人が増えていると聞いた。「いい傾向だなあ」と思って、地下鉄に乗ると、中吊り広告に、節約ストレスの妻を労うために家族旅行をという展開の広告があった。「?」と思えた。ストレスになるまで節約などすることはないだろうにというのが実感。節約はかなり頭を使う。決して楽ちんではないかも知れないが、ある意味で楽しくしないと精神的に参ってしまうかも知れないし。
節約だ、エコだの本を読んでいると最近「あれっ?」と思うことが多い。何故って、意外と昔の人は当たり前にしてきたことばかりが多い。何も必死につ節約!節約!と気張っていたものではないと思う。寧ろ、小さい頃の思い出とはそうした日本の知恵のようなものがいっぱい詰まっていたと思える。
ちょっと昔の話だが、知人の優秀な編集者がある時、きっぱりと仕事を辞めると言う。「ええーっ。これから、どうするの?」と聞くと、「裂き織りを始めるんです」と言う。当時は「何で?何で?」なんて聞いてしまったが、裂き織りを深く知れば知るほど、「知恵」と「愛情」を感じる。大好きだった小さい頃の浴衣が微妙な色合いのお洒落な帯に生まれ変わったりする。それには忘れられない思い出も一杯だろう。
もう亡くなってしまったが、明治生まれの祖母は残った毛糸や要らなくなったセーターを糸にもどして、改めていくつもの作品を作ったことを思い出す。時には「おばあちゃま、なあに!これっ?」というデザインのものもあったが祖母は私がそう言うと、いつもクククと笑っていた。母も「物資のない時代を育つとねえ・・・」と言いながら、口紅でも白粉でも、そして身の回りの品々を大切に使っていた。決してそれは惨めでもなんでもなく、とても良い暮らし方に思える。何か無駄に使えば「湯水の如くつかうものでない」と窘められた記憶がある。その湯水であっても今は大変貴重なものである。そんな昔の暮らしの良さは伝えて行かなくてはならないとつくづく思う。まあ「こうせねばならないのだっ!」なんて気張らずに・・・だけども。
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