社会問題 : 日本語の将来

   インターネットは魔法の箱。昔であったら、いちいち資料を取り寄せる為に先方へ電話をして相手に内容を話したものだった。言葉の意味を調べるのにも辞書をひき、事柄を調べるのに事典が必要だった。しかし、今はその魔法の箱で大体のことは出来てしまう。今、若者は辞書をひけるのだろうか?と心配にもなる。
  「おバカタレント」が何の躊躇いもなく登場、また人気のお笑い芸人たちの「ら抜き」の表現。「別に~」「何か?」と言われそうだが。最近の新入社員は上司との会話を極力嫌がるとも聞いた。尊敬語とか謙譲語って苦手。出来ないよとコンプレックスがあるからだと言う。それが全てではないにしても、コミュニケーションは「言葉」を抜いては語れない。

  「交詢社オープンフォーラム」(産経新聞社・後援)に参加した。テーマは「美しい日本語」。交詢社は明治初期の頃、まだ社交という言葉が十分に使用されていなかった時代 に、福沢諭吉の主唱により、銀座作られた日本最古の社交機関だ。「知識を交換し、世務を諮詢する」をスローガンに明治13(1880)年に設けられた。つまり「交換」の「交」と「諮詢」の「詢」だ。
  600人の会場は満席。定員をはるかにオーバーしてしまい、参加出来ない人も多かったそうである。しかし、参加者の顔ぶれを見れば、「日本語」を憂う世代ばかりというのが少し哀しい。

  「子供たちに美しい日本語を伝へる会」主宰の土屋秀宇さんの基調講演。そして渡部昇一(上智大学名誉教授)、平沼赳夫(衆議院議員)、愛甲次郎(文語の苑 代表)も石井公一郎(石井事務所 代表)の4名によるパネルディスカッションが行われた。平沼さんは国語を考える国会議員懇談会の会長もしている。
  しかし、世田谷区の「日本語教育特区」の試みは素晴らしい!平成16年に「日本語教育特区」となった世田谷区だが、小学生用に3冊の教科書「日本語」を作った。中学生用としては「哲学」と「表現」の2冊。また「日本文化」が加わって、小中全6冊のシリーズが完成するらしい。 「日本語」については、俳句、和歌、詩など韻文が多く取り入れられ、く音読志向の教科書である。小学1・2年生用の教科書から、漢詩が出てくることには驚きである。現代の学校教育の中で、漢詩文がとりあげられているとい事は実に画期的な事なのだ。孟母三遷というか・・・今、子育て中であれば、引越ししたいと思うかも知れない。ならば、全ての学校で!というわけにいかないらしく、講師は「先ずは・・・・教師の指導からはじめないと・・・」と苦笑。笑えない話だが・・・・・。

  9歳は子供の脳から大人の脳に切り替わる頃だといわれる。この時期にどんな教育をするか?が大切だ。言葉の「命」について、日本の「国の言葉」について、つまり日本国自体の問題である。誰もが真剣に考えていかないとならない。

土屋秀宇さん
愛甲次郎さんの「文語の苑」
平沼赳夫 ホームページ

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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