社会問題 : 時間


  ある会合で、急に出席したいと申して出た人が、当日20分ほど遅刻をした。いや30分近かった。今は携帯電話もある時代。何とでも連絡が出来る・・・・筈であろう。しかし、必死に階段を走っているのかも知れない。それは分らない。しかし20分ちょっとの時間とは実に微妙な時間。その人以外は全て出席している。主宰者が「んー」と溜息をついた。そして苦笑しながら「困りましたねぇ。始めましょう・・・・か」と言う。そして付け加えるように「それぞれの人の時間は大切ですからね。時間どろ・・・・」と言い途中でやめた。そして再び苦笑した。「時間どろ」とは多分「時間泥棒」と吐き捨てたかったのだろうと思った。会議の最中の緊急かどうかは分らぬが携帯電話を受けるために席をたつなど、やはり私たちの日常では「時間泥棒」になることが多い。


  それぞれの人の時間・・・・。自由に使っている時、人はその素晴らしさに殆ど気がつかないものだ。自由に使えなくなった時に、初めて、言葉を失うほど感じるものだと思う。
  平成2年の足利事件をめぐって、再審請求中に釈放された菅家利和さんが栃木県の県警本部で石川正一郎本部長から直接謝罪を受けた。それまでは「絶対に許さない」と目が泪で充血していた菅家さんだったが、17日、「本部長が心から謝っているのを見て考えが変わった。許す気になった」と話していた。
  当時は最新のものであったかも知れないが初期のDNA鑑定は無実の人間を17年半もの時間を苦しめ苦しめた。菅家さんが当時の担当者を絶対に許さない気持ちは痛いほど分る。私も多分一生許さないのかも知れない。しかし石川本部長の「当時の捜査員全員を代表して、自分が悪い」という言葉に、やはり菅家さんは17年もの時間そして今という時間をもがき苦しんで許す気持ちになったのだろう。決して戻らぬ時間だが、検察、裁判官らの誤りは誤りと認め、生きているのなら潔く謝罪をすべきだろう。

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このページは、ichikoが2009年6月17日 17:32に書いたブログ記事です。

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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