「ついに息子の顔さえわからなくなってしまったよ・・・・」とその人は悲しそうに俯いた。「嫁が財布を盗んだから、一切家に入れないようにしているのっ!」ときつい表情のご婦人が言う。聞いていて決して楽しい話ではない。悲しくなるばかりだ。しかし、他人事ではない。いつの日か、自分だって家族の顔が分らなくなり「どちら様ですか?」と聞くかも知れないし、濡れ衣で、人を傷つけるかも知れない。要は「明日は我が身」であるということだ。
  

  ある方に「『痴呆老人』は何を見ているか」(新潮新書)を薦められた。著者は東大医学部を経て、国立環境研究所所長を務める大井玄さん。終末期医療全般に取り組まれている方だ。臨床医ならではの日々の体験を踏まえた分りやすい内容だ。"われわれは皆 程度の異なる「痴呆」である"とは、何とも!ある意味、我々は、正常と異常の間を日々生きているのかも知れないな。自分が10代や20代、もいや、30代の頃を思い出してみる。あの時代では理解しにくい世界かも知れない。それが、今は何とも面白さが分る年頃になってきたようだ。人生は長く生きることも楽しい。
※機会あれば、読んでみて下さい。
大井玄「痴呆老人」は何を見ているか

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このページは、ichikoが2009年7月24日 15:32に書いたブログ記事です。

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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