ichiko : 父の机 |
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何と言うか・・・・分類するのが好きな性格というのだろうか。その「分ける」作業には捨てるということもあり、あーでもないこーでもないと悩むことなく、思い切ってよく捨てる。
しかし、思い出の家具とか皿小鉢とかいろいろ、思い出がなかなか捨てられない。そんな捨てられないものの中に、どういうわけか、自分の身の回りにいつもついてまわる「家具」がある。長い長い時間、単なる物置台のようになっていることに気付いた。父親が使っていた机だ。それは父の友人の建築家の村田豊先生が作ったもので、大人がごろっと寝られるくらい広い。しかし重量というかずっしりとあまりにも重くて、なかなか今の時代にははて?どうかな?と思えるところもある。
ル・コルビュジェのお弟子さんてあった村田豊先生はいろいろなものを作って下さった。最初はガラスかと思ったらそれは初めて聞いたアクリル製の照明器具の一部であったり、本当に興味深く、面白い設計をされた方だ。確か万博の富士グループパビリオンの設計もされたと、当時、父は本当に誇らしげに語っていた。
その机には思い出がありすぎる。出来上がって家に届けられた時、父の書斎に置かれ、その上には魚類図鑑があって、それをこっそり読んだ記憶がある。しかし、それからの記憶は全くなく・・・・・大学生になった時、その机の素晴らしさが分り、父からもらった。勉強もレポートもそして卒論もこの机で仕上げたなあ・・・。
ふと気付いた。その長い時間の思い出。再び、少し掃除?をして埃をはらい、磨きをかけて使い始めることにしよう。ふっと遠い記憶・・・村田豊先生の優しい笑顔が浮かんだ。
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