ch04.カルチャー : すすきみみずく

すすきみみずく.JPG  東京の豊島区を拠点にいろいろ活動しているので、時々「鬼子母神に行けばすすきみみずく買えますかね?」というような質問をよくうける。このところ、何人かの方に聞かれて、実は良く分らないと曖昧に答えてしまった。昔々は鬼子母神の近くでそのすすきみみずくを作って売っている店があり、自分で買い求めたり、またはお土産にいただいたりしたのだ。   雑司が谷にある鬼子母神堂は寛文六年(1666年)に前田利常の三女の満姫が天下安全、子孫繁栄の祈願として造られた宝殿であり、実は豊島区内最古の構造物である。すすきみみずく・・・と言われ、先般、その宝殿におまいりをした。そして以前、すすきみみずくを作っていたお店のあたりを見たが、アンティークショップになっていた。豊島区が作った案内処に飾られていたすすきみみずくは非売品であると言われた。   江戸時代から継がれた郷土玩具も、その作り手の後継者の問題やご本人の病気などによってなくなりそうな、そんな危機を迎えていたのである。昔はこのあたりのススキを使って作られたといわれるが、地域開発で街の様子も変わり、ススキもない。「あれれ・・・」と思っていたところ、ご縁あって『雑司が谷すすきみみずく保存会』なるものが10月1日に発足したというではないか。電話の向こうで「吉田さん、実は明日が保存会の発足日なんですよ」と聞いた時はかなり驚いた。ああ、こんな偶然ってあるんだなあと思った。今後は作り方の教室もすると聞いた。しかし作り方とは言ってもその前にススキを乾燥させサイズを揃えたりと大変面倒な作業がある。「目はトウモロコシの茎で、耳は経木で・・・」など聞いたらこれほどまでに手がこみ、歴史と文化のある玩具は保存していかなてとならないなと思った。そしてこの「すすきみみずく」の昔話の素晴らしさよ、やはり代々受け継いで保存していきたいものである。


雑司が谷 鬼子母神

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このページは、ichikoが2010年10月 3日 18:02に書いたブログ記事です。

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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