ch12.その他 : 予感


  時々自分の「予感」というものがすごく嫌になる。例えば仕事の世界では人生の中で少しは時間を使っているからいろいろなシーンでこうなるな?相手の要求はこうかな?多分こう進むのだろう、もしダメな場合り理由は・・・と大体けんとうがつく。そうか、予感ではないか・・・。でも生活シーンの中で、「あれ」と口には出さぬものの、何となくという瞬間があるのだ。これが予感か?だからこの予感がいい予感なら楽しいけれど悪いことになると暫く胸が痛くなるのだ。

  昔の勤務先の仲間と退職した今もほぼ定期的にミーティング(と言いながら飲み会か?)をしている。フジサンケイグループの中堅社員研修の仲間だ。みな同期でもないので年齢は様々。定年組もいる。定年後も会社に残ってまだ現役バリバリもいる。しかし仲間の一人がなかなか連絡がとれず。きっと退職後に夫婦で世界一周しているんだよなんて言っていたのだが・・・そういいながらも私の中で例の予感があったのだ。口には出せない。メンバーの中では私が一番あっけらかんとした考えを言うのだが、実は予感がしていた。
  確認の為に「退職とは聞いていますが何月何日付でしょうか?」と会社に電話を入れた。しばらくして同期だったという人が「ああ、吉田いち子さんでしたね」と電話に出てこられた。「昨日、お宅にお電話いれましたがご不在でした。Sからはいつもお名前を聞いていました・・・」と言う。その瞬間、そのあとの言葉が想像できた。多分・・・亡くなったのだろうと。「実は遺言があったんです」と話す。Sさんの死の知らせが遅くなってしまった理由、そしてそれまでの内容を話してくれた。そしてSさんが体調を崩し、病院へ行った日。その同期にこれからのことを相談した日。医師から最終宣告を受けた日。そして亡くなるその瞬間のことまでを語ってくれた。「何故?何故?」と思いながら、電話口で私は必死にメモをした。書きなぐられたメモ用紙にはSさんの壮絶な時間があった。その日々の記録にもう声も出ない。涙が頬をつたう。やりきれない気持ちでメンバーへ連絡をする。享年63歳か。今の時代では若すぎる年齢だ。メンバーとは言っても大先輩の死だ。がむしゃらに働いて働いて。時間というか本当に余裕が出来たら、みんなでどこかに遊びに行きたいね~と話していたばかり。なんということか!来週予定されていた例会ではみんなで思いっきりSさんの思い出を存分に話したい。社員研修のレポートをSさんとまとめたこともふっと思い出した。
  辛い時間はやはり時間が解決してくれるのだろうか?そんなことを思っていると本の間からSさんが以前「トラで夢に出てきて怖かったよ」という私の話を聞いて、あとから夢判断書で調べてくたれコピーが出てきた。

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このページは、ichikoが2011年9月 2日 09:39に書いたブログ記事です。

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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