ch04.カルチャー : 気付かぬままに時は過ぎ



   第5版までの累計が約1100万部に達し、まさに「国民的辞書」と言われる「広辞苑」の第6版が岩波書店から出版された。1998年以来10年ぶりの改訂だということで早速?購入した。学生時代から使っているもの、夫が持っていたもの、友人の結婚式でなんと!引き出物だったもの、そして、今回の改訂のものの合計4冊の広辞苑が我が家に鎮座。娘に「そんなに必要なの?」という目で見られた。
  日頃、「あれ?」と思ったものは大体、ケータイの辞書などデジタル世界で済ませている昨今だ。しかし今回の第6版では、「ブログ」や「顔文字」といったネット・携帯電話関連用語も新たに収録された。追加された新語は約1万語で収録語数は計24万項目に増えたという。例えば10万語の候補から選んだという新収録語はほかに、「いけ面」「うざい」「ニート」などもある。「そんなのは、別に広辞苑に入れなくてもいいのにねぇ?」と娘がまたやも言う。
  こんなにもデジタル優位の中で何故「紙の辞書」にこだわるのか?理由として、一覧性。目的語以外にもどんどん興味が広がって、調べた言葉が記憶に残りやすい。なるほど、学生時代はそんなことで発見が新たな発見を呼んでいたものだ。次に辞書の余白に書き込みができること。自分だけのための使い方の注意点や関心度の高さを記録でき、「自分だけの辞書」に成長させることができる。「こういうことができるのは紙だけです」と 紙の辞書の大いになる強みについて岩波書店の山口昭男社長が述べていた。
 且つ、その道の専門家を動員する編集と校閲に今回は165人が関わったことも強調したが・・・・・ミスも見つかった。こんな時に「紙」の弱さをつくづく感じる。新聞などではお詫びと訂正で済ますこともあるが、こんなにも重たい紙の辞書だ。その「ミス情報」を知らない人はそのまま。誰も注意しなければ、そのまま。その説明文をアタマに入れてしまう。

   地名「芦屋」の説明に誤りがあることが分かった。兵庫県芦屋市を「在原行平と松風・村雨の伝説などの舞台」としているが、この舞台は正しくは「須磨」(神戸市)。修正は増刷時にするというが、どんなものか?しかし、誤記は1955年の初版から続いていたということがまさに、オドロキモモノキサンショノキ!。驚き、桃の木、山椒の木!もう死語か?!あらためて言葉の面白さを感じてしまった。
 

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このページは、ichikoが2008年1月23日 12:56に書いたブログ記事です。

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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