ch02.健康 : 胸のつかえがとれた


  一ヶ月ほど前から喉の奥に違和感を感じていた。いつも行く耳鼻咽喉科の先生のところで診断を受けたのだが、多少の炎症以外は異常なしということを言われた。信頼している先生でもあるのだが、何か違和感が消えず、他の医療施設に行き、診断を受ける。「喉の奥に何かがある・・・そう、例えば魚の骨が引っかかったようなというか、ポリープのようなものがある感じなんですよぉ」と説明するものの、先生は首を傾げるばかり。「魚の骨は見当たらないし・・・」「いや、先生、それはあくまでも比喩ですから・・・・」「ポリープですか?それもないですよ」とバッサリきられた。
  結局、いつも行く先生のところ以外、ふたりの先生に診断を受けたのだが、どちらも異常なしの診断。風邪というか、妙なだるさで東洋医学をベースにしたマッサージをしている先生のところへ行く。小一時間でもいいから、深い眠りにでもおちたいと思った。そのだるさと喉の違和感が小一時間で消えていたら!と思った。
  横たわるとホオバ油でマッサージが始まった。マッサージというより触診という感じ。ふと、足を触りながら先生の手が止まった。「あらあらら・・・・」と言ってるいる。私は兎に角、小一時間でも深い眠りにおちたいと思っているから、その小さな溜息にも似た声にも敏感になっていた。「吉田さん、なんか胸のつかえというか、そんな症状があるでしょう?」と訊く。「ええ」と言うと、「よかったわ、今日で。もうギリギリ状態よ。体が悲鳴をあげているわよ」と言う。先生によると、足の甲の部分が異様だったということだ。こうした状態でいると胸のつかえだ喉がおかしいという方が多いらしい。それに私の持ち物の色にオレンジ色が多いのも、腸の状態がよくなく、パワーを与えるために自らが持っている?そんな事を話してくれた。
  「癇にさわるとか、苛苛を抱えていない?」と言われ、ハッとした。そうか!三週間ほど前に爆発寸前(というより自分の中では大爆発をしていた)の案件を抱えていたものの、おくびにも出さず過ごしていた。考えてみれば、今年の初めから関わり、この三週間前あたりからがラストスパートというものだった。症状は先生に見事に言い当られた。「そうそう、それが胸のつかえというものよ」と先生は言いながら、施術を続けている。物理というよりもかなりメンタルな部分のヒーリングというものだろう。気がつくと時間はあっという間に過ぎ去っていた。
  痛みほを感じながらも、うつらうつらとした中で、毎月毎月新作の油絵とエッセイを送ってくださる、サンディエゴ在住の画家・弓さんの今月のエッセイの一文を思い出していた。「私たちの遺伝子中の窒素も、歯の中のカルシウムも、血液中の鉄も、かつて収縮した恒星の内部で作られた。私たちの体は、すべて星の物質でできている。私たちは、きわめて深い意味において"星の子"なのである」と、弓さんの尊敬する米天文学者 カール・セーガンの言葉を書いてきた下さった。地球の上でおこること、且つ、自分の小さな世界で起こること。よく考えたらこの地球で活動でき、ゆつくりと眠れる時代に生きている自分はなんとも幸福であるということを認識しなければならない。他愛もないこと、そんな事だと思って、切り替えよう。忘れることも大切だ。マッサージの後は、なんとも体が軽くなった。さあ!とまた仕事の打ち合わせのために夕暮れの街へ。

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このページは、ichikoが2008年10月 4日 08:45に書いたブログ記事です。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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