ichiko : まさに激流の中の中国 |
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NHKで「小皇帝の涙」というスペシャル番組を放映していた。「一人っ子」政策を実施以来、中国では一人っ子家庭で、過保護に育てられた所謂「小皇帝」問題が指摘されている。番組の舞台は雲南省。人口500万の省都・昆明の公立小学校5年生のクラス。
登場する親たちは子供達をよりいい学校へ進学させたい!と強く願う。彼らの学歴崇拝は高まるばかりだ。学校側も成績の良い子供を多く輩出するためにより教育に力を入れていく。
毎日毎日出される山ほどの宿題を子供達はこなしていく。ある親は「大学を卒業しても就職口はない」「よほどの特技でもなければリストラされるのだ」と子どもを叱咤する。親子の間で繰り返される葛藤。そんな中で日々子供達は悩み、苦しみ、もがく。そして「理解してほしい」「気持ちをわかって」と涙を浮かべ親たちに訴えるのだ。しかし親は自分のリストラなどによる苦しみを子どもには与えたくないばかりに親としての精一杯の「愛」を伝えるのだ。
富裕層である生活は現在の日本と変わらない。
今、中国は北京五輪を前に高成長が続いている。2007年の国内総生産は世界3位のドイツにほぼ並んだ。グローバル化により今の中国はわが国以上に豊かな面もある。例えば数年前から始まっているマイカーブーム。そして不動産投機。五輪後も高成長を続けた日本に見習って技術革新などにもっともっと力を入れるべきという風潮もある。
豊かさに向かって中国は突進している。しかし、ますます広がる貧富の格差がそこにはある。番組内である親が子どもにいみじくも農村の子どもとの比較を口走るあのシーン。彼らの中にある格差。
1人当たりGDPはまだ日本の10%未満という現状。農村と都市の格差は甚だ深刻な問題だ。今後の経済の安定成長のうらに必ず発生する数多くの問題をも忘れずに真っ向から見つめていかなくてはならない。
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