ch05.エンタテイメント: 2010年9月アーカイブ
ch05.エンタテイメント : 絵本 |
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朗読の勉強をしている仲間のステージを見に行く。だしものは「モチモチの木」と「ベロ出しチョンマ」。どちらも人気の絵本だから一度は読んだことがある方も多いはずだ。劇団創劇舎のステージはパントマイムやダンスなども交えて行なうので、遠い昔に子どもたちに読んできかせた話が、何かとても立体感を持って目の前で展開される。霜月二十日の晩、モチモチの木に灯がともるという言い伝えは、夢のような美しいイメージを膨らませてくれる。だが、暫く忘れていた、「ベロ出しチョンマ」。背中に紐がついていて、引っ張ると、眉毛がハの字になり、舌がベロッと出る、そんな滑稽なオモチャがあるが、こんなにも哀しい哀しい物語であったか・・・・と再認識。日々の忙殺の中、何かがすれきっていてすっかり忘れていた。図書館で、また書店へ行く時間があったら、一度絵本をもう一度開いてみると発見があるかも知れない。いや、書棚にあるかも・・・
ch05.エンタテイメント : この人でなければという「女優」たち |
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「 第34回モントリオール世界映画祭」で、李相日監督の映画「悪人」でヒロインを演じた女優・深津絵里さんが最優秀女優賞を受賞した。この映画祭で、日本人女優の受1983年の「天城越え」の田中裕子さん以来27年ぶりのこと。本当に拍手気拍手である。田中裕子さん、深津絵里さんともども本当に「この人でなければ!」という演技をされる女優さん方だ。単に「私ってかわいいでしょ」「綺麗でしょ」ではない女優さんたちだ。
先般、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程)』などの問題作を発表し続ける若松孝二監督が、戦争の愚かさと悲しみを描いた「キャタピラー」を観たが、四肢を失い、顔は焼けただれた姿となって戦場から戻る夫・久蔵を看病するシゲ子役を演じた寺島しのぶさんの演技には声も出ぬほどだった。第60回ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞したという輝かしい実績もあるが、もうこの女優でなければ出来ない。他の女優さんでこのシゲ子の役はあるのかしらん?と甚だ勝手な妄想をしたが、やはり寺島しのぶさん以外には考えられなかった。軍神の妻として自らを奮い立たせて変わり果てた久蔵に尽くしていくものの、次第に変貌していくあの姿は・・・・ただただ凄い迫力そのものだ。「この人でなければ」と思えるのが多分、女優力というものなのだろうなあ。