ch02.健康: 2006年10月アーカイブ
ch02.健康 : 興味の扉 |
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小学校の頃から、一番好きな教科は理科だった。何でだろう?と考えると小学校の三年生の時に担当してくれた理科の先生の思い出がある。教科書の他に何か副読本のようなもので指導してくれた。教科書には書かれていない内容。その時のある衝撃が今でも心の中にある。単調な授業の中で何かが弾けて変化した瞬間だった。その先生が教科書以外の「何か」を教えてくれた一瞬だったからだ。
今でもそんな一瞬が私は好きだ。例えば、ヤマハ発動機がアスタキサンチンを豊富に含有する藻類「ヘマトコッカス藻」の培養などを行う工場を静岡県袋井市に20億円を投じて建設し量産を開始したという話。アスタキサンチンは天然色素「カロテノイド」の1種でサケに含まれていることは知っていた。赤系の色で、ヘマトコッカス藻などの微細藻類に多く含まれるほか、エビなどの甲殻類にも含まれている。
今、ありかという紙媒体を作っている中で、いろいろな情報が入ってくる。特に「健康」に関する分野では、新しい発見が、あの日の衝撃ともいえる「興味」の扉を開かせてくれるのだ。
このアスタキサンチンは身体に悪影響を与える活性酸素をなくす抗酸化機能がある天然色素成分で今後は食品や化粧品への応用、1997年から研究を始めたライフサイエンス事業が本格的に動き出すそうだ。
何故?ヤマハ発動機?と思ってしまうが、独自の屋内培養システムであるヤマハ高効率バイオリアクターを中心とした培養設備を有し、安定的に高品質のアスタキサンチン原料を供給できるということだ。工場内で培養した藻類を乾燥させ、粉末化。乾燥藻体は、日清オイリオに移送して、油状のアスタキサンチン製剤「ピュアスタオイル」にして、これをヤマハ発が食品メーカーなどに販売する。
そもそもはエンジンから排出される二酸化炭素の低減対策に取り組んできたという背景があり、その地道な研究の中で、CO2の吸収能力が高い藻類を培養する技術が開発されライフサイエンス事業の基礎となったということだ。
今は抗酸化、免疫活性化など人々の健康に関する話題は本当に興味深い。今、キーワードの“アンチエイジング”に大いに役立って欲しいな。