ch02.健康: 2005年3月アーカイブ


   今年の杉花粉はは昨年の30倍だという。鼻の具合が悪いので近所の耳鼻咽喉科へ行ったが、待合室が、まるで満員電車の車内のようだった。みんな花粉対策用のマスクをして俯いている。小さな子供が鼻をグシュグシュさせているのは本当にかわいそうな光景だ。
  先日も車内に、口をぽかーんとあけ、鼻水だらーりのイケメンや鼻にティッシュを丸め、まるでだんごのようにつめている男性もいた。ゴーグルをつけてホームを歩いている人も見た時は辛さは分かるがつい吹き出してしまった。かくいう私も「どうしたの?目が血走っている!」と言われるほど、目が充血して痒い。これも花粉症なのだろう。
 
  横浜にある独立行政法人理化学研究所の免疫・アレルギー科学総合研究センターでは従来の治療より簡単で副作用が少ない花粉症の新ワクチンを開発した。これまではスギ花粉から抽出したエキスを注射し、体内の免疫細胞に作用して過剰反応を鈍らせる減感作療法(免疫療法)が行われてきたが、今回のワクチンでは減感作療法の約10分の1の6回程度の注射で効果が表れるという。その上、副作用も50分の1程度に減る見込みとか。
 また、茨城県の独立行政法人林木育種センターでは、無花粉杉の開発を発表。林野庁はこの原種を都府県に配布。2011年ごろから約1万3000本の苗木が供給される見込みという。
  しかし、こうしたことは、確かに花粉に悩まされている人にとってはいい情報であるが、無花粉杉は花は咲かせても花粉は出せない、いわば異常な杉といえる。もしかしたら、森林の生態にも大きな変化を与えてしまうのではないか?生態系の乱れは第二の花粉症を生むかも知れない。これまで快適な生活を送ってきた中で、少しずつバランスを失っていく見えない恐怖を感じる。


 

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  この半年前くらいから、妙に手が痺れるようになった。そして、この1ヶ月の間にかなりの痛みが、特に左手にはしるようになった。そんな痛みを感じながら、妙な想像をしてしまう。
実父は小脳が出血し、亡くなるまでリハビリが続いた。そして実母も突然のクモ膜下出血で3日の入院生活の後に亡くなった。最近は、「家系」とかDNAをつくづく感じるのだ。自分のいいところ、いやなところ、何故か親に似ていると感じてしまうことが多い。

  不安感いっぱいになって、かかりつけの医院へ行く。
「先生、もしかして、この痺れと痛みは脳梗塞の前駆症状ではないですか!?」というと医師は「僕だって左手がずっと痺れているんだ」と言い、それからは矢鱈に長い解説が始まった。
説明を聞きながら、深いため息をついている私を見て、医師は「じゃあ、安心のために画像診断をしておこう」と言ってくれた。

  約100年前、レントゲンがエックス線を発見し、骨の形が撮影されるようになって「見えなかったものが見える時代」に入った。そして、20世紀の後半にはCT(computed tomography;コンピューター断層撮影法)、MRI(magnetic resonance imaging;磁気共鳴画像)で、脳の中や体内を画像として見る検査法が進歩した。実に飛躍的な進歩なのだ。脳の中の構造を見ることができ、脳出血・脳梗塞・脳腫瘍などの病気の発見ができるなんて!なんて凄いんだ?

  先日、ある介護をテーマとしたシンポジウムで、女性の方がアルツハイマーになりやすいなどということを聞いた。几帳面に過ごしている人が、急に呆けるという話もあった。自分の意思とは関係なく、脳の異常は人格さえ奪い取ってしまう。
心配が心配をよぶ。そんな話の後に、再び、左手に痛みがはしり、痺れる。暫くは右手のみでパソコンをうち原稿を書く日々が続いた。

  検査の当日。まるで、工事現場の中に頭を突っ込んだ感覚。これは一体、なんなんだ?
「もう、イヤだ!イヤだ!イヤだ!」と思っているうちに・・・・・なんと、私は熟睡していた。

「吉田さん、吉田さん、終わりましたよ」と先生に起こされた。・・・・・実に恥ずかしい。
静かに上たいを起こした。もしや、大鼾でもかいていたのではないか?思えば思うほど恥ずかしい。それで、ちょっと気だるそうに演技してみた。
  
  画像を見ながら「異常ないね」と淡々と医師がいう。あっという間だった。もしや?もしや?と不安をかかえた1ヶ月間。「有難うございました」と言い、病院を出る。しかし、正直「ホッ」なのだ。検査の間、大鼾をかこうが、涎たらして熟睡しようが、どうであれ、不安はどんどん解消していったほうがいいのだ。

そして、その夜、私は泥のように眠ってしまった。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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