ch11.経済: 2010年1月アーカイブ
ch11.経済 : がんばれ!百貨店 |
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ニュースを聞いて「あっ・・・」と驚いた。1984年に有楽町マリオンに開業した西武有楽町店が今年12月に閉店するという。特に若い女性の顧客をターゲットにファッション専門店として営業を続けてきた店だ。有楽町という立地条件、そして所謂、デパ地下もなく、一時は女性店長ということで脚光も浴びた。これほどまでに現在の百貨店業界の厳しい状況を象徴しているといえるのだろう。
やはり、当時、多大な負債をかかえ、姿を消した百貨店があった。今では業種の違う店が営業しているが、勿論、客層も何もかも変わっている。しかし「内部の柱とか当時のまま。店内を歩くと、ああ、ここには・・・と当時の事が思い出される」と長年勤務していたある人が言う。倒産という現実を目の前にしていろいろな事が変わってしまったと、その人は言う。それぞれ報道はされないが、自らの命をたった人もいたという。
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長引く消費不況。低価格のカジュアル専門店に顧客を奪われて売り上げが急減していたという。今後の黒字が全く見えなければやはり、閉店という結論を出すしかないのだろうか。
随分前の話しだが、私がまだサンケイリビング新聞に勤務していた頃、「がんばれ百貨店」(このタイトルもなかなか・・・)という百貨店を応援する企画をした事があった。専門店が多く出現した時期だった。しかし、まだまだ百貨店ならではの"買い物スタイル"は確実にあった。紳士服、呉服、インポート、宝飾などそれぞれの確固たるニーズがあった時代だった。がんばれ!がんばれ!という応援もいつしか遠くなっていったのか・・・。しかし、百貨店はあの1990年代初頭のバブル崩壊からの落ち込みが確かに激しい。
しかし、何でもそうだが「否定」からスタートしては何も生まれない。何かヒントは必ずあるだろう。これまでの頑なな価値観や体験や成功事例は少し片隅において、アイデアと求める顧客を探してみるしかない。突拍子もない話だが、裕福な中国の方々が「中国にはないから」と言ってライト付きの爪切りを大量に買い込んだという話しを聞いたことがある。「へぇ?ライト付き爪切りだって?」といわれそうであるが、あくまでも小さな商品の一つであるものの意外と我々日本人の生活感覚だけに捉われていても始まらないのかも知れない。魅力ある人の周りには魅力ある人々が集まるように魅力ある店作りは可能だと思っている。