ch11.経済: 2009年10月アーカイブ

ch11.経済 : 発想の転換力


   とかく「100年に1度の不況・・・」「リーマンショックからは・・・」とつい口にしてしまう人々が多い。確かに、不安要素の多すぎる今ではあるが、この2年で売り上げが5倍になったというイービストレードという商社の話しを聞いた。社員は40人。2008年の売り上げは83億、1人の社員が約2億の売り上げをしたという計算か。しかし、考えてみれば凄い事である。
  茨城県のあるパチンコ店で、玉の持込みがあり、1ヶ月30万円の損失があった。その相談を受けたこの商社の社長が提案した事は・・・・・。
私も暫くあーでもないこーでもないと、いろいろ考えて見た。言われてみれば「はあ、なーるほどね」と思うことでも、その答えをなかなか出せるものではない。いわば発想の転換力というものだろう。空港では必ず通る、あのセキュリティシステムの金属探知機である。では、ハサミとかナイフでも探知されてしまうのではないか?と思うが、イタリアの製造会社に発注した探知機導入一ヶ月後には、見事、玉の持込を撃退したという。
  このイービストレードの社長の寺井良治さんは以前、日商岩井に勤務していた方で、こうした発想の転換は当時、タイにいた時、内容は素晴らしい良質な殺虫剤がなかなか現地で売れない。商品の表示などをなんと、現地の言語でなく日本語表示にしたところ、飛ぶように売れたというエピソードを持つ。言われてみれば・・・・聞いてみれば・・・「ふーん、なるほどね」と思うことでも、その発想の転換というのが、通常はなかなか出来ない事であるのだ。
  いつの時代も、先駆者とはこうした、「力」を発揮して伸びていくものなのだろう。現状に甘んじていては腐るものだ。脳科学者の茂木健一郎さんが「人は前頭前野」という脳の部分を如何に働かせるかがポイントだと言っていた。この部分は何か新しいことにチャレンジしようとすると、脳全体のネットワークというのか、働き出すらしい。だから、日々、コツコツと同じことを経験で蓄積していくことも大切だろうが。別に、新しいことに挑戦していく、そんな事もしてみたい。きっと、あれっ?!という力が生まれてくると思う。
  日本の経済だって然り。活性化していくためには?を真剣考えなくては。発想の転換力の出番である。

ch11.経済 : "挑む"家電

    "家電維新"ということで10月30日にJR池袋東口にLABI1日本総本店がオープンするという。場所は以前、三越があったところです。家電小売業として、世界最大級7000坪の広さらしい。キャッチは「この店を見ずして家電は語れない」とある。大した自信だ。こうでなくてはならないのだろう。大好きなテレビ番組の 「アメトーク」の家電芸人などしかと掴むのではないかって思う。これはかなりいいアピールになると思っている。私は家電を選ぶ時、かなり参考にしている。(あくまでも個人的感想であるが・・・・)
  オープン前日までにご入会の人には合計1000円のお買い物割引券を差し上げるということで、店舗の前には列まで出来ているではないか・・・・・斜め前のビックカメラが妙に大人しく見えてしまう。もう"挑む"という言葉が似つかわしい勢いである。
  あとは消費者が如何に動くかということであろう。価格は勿論だが、やはり品揃えとサービス。ホスピタリティとでもいおうか。あとは何だ?歳暮だ、ボーナス商戦だと言ったって本当に財布の紐はかたい。そんな消費者にどう"挑む"のだうか?1000円のお買い物割引券の申し込みに並ぶ人々を見ながら帰路へ・・・・

アメトークはこちら


  友人のメールで「入稿でバタバタしていました。出版なんて日常茶飯の人、誰か!」という内容があった。本とは出来上がったら次は販売だ。出来上がればそれでいい、あとは知り合いに配れば・・・という類のものは除き、売れるか売れないかが勝負でしょ。
   さて、年間にどのくらいの書籍の新刊が出ているか?約8万点。1日あたり平均220点。毎日毎日毎日毎日・・・・そんな数の新刊を仕入れる書店もないわけだ。そんな現状も理解せず、だだ「出したい出したい」という人の多いことと言ったら・・・・・。
  
  まあ、8月ごろに出版されたので、ちょっと遅くなりましたが、彩図社から『高校生でもわかる 日本経済のすごさ!』 という本が出ている。著者は三橋貴明さん。監修が廣宮孝信さん。
  帯には"年金、消費税、格差、国の借金 4つのテーマから見る日本の将来が安泰なこれだけの理由"とある。1492円プラス税。これを安いとみるか、高いとみるか・・・・である。
  何か、マスコミ報道に、またいろいろな情報に曖昧に?翻弄されていると思ったら、高校生になった気分(というのもおかしな言い方だが)で読んでみるといい。信じていた常識が、わぁぁぁぁぁと崩されるかも知れない。

ch11.経済 : 郵政民営化のうねり


  苦渋に満ちた表情とはこのようなものなのだろう。
  
  日本郵政の西川善文社長の記者会見での激高というのか。マスコミ報道関係者のカメラのフラッシュや音に対して「やめようか!?」とまで声を荒げた。「もはや私が現在の職にとどまることはできない」と述べた表情。口元に全ての気持ちが現れていた気がした。
  既に、亀井静香金融・郵政改革担当相の頭の中には次の「意中の人」がいると言う。我々は政権交代の今、口では「交代、交代」と簡単に口にはするが、あの、小泉政権での改革は一体何だったのか?とふと思う。あの時以来の郵政民営化の流れはうねりながら大きく転換する。
  今後は西川氏以外の日本郵政取締役にも退任の動きは広がるだろう。
  
  しかしこの秋頃だったか、西川氏としてみれば信頼できる側近たちが去って、そして今、こうした「時」を迎えた。 「民営化のためにこれまでやってきたこと、これからやろうとすることとの間に大きな隔たりがある」という西川氏の指摘には思い残すことはないとは言いながら、そうではない・・・という気迫さえ感じた。

ch11.経済 : 一歩


  その日・・・・・
  情報ツウ?からオバマ大統領のノーベル平和賞受賞のニュースを聞き、何人かの友人に教えたところ「何で?」「どうして?」「全く理解出来ない」「実績ないじゃないか?」と、まあゴチャゴチャゴチャゴチャ・・・・・しかし、私は大拍手だった。あんなにプラス思考で社会や人々の事に熱心な人がいるだろうか?と思う。意志の強さ、そして夢を同時に語る・・・・・彼はアメリカを少しずつ変える切欠作りをした・・・そう思う。
  
  日本でも2001年に「自民党をぶっ壊す」と言った小泉純一郎。あれこれと間違いもあったかも知れないが彼が総理になったその変化はオバマがアメリカに大きな変化をもたらす切欠になったことに似ている。
  今、政権交代でいろいろ噴出し始めた。政治、経済と方向性が変わっていく時にはいろいろなものが動く。びっくりするほどの変化を迎える為には・・・・・これまでの業績だ実績だ成功事例だ、思い込みも価値観、もう蠢くほどに変わるだろう。進むためには兎に角一歩踏み出すしかないと思っている。

ch11.経済 : "葉っぱ"の美学


  先般、某料理屋で打ち合わせも兼ねて日本料理をいただいた。秋の食材で美しく艶やかに彩られている。日本人に生まれて本当に良かった!と思う一瞬である。料理をより引き立てている"柿の葉"や"紅葉"を見つけ、まさに"秋"が目に飛び込んできて、ほっと心が和むのだ。
  ところでテレビ番組などで時々紹介されている徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」がある。日本料理を美しく彩る季節の葉や花、山菜などを、販売する農業ビジネスの事だ。番組を初めて見た時に、なんて素晴らしいアイデアだと思った。つまり、趣味ではなくビジネスとして確立させたところが実にすばらしいのだ。こういう着眼点というか、出来そうで出来ないことなのだ。。
  しかし、この上勝町は高齢者比率が49.5%という、過疎化と高齢化が進む町だった。しかし、今ではお年寄りが実にイキイキと仕事をされている。その姿を見ると、つい、ほほが緩んでしまう。高齢者でも扱える"葉っぱ"という商材であることがポイントなのだろう。中にはなんと年収1000万円を稼ぐおばあちゃんもいるというから驚きだ。パソコン上で自分が町で何番目の売上を上げているか?その順位も分かるようになっているから売り手側の良い刺激にもなるわけだ。
  たかが葉っぱ、されど葉っぱ・・・・・である。今では世界的にも注目をあびているビジネスだ。日本の美学がぎっしりつまっている感じがして嬉しい。


  新米が美味しい季節になった。出張先の車窓から黄金色の稲穂が風に揺れるのを見ながら、ああ!日本という国に生まれて本当に幸せだと思う。
  健康に良いからという理由で、暫く玄米や雑穀などを食べているが、この季節になるとやはり炊きたての真っ白いご飯が食べたくなる。あの真白なものに何が一番か?と自己投票してみる、辛子明太子、塩昆布、糠漬け・・・・いやあの炊き立ての香りだけていいという感じだ。
  産地もいろいろ拘る人も多いが、魚沼産コシヒカリ」の産地、新潟県南魚沼市では「JA魚沼みなみ」コシヒカリ全てについて、食味を左右する玄米のタンパク質含有率を調査し、基準を満たさない場合は主食用として流通させない取り組みをしているそうである。確かに産地間の競争は激化する一方。多くの品種改良、また地球温暖化で、寒冷地でも質の高いコメの栽培ができるようになった今は比較的安価な北海道や東北産が浸透しつつある。こんな厳しい状況の中で"魚沼"という絶対的なブランド力を維持する場合はその価格に見合ったコメかどうか?は必須条件になってくるわけだ。タンパク質の含有率が多いといいんじゃないかって思っていたが、この値が高すぎるとご飯が硬くなり、粘りも少なくなるそうた。つまり「おいしくなーい」ということだ。
  どの世界も「作れば売れる」時代は完全に終結した。消費者の財布の紐はしまるばかり。これじゃあ経済も活性化しないと素人の私でさえ感じる。決して消費者を裏切らないということ、これに尽きる。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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