ch11.経済: 2008年1月アーカイブ

ch11.経済 : 2008年はこれから!



   相次ぐ値上げ。牛乳、マヨネーズ、食用油、カップめんからティッシュペーパーと生活に密着している商品だ。各メーカーは、原油や穀物価格などの原材料の高騰を理由に挙げているがこれほどの値上げラッシュは、消費税率が3%から5%に上がった1997年以来といわれている。その上、電気にガスとくれば完全に生活を直撃する。
  「どの家庭も大変だ」とはいうものの、ざっとではあるものの社会の1割ほどの大企業に勤務している人々と大半を占める中小企業、そしてフリーランスの世界の厳しさには違いがありすぎる感がする。
  たとえば、身近な出版の世界にしても、昨年末から今年にかけて山海堂、草思社、新風社と出版社の倒産が続いた。フリーランスで活動しているライターやカメラマン、編集者の中にはギャラの回収ができなくなる人が本当に多くいる。回収の業務は大切な仕事であるものの倒産した後の回収は実に切実な世界。回収しようと動けば、また経費も発生する。まさにディレンマといえる。「禁じ手」さえ使わないとならない過酷な世界なのだ。超大手というか、基盤のしっかりした出版社はそれなりではあるものの、それ以外は本当に水商売なのだ・・・・。まあ、出版だけでない、殆どの世界で発生する事柄である。

  

   長く企業に勤務してサラリーマン生活をして、その後にフリーでライター稼業をして、そして法人を設立して自らが死ぬ気?で営業活動をしないと意味のない生き方を選んだ今、これまでに「見えなかった世界」が見えてきた。まだ2008年になったばかりではあるものの「いち子さん、本当の2008年は2月4日からよ!」と微笑んだ友人の言葉に励まされた。本当の勝負が始まる。

ch11.経済 : 暗い海


  娘が米国のサブプライムローンの焦げ付き問題について質問をしてきた。「アメリカの住宅ローンの問題が、どうして日本の株価までを下げていくのか?」そんな点が分からないということだ。
   今や、世界的に株式相場が低迷し、国内の急落も酷い。原因があるから結果が生まれるのだが、やはり、米国の低所得者向けサブプライムつまり高金利型の住宅ローンの問題はなかなか分かりにくい点が多い。だからこそ、プロによる分かりやすい解説を聞くことが大切だ。
  
 
  今、ビジネスパートナーとして仕事している仲間も金融関係出身者が多い。富裕層の資産運用~ばかりでなく、例えば我が家の娘のような若い世代の素朴な質問にも分かりやすい解説をしてくれる「シーン」が必要だとつくづく思った。
   いずれにしても、そう簡単に景気が回復するわけではなく、特に今、心配なことはスタグフレーションというもの。これはStagnationつまり停滞とInflationインフレーションの合成語。景気が停滞している状況下で、同時にインフレになる現象の事だ。思い出せば1970年代のオイルショックの時に多くの国々でこのスタグフレーションに見舞われた。 たとえ給与所得者の場合、賃金アップがあっても物価上昇に追いつかないため家計は逼迫する。実質所得の低下で生活はますます苦しくなる。年金生活者にとってはますます厳しい世の中となる。いやはや真の政治家の出番こそ、「今」ではないのか?!自分の党の事ばかり、自分の選挙の事ばかりしか考えていないのにいざマスコミの前では「国民のために」というとってつけたような言葉は見苦しいばかりだ。
  
  まさに暗澹たる気持ち。この経済の暗いトンネルはそう簡単には通過できないそうだ。日本国がすっぽりと暗闇の海に投げ込まれたかのようだ。暗い海に漂う木の葉を思い浮かべた。自分ひとりの力なんて木の葉くらいのものだ。波にのまれることだってある。だからといって大きな軍艦だから安心ということもない海の上だ。今、自分の内にあるものを精一杯使って仕事をしていかないとならない。決して弱音をはくことだけは禁物だ。

ch11.経済 : まさに激流の中の中国

   NHKで「小皇帝の涙」というスペシャル番組を放映していた。「一人っ子」政策を実施以来、中国では一人っ子家庭で、過保護に育てられた所謂「小皇帝」問題が指摘されている。番組の舞台は雲南省。人口500万の省都・昆明の公立小学校5年生のクラス。
  登場する親たちは子供達をよりいい学校へ進学させたい!と強く願う。彼らの学歴崇拝は高まるばかりだ。学校側も成績の良い子供を多く輩出するためにより教育に力を入れていく。
  毎日毎日出される山ほどの宿題を子供達はこなしていく。ある親は「大学を卒業しても就職口はない」「よほどの特技でもなければリストラされるのだ」と子どもを叱咤する。親子の間で繰り返される葛藤。そんな中で日々子供達は悩み、苦しみ、もがく。そして「理解してほしい」「気持ちをわかって」と涙を浮かべ親たちに訴えるのだ。しかし親は自分のリストラなどによる苦しみを子どもには与えたくないばかりに親としての精一杯の「愛」を伝えるのだ。


  富裕層である生活は現在の日本と変わらない。
今、中国は北京五輪を前に高成長が続いている。2007年の国内総生産は世界3位のドイツにほぼ並んだ。グローバル化により今の中国はわが国以上に豊かな面もある。例えば数年前から始まっているマイカーブーム。そして不動産投機。五輪後も高成長を続けた日本に見習って技術革新などにもっともっと力を入れるべきという風潮もある。
  豊かさに向かって中国は突進している。しかし、ますます広がる貧富の格差がそこにはある。番組内である親が子どもにいみじくも農村の子どもとの比較を口走るあのシーン。彼らの中にある格差。
  1人当たりGDPはまだ日本の10%未満という現状。農村と都市の格差は甚だ深刻な問題だ。今後の経済の安定成長のうらに必ず発生する数多くの問題をも忘れずに真っ向から見つめていかなくてはならない。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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