ch11.経済: 2009年2月アーカイブ

ch11.経済 : 何故?働くということ


  最近は大人だけでなく子どもまでが「リーマンショック!」などと口にしている。人との話しの中で、ちょっとの間であるが時々、「本当に去年の今頃はまだ・・・・」という言葉が出る。全く明日が読めないとは今のことか・・・・。
  独立して起業して思ったことは、本当に小規模であっても経営を継続してこられた方というのは本当に凄いと思う。昔から、大手に在職していて、"定年になったら会社でもつくろうかなあ~"なんて時々いう方はいるが、いざその頃になるととても起業など出来ないことが分かってくるようだ。ボールペン一本も会社のものを使用していたサラリーマンには経営者になって苦労しようなど、そうした世界で起こることについて全く未知数であるからだ。


  何もかもが本当に変化をしている。まさに止めようのない変化だ。例えば「うちは百年も続いた老舗だから~」などというのも通用しない。何の効力もない。また「この数十年はずっと景気が良くてね」というのだって「手形がきれなければおしまいだ・・・・何とかしてくれ」ということになる。もう、昔の栄光に酔っている間はない。実に怖い。
  
  「もう一度、就職してサラリーマンになることにした」と友人が言う。彼も大手企業を離れ、起業した人間だが、それこそ、リーマンショック以来というか、経済状況の変貌に太刀打ち出来なくなって、今までのものは通用しなくなったと言う。結局、会社を畳むことになったわけだ。しばし、転職先の給与面で悩んでいたのが、実際にその数字を聞いて「何を言っているんだ!」と強く言ってしまった。ずーっと高給に慣れていたものは、やはり何かが麻痺しているのだ。所謂大手にいる人間は、特に麻痺している。本当に目を覚ませ!と言いたいくらい麻痺している人が多い。
  先般もある男が定年後もその会社に残った場合の給与数字を聞いて「冗談じゃない!」と激高していた。エンドレスで激高していればいいんじゃないか?と私は傍観するように聞いていた。
  ちょっと前に電車の中吊り広告でたしか退職金4000万もらっても、次に300万を稼ぐことも大変だというような見出しがあったが、まだ、こんな実状も分からない人々もいるのも確かである。

  取材の打ち合わせで、少し早めに到着した。喫茶店でコーヒーを飲みながら、資料を整理していると、隣りで若い女性と男性が何か面接のようなことをしている。男性が面接官のようだ。
  
「しかし、すごいねぇ、もう10回も転職しているのか・・・・」と男性。
「これだけ転職していると、いい出会いの種かどうか?分かるんです。根拠はないんですが、自信はあるんです」と女性がきっぱり言う。「?」と思いながら、いつの間にか、資料整理しているのに、左耳がぴくぴくしてきた。
「入社したはいいけど、借金だらけの会社だったり、夜の接待ばかりだったり。酒癖や女癖の悪い人は本当に困りました。ある会社では社長に、ねえ、お金貸してと言われた時は本当に驚きましたよ」と女性。彼女が転職するにはそれだけの理由があったのだなあと思えた。かなりご苦労も経験も積んだわけだ。なかなかのツワモノのようだ。
「結局、お金だお金だという人、儲かる話しとか儲けるのが一番という人が社長の会社は嫌ですね。良くしていきたい、それも社員のために会社を良くしていきたいという社長のもとで仕事がしたいんです」と言う女性の言葉に男性面接官が頷いていた。話しを聞いていると女性は33歳ということだった。しかし、まだその若さで、本当によく分かっているなあ~と感心していると・・・・・・
「ああ、どうもどうも~」と目の前に取材相手がいらっしゃった・・・・・さあさあ、仕事だ。

  ジャーナリストの櫻井よしこさんが理事長を務めるシンクタンクで、日本国家が直面する基本問題を見つめなおそうとする「国家基本問題研究所」の会員なのだが、昨日は地球物理学者の赤祖父俊一先生の「地球温暖化の原因」についての講演会が永田町の星稜会館あった。
  「20世紀後半〔実際は1975年日頃より〕、温暖化は炭酸ガスによねものとするのは仮定でしかない。不幸にしてその仮定から推定された気温上昇が大災害をひきおこすこととなり人類の大問題となってしまった」という。現在の地球温暖化の原因である二つの自然変動によるもので、我々が日頃から目にしている温暖化の認識、そして例えばよくみる現象面の映像の間違った使われ方などを改めて認識する。質問事項を3つ用意していったが赤祖父先生の説明の中で全てクリアになった。しかし、会場内は熱気でむんむん。次から次へと活発な質問が出され、予定時間をはるかにオーバーしてしまっていた。大学の名誉教授や民主党の議員など様々な方々が参加していらした。中には「私は年金暮らしの~です。昔、応援団だったからマイクは要りませんよ!」と威勢のいい男性の自己紹介に場内は笑いで包まれた。
  今後のキーワード「食」「エネルギー」「水」そしてますます進むであろう「太陽経済」。本来、省エネの生活を愉しんできたニッポン人。そして省エネが得意でもあるニッポン人。だからこそ、未来図も描かないで、目先の利益に貪り、ガツガツすることなく、真摯に冷静に受け止めていこう。
  「まだまだ若い学問の分野。またまだ研究が必要なんです」という赤祖父先生の言葉が心に残った。


国家基本問題研究所のホームページ

ch11.経済 : 甘い話

世の中、うまい、おいしい話があったら果たしてその「話」を人に教えるだろうか??

   逮捕前に自宅近くの小料理屋で朝食をとっているエル・アンド・ジーの波会長。「どこが詐欺なんだ?!」とふてぶてしい映像を見ながら、この人の頭の中はどうなっちゃっているのかと思った。自らを被害者と堂々と言いきる姿。円天という疑似通貨を発行して単に多額の資金を集めていただけの人生。「円天」は使っても減らないという宣伝文句で出資者を募り年利36%で100万円を預ければ、15年で1億円になるとか?冷静に考えたらあり得ない話だろうが・・・・。 L&Gが集めたお金は1200億円を超えて、会員は全国で約3万7000人に上るとか。それでも、今になっても被害届を出している人は少ない。一時的とはいえ、夢を欲望を貪ったのだろう。その酔いからまだ醒めないのだろう。しかし怖ろしい世界である。

  元本保証をうたい株式投資に誘った主婦もいた。関西や中四国の100人以上から少なくとも15億円を集め1人で1億2000万円を出資した人もいるとか。元本保証と月2-5%の配当が明記されていたという契約書。派手な着物と宝石でかためた、これまた偽装に人は騙された。
  こんな時代、こんな犯罪はますます増えると思う。人の心を弄び、そして人の欲につけ込む。飽くなき欲望が満たされる事はない、醒めるまでは。

ch11.経済 : 破壊そして創造


   まだ景気のいい頃だった。確かにあの頃は浮ついていたと思う。この調子で行けば安泰なんだくらいに不遜な気持ちでいたと思える。そんな時、時のリーダーは私たちに「スクラップ・アンド・ビルド」を繰り返した。何度も何度も繰り返した。しかし、当時の自分達は果たして、真剣に100%の努力をしただろうか? 大いに疑問だ。 全てを一度破壊して再度構築する事・・・・躊躇いと不安、それ以上に迷っていた。一生懸命にとか努力とか、何よりも会社に何年間在籍しているとか、ある程度しがみ付いていれば何とか生きられた時であったのだろう。しかし、今。完全に「時」が変わった。従来のビジネスモデルが完全に通用しない。本当に実感する。


  パナソニックが2010年3月までに正規、非正規社員合わせて計1万5000人を削減する方針を発表した。世界景気の後退の中で「破壊と創造」に挑むわけだ。需要回復の目処がたたなければ更なる「破壊」を迫られるだろう。スリム化したとしてもそれだけで回復するわけではない。
  

  ある日ある友人が私に暗い表情で言った。「~百人のリストラが予定されている」と。対象となる世代のなんと厳しい現実。まだ見えないとしてもその現実が突き出される。言葉にもならない。聞いてもどうすることも出来ずだ。ではどうするのか?内部留保の問題で、ワークシェアリングで数年後には回復、甦ると言いきる会社もいろいろあるが、基本は国の力以外にないだろう。


   読売新聞社が「首相に最もふさわしいと思う国会議員は誰か」と面接方式の全国世論調査をした結果、小泉元首相(14.4%)がトップで次位が小沢民主党代表(13.7%)だったそうだ。麻生さんと自民党離党で注目された渡辺喜美元行政改革相はほぼ同じ・・・というのも面白い。小泉さんの実績というより、多分、あの「時」を駆けた小泉さんのイメージというのか、所謂「空気」が欲しいのだと思う。首相に求める資質のトップが「指導力」、そして「決断力」というらしいが、本当に国民は国民意識になれる、ジャッジが出来る指導者が欲しいのだ。

  たとえが相応しくないかも知れないが、1937年であったか、ヒトラーという一人の英雄が熱い国民の支持で生まれた。大戦後の混乱の中で、ドイツ国民が自分達で選び、そしてひとつの政権が生まれた。その時の為政者は確かに天才であったのだろう。しかし、何かが彼を悪魔に変えていった。天才でもなくて良い。朴訥として、そしてあくまでも真摯に国の未来を考える指導者であれば。

このアーカイブについて

このページには、2009年2月以降に書かれたブログ記事のうちch11.経済カテゴリに属しているものが含まれています。

前のアーカイブはch11.経済: 2009年1月です。

次のアーカイブはch11.経済: 2009年3月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

プロフィール

ichiko.tv

ichiko.jpg
吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

メール

ご意見・ご感想はコチラまで!

著書紹介

「にっぽんの旨い!を取り寄せる」
食文化研究家・永山久夫さんの全国津々浦々のお取り寄せグルメ100選。「おいしい」の裏側にある生産者の思いにも触れられる一冊。未知の「味」と出会える。
価格1,470円(税込み)

「横浜中華街行列店の秘伝レシピ」
横浜中華街で特に評判の高い厳選29店の味を家庭で再現するためレシピ。秘伝の味を再現するためのコツや工夫を惜しみなく公開。プロの味が家庭で再現できるか?について検証した。
価格1,470円(税込み)

「横浜中華街オフィシャルガイドブック2005-06」
独立して初めて関わった思い出のガイドブック。横浜中華街発展会協同組合の325店全店完全取材! 「食」と「文化」、「歴史」そして華僑・華人の「生活」に触れられるオフィシャルガイドブック。あの燃えるような夏の取材の日々は良かった。
価格950円(税込み)

「和食のいろは」
和食のおいしさを支える基本をあらゆる角度から紹介。プロに教わる目利きのコツから料理研究家直伝の和食レシピ満載。ずっと会いたかった道場六三郎さんをインタビュー。
価格1,470円(税込み)

「マヨネーズってわっはっは」
 親友のかっちゃんこと小林カツ代さんのマヨネーズを使って驚きレシピを紹介。遊び心がいっぱいのレシピや薀蓄も盛りだくさん。
価格1,470円(税込み)

「浅草散歩ガイド」
一カ月に一回は必ず遊びにいく浅草。路地裏は最高。どうしても「浅草のガイドブック」を作りたかった。浅草今昔物語から「食べる」「歩く」「憩う」「買う」浅草が満載だ。
価格1,260円(税込み)

2013年5月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31