ch04.カルチャー: 2004年6月アーカイブ
ch04.カルチャー : いきがいいのは料理素材だけじゃない |
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横浜中華街は人々の情熱と個性のワンダーランド
今秋発売予定の「横浜中華街」の公式ガイドブックの編集をすることになった。
ひととおり歩いてみる。なんて、自分はいつも決まったお店ばかりに行っていたことを再認識した。
10年前、退院してしばらく元気がなかった父を元気づけようと、母が横浜中華街に連れ出したことを思い出す。
「ホントに美味しかったのよ!」と幾分顔色が良くなったように見える父の横で母は嬉しそうに笑っていた。
二人はどこの店に行ったのだろうか?私は聞き忘れていた。そんなことを思い出しながら通りを歩いているとなんとなく、二人の後姿が見えてくる。
今回初めて分かったこと。ここは、本当に情熱的なワンダーランドだ。
それぞれが店の主人の個性を爆発させている。料理一つ一つにプライドと深い愛情を注いでいる。決して手を抜かない、真剣勝負だ。
この日は取材初日。「K」のご主人は大きなクルマエビの料理を作ってくれた。厨房で「ぼくはね、実は仕事は嫌いなんだよ。遊ぶことしか考えてないんだよ」といいスタッフを笑わせた。そして「遊びってなんだか当ててごらん」といい、茶目っ気たっぷりな笑顔を初めて見せた。
「競馬!」「賭け事は一切しないよ」「クルマ!」「もう、それは終わったね」「もしかして・・・・女?」「ないない」
答えに詰まっている姿を見て「高尚」「お金もかかる」とヒントを出した。すると「アンティーク」とスタッフの一人が見事!当てた。「店の前においてある時計もアンティークだよ」とさりげなく言う。無造作に店に置いてある時計を見ると「大丈夫か?」と心配になる。
聞けば聞くほど、「K」の主人はびっくりするアンティークのコレクターだったのだ!
「ご主人!テレビに出て、鑑定してもらったらどうです?」と初日から私は野暮なことをしゃべってしまった。。。。