ch04.カルチャー: 2009年10月アーカイブ

ch04.カルチャー : リアル書店 「松丸本舗」開店

   あるパーティーの席で本の魅力を伝える書評サイト「千夜千冊」の執筆者でもある松岡正剛さんにお目にかかった。私は昔からファンだった。
  10月23日に丸善が東京駅前にある丸の内本店4階に「松丸本舗」と銘打った"書店内書店"をオープンさせたが、ここのプロデュースしたのが松岡正剛さんである。"65歳にして店が大事だと実感した"という松岡さんの言葉には何とも説得力がある。まさに、店を編集したということだ。
  「本の連続性」がコンセプト。ジャンルや形態、著者別での陳列はなく、本が持つ世界の広がりを感じさせる独創的なセレクトが特徴ということだ。口を開けば、本が売れないとか、出版は氷河期だなんて出版不況を言っている事自体がおかしく思える事態である!
  約215平方メートルの広さに松岡さんがセレクトした約5万冊の本が並ぶ。先ずは5万冊という本の背表紙だけでも読んでみると良いかも。「今後は二号店、三号店を作ろう」と丸善の社長も言っているそうなので大いに愉しみである。
  最近は流行り病のように「リアル」「リアル」と言っているけれど、使い方が変でしょ?と思っていた。しかし、ここはまさしく"リアル書店"であろう。
松岡正剛 千夜千冊 目次

出雲大社前 駅舎.jpgのサムネール画像

神社での参拝の作法は、一般的には二拝二柏手一拝であるが、ここ出雲大社では、二拝四柏手一拝で拝礼を行う。
さて、60年ぶりに国宝・本殿の改修が行われている出雲市大社におまいりをした。60年もの長い時間、本殿を覆っていた檜皮が次々とはがされている。今回が4回目の葺き替えということだ。

写真は「出雲大社前」駅舎
『日本鉄道旅行地図帳 中国四国』(新潮社)の各駅舎100選 中国・四国8駅にも選ばれている。"日本で唯一ムスリム文化の影響を思わせる"というドームを持っているとある。建築されたのは昭和5年で、何ともレトロなにおいがする。駅舎前は結構、クルマのとおりがさすが?に多い・・・・。
出雲大社 ホームページ

ch04.カルチャー : 足立美術館を訪れました


  米国の日本庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」の日本庭園ランキングで堂々5年連続第1位に輝いている庭園が島根県にある。かの有名な桂離宮はなんと次位。要は"世界一の日本庭園"というものなのだ。名実ともに1位という日本庭園に、機会があれば一度は訪れると良いかも知れない。
  「枯山水庭」、「白砂青松庭」、「苔庭」、「池庭」そして一幅のお軸を鑑賞するが如き「生の掛軸」もここならではのものだろう。「白砂青松庭」は横山大観の名作である「白沙青松」を忠実に再現した庭だという。
   足立美術館は昭和45年に島根県安来市出身の実業家・足立全康が、自分のコレクションしてきた横山大観などの絵画や彫刻・蒔絵などを展示するために開設した美術館で、日本庭園と日本画の調和をテーマにしている。横山大観のコレクションはこれまた世界一の規模を誇るというから、ただただ驚きである。特に、大観の『無我』を前にすると声も出ないほどに感動する。2010年の11月には現代美術作家の作品を集める新館がオープンするという。現在工事中。人気を博している美術館には年間50万人もの人々が訪れる。新館が完成したら、また藝術に触れる人も増えていくことだろう。贅沢な時間、たまにはいいものだ。

「足立美術館」のホームページ

ch04.カルチャー : 太宰治の毒


  人それぞれ幸福の形は違うものだろう・・・・・しかし、では幸福って何なのだろう?と思うほど。


  今年は太宰治の生誕100年という記念すべき年ということだ。相変わらず太宰は日本文学史の代表的な作家であり、女性の人気はゆるがない。太宰の墓がある三鷹市の禅林寺で供養が行われる「桜桃忌」には今も尚、多くのファンが集う。
  その太宰治の晩年の傑作である『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~』(根岸吉太郎監督)が映画化され現在、上映中である。第33回モントリオール世界映画祭で最優秀監督賞を受賞するなどの話題性もあり、公開前から熱い注目を集めていた。
  映画館はやはり女性で溢れている。若いとか熟年とか全く関係なく、こんなにも女性を惹きつけるのって何?と思われるほどだ。何か浮き足立っている・・・そんな感じの女性が多い。

   大酒飲みで且つ、借金を抱え、そして浮気の繰り返し。その上、嫉妬深い大谷穣治の役を浅野忠信が演じている。太宰を彷彿させる。ふっーと勘違いをしてしまう魅力を放つ。そして何とも、着物姿に男の色気がある。ありすぎるかもしれない。何なのだろう?これが天性というものなのかとも思う。そしてその大谷の放蕩に翻弄されながらも傍で健気に・・・・いや強い女性とはこんな人の事を言うのだろうと感じる妻・佐知役を松たか子が演じている。しかし、これまで、松たか子の女優力というか気がつかないでいた自分。この女優は本当に凄い・・・・

   久しぶりに太宰に触れた気がした。

「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」のホームページはこちら

ch04.カルチャー : Re・・・・あらあらかしこ

   電子メールというものに慣れている今日この頃。時々"手紙"を書かなければならないことになると、「あれぇ?」という事が多い。
  ものごころついた頃から学校の教師や先輩諸氏に自然とならったのが頭語と結語か。一般的な発信に拝啓、結語として敬具。一般的な返信に拝復 復啓 敬復。 前文を省略する時に前略そして冠省や冠略という文字を見た記憶は鮮烈だった。年配のおばさまたちが、ちょっと慌てた文字で「前略ごめんくださいませ」という流れるような文字もまた鮮烈な記憶だ。丁重な発信で謹啓、謹呈、恭啓などは多分社会人になってから目にしたものだったと思う。

  便利、簡単、都合がいい・・・・そんな理由で「電子メール」に頼りきっているのであるが、どう最近、気になって気になってしようがないものがある。それは「件名」である。自分は、メールを返信する時、なるべくその件名を修正するようにはしているのだが、多くの人はそれを忘れている方が多いようだ。・・・・というより、あまり意識されていないのだと思う。要は「Re・・・」で延々と続くメール。返信していると、本当にどうなっちゃったんだろう?どうしたんだぁ?と感じる。あまりゴタゴタ言うとなんて五月蝿い奴だと言われそうだが・・・・・
  マナーとまで言わないが、メールとは実に難しい。強調したい気持ちは分るのだが、そのセンテンス?のフォントをかえる方が時々いらっしゃる。例えば極端に大きな文字に。これがまた、気忙しいというか、あまり気分が良いものではないのがホンネ。
  また、「例の件ですが」といきなり書き出す人。実は、その"例の件"を忘れてしまっている事が多いものなのだ。やはりその件をきちんと書いた方が分りやすいだろう。そして、最近多いのが携帯メールからパソコンに、まさに、いきなり!!という書き出しで例えば、コンサートのアナウンスやお願い事など勝手気ままというか、自己中心的な内容が目立つメール。暫く声も出なくなりそうだ・・・・・
  自信満々では決してないところが辛いのだが、常に発信と返信の時は「相手」の気持ちにたって書くのが良いのではないかしら?思わず「ほほっ-」と感動するような気持ちの良いメールのやり取りをしたいもの。まあ、別段、感動するようなものでなくて"当たり前のメール"とでもいおうか、それでいいのだ。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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