ch04.カルチャー: 2011年9月アーカイブ

110928_1937~02.jpg110928_1912~01.jpg まだ戦後の風景が色濃く残っていた1960年代。真夜中まで多くの作家、音楽家、芸術家たちで賑わっていたという文壇バー「風紋」を訪れた。檀一雄をはじめ埴輪雄高など多くの作家や学者、編集者が通ったというバーである。   太宰修の小説「メリイクリスマス」の主人公でもある林聖子さんが1961年に創設したバーである。太宰治は美人の聖子さんの母親の知り合いで、日ごろから親しかった関係ということだ。太宰治が玉川上水で入水自殺をした時に、きちんとそろえられている太宰の下駄を発見したという人でもある。   今年「風紋50周年」を迎えるという店にはたくさんの花束が届けられた。齢80を過ぎても元気にお店に通われているという美しい林聖子ママの写真も撮らせていただいた。

  

ch04.カルチャー : 式亭三馬という人


  ブログにこれまで編集に携わった本の一部を紹介しているのだが、時折、何気なくアマゾンでの価格を確認している。独立して最初に手掛けたのが「横浜中華街オフィシャルガイドブック」というものだが、ひょいと見て驚いた!なんと一冊4500円ほどになっているではないか!「え~っ」である。その点、浅草ガイドの方は1円。「こりゃ如何に?」。まあ、取り上げた店舗の数もずっと横浜の方が多いのだが、しかしビックリした。やはり「ガイドブック」というのは今も昔も人の心をつかむ?もののようだ。だからこそ、必要なことは「何となく~」ではなく確実でしっかり詳しい情報が必要である。


   江戸時代にもガイドブック「江戸買物独案内(えどかいものひとりあんない)」というものが中川芳山堂によって出版されていた。現代でいえば、会社名、会社のロゴ、業種、所在地、経営者名。いわば、案内広告のようである。見方によってはいろいろ参考になる。「ほ~っ」の連続である。
  さて、戯作者としての認識が多いと思うが式亭三馬は地本作家、薬屋そして浮世絵師でもあった。この「江戸買物独案内」での活躍ぶりを見ると、現代では辣腕編集者であり、広告マンであり、コピーライターであり、マーケッターであり・・・まさに"時代の先読みの天才"ではないかと思う。ぼうーっと「あらまあ~ぁ」と生きていたら、多分この三馬に飲み込まれてしまうだろう。そんな優れものだ。もし、タイムマシンでもあったらも三馬に会って話をしたいと思う、そんな魅力ある人物だ。

  当時は1両で草双紙が278冊ほど買えたらしい。「2004年に950円で売り出した『横浜中華街オフィシャルガイドブック』がこの前まで100円とか300円だったのに、今、アマゾンで4500円にもなっているんですよ」なんて話からしたい。「但し、店の情報は少し古くなっているので勿論、取材し直しですがねぇ」と少し、照れながら。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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著書紹介

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価格1,470円(税込み)

「横浜中華街オフィシャルガイドブック2005-06」
独立して初めて関わった思い出のガイドブック。横浜中華街発展会協同組合の325店全店完全取材! 「食」と「文化」、「歴史」そして華僑・華人の「生活」に触れられるオフィシャルガイドブック。あの燃えるような夏の取材の日々は良かった。
価格950円(税込み)

「和食のいろは」
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価格1,470円(税込み)

「浅草散歩ガイド」
一カ月に一回は必ず遊びにいく浅草。路地裏は最高。どうしても「浅草のガイドブック」を作りたかった。浅草今昔物語から「食べる」「歩く」「憩う」「買う」浅草が満載だ。
価格1,260円(税込み)

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