ch04.カルチャー: 2011年10月アーカイブ

ch04.カルチャー : ああ~覚えられない!

  数年前から朗読の勉強をしている。あくまでもプロになろうとか、そういうつもりではないのだが、発表会のような?ものがあり、意外と好評で。
  そんなこんなで「語り」もということになった。心の中で「やめてよ!」と叫んでみても遅かりし。しかし、これほどまでに記憶力が低下していることに冷や汗が出る。小学生の時に覚えた深海魚や恐竜の名前は未だそらでいえるというのにどうたしんだ?短編も全く覚えられない。青魚エキスも飲んではみたものの・・・効果なし。言い訳はしたくないのだが本当に覚えられない。指導の演出家り永島直樹先生は「頭の中に情景を浮かべて」と何度も仰るのだが、どうにもこうにも記憶力の低下。悲しい壁にぶち当たり、あまりに酷い状態に、ついには可笑しくて笑い出してしまう。しかし、まあ、何ともバタバタとした今のような日々を送っている時こそ、ここぞ!という集中力が大切だと思った。

ch04.カルチャー : 秋の夜更け


    時々、書店に入ると児童書のコーナーに行く。特に、短編をさがす時などは新しい発見が多い。そんな中、『名詩の絵本』(ナツメ社)を見つけた。掌サイズほどに小さい。愛らしい絵本だ。「愛するこころ愛するかたち」「大切なひと つよい絆」「生きる身体 いとしい暮らし」「動きだすことば あたらしい世界」と章ごとにたくさんの詩がある。
   あらら・・・私の好きな佐藤春夫の「秋刀魚の歌」。あはれ 秋風よ 情あらば伝へてよ・・・子ども時代などこの世界は決して想像も出来ないもの。大人になっていろいろあって・・・分かることがある。
  島崎藤村の「初恋」、竹久夢二「宵待草」、宮沢賢治の「永訣の朝」、林芙美子の「苦しい唄」、石垣りんの「表札」。西脇順三郎の「天気」。覆された宝石のやうな朝・・・ああ、中学一年の教科書にあったなあ。そんなことを思い出す秋の夜更け。

ch04.カルチャー : ああ!ボニンの島よ

  先般、無事に台場のパナソニックセンターで写真家・榊原透雄さんの小笠原の写真展が終わって・・・昔の勤務先のサンケイリビング新聞社の営業・Kさんの3人で、久しぶりに新宿で呑む。本当に久しぶりの再会!の飲み会。
  当時、榊原さんが「ボニンの島から」を出版して、その本の紹介でもと思っているうちにサンシャインシティで「小笠原写真展」を開催。あれよ~あれよ~といいながら、何と、サンシャイン水族館に小笠原の魚たちを運んでしまったのだ・・・・
  「いやあ、あの時はすごかったよね~」と三人でワハワハワハワハと笑う。「今じゃ考えられないよね~」と言いながら。
  世界遺産になった今は当たり前のようにあちらこちらで、いろいろな企画もあるだろうが、当時のプレゼンでは「ところで、吉田さん、何で小笠原なの?」と聞かれた。そりゃそうだ!ボニンの島といわれるほどだから。しかし、ピンときた感覚は今でも忘れられない。「小笠原は今、やるべきです!」と。単なる本の紹介でなるものかという感覚だった。
  「やっぱりいち子さんの勘だったのかなぁ?」とKさんが言う。今となっては完全に忘れているが「いやあ、3万人の動員ですよ、ありゃ、すごかったよ」と榊原さんが言う。
 なんだかんだ言って、健康で会えるという幸せ。ワハワハ笑える瞬間。たとえ夢幻の現世にあってもだ。有意義な「昔の話」にはながさく。ああ!ボニンの島よ、ありがとう!


ch04.カルチャー : 「としまの記憶」をつなぐ会


最近、ご縁とは本当に不思議なものたと感じている。こんな話をすると「吉田さん、それは偶然ではなく必然なんですよ」と、時々こういう言い方をされる方も多いのだが、若い時であったら「そうですか!必然なんですか!」と単純に喜んだりもしたのだろうが、ワインの澱の如く、いろいろなものが澱んだ年齢になるとどうもそれもどうなのか?と考える。

   また、ブツクサツベコベが始まってしまったが・・・実は、二年ほど前にイタリア発の「記憶の銀行・メモロ」というものを取材するチャンスがあった。それは日本でスタートを機会に、たまたま新聞記事として書くのに興味のあるテーマであったわけである。記事にした。新聞は発行された。
   
    それが、ある日のワークショップで自分の思い出の中で「豊島区」いう土地でいろいろあるなあと思った時、堰をきったが如く「この人の話を残したい」という気持ちがムクムクと湧いてでた。そして何よりもその「場」で同じことを考えた人たちとの出会いというのものまつに火がついた、そんな感じである。だから"偶然をよそおった必然"と考えると何かほのぼのとした浪漫をも感じる。
  そして「としまの記憶」をつなぐ会が発足した。今、NPO化に向かって、着々と準備が進められている。そして、コツコツと撮影した「記憶」のひとつひとつが蓄積されていく・・・そんなところである。
  
いくつかの編集を終えた映像をチェックして、感想をメールしたところ撮影担当のDさんから返信がきて、ハッとした。「まさに!」「なんと!」と思った。Dさんの奥さまからの指摘ということだが、「自分の映像を遺す、という行為は、男女で違うと妻に指摘されました。男性は、事実を遺す。自分の姿を含め真実を残そうと考える。ところが、女性は思いを残したい。美しい自分を遺したい。それはインタビューの言葉にも表れています。「感動した」と話すのが女性。主語は一人称。「...だった」と話すのが男性。主語は三人称です。」というものだ。
  まあ、この世は男性と女性。人が、思えば100年にも満たない時間をどう生きて、そして「記憶」したのか、それはたとえばそれこそゴーストライターを使って『自分史』を書いたりすることも可能だろうが大半の人々は日々の時間を残そうという気持ちはなく過ごしてしまうだろう。しかし、その人が生きた時代の風は二度と吹かない。だからこそ、「思い出せる」時間の片鱗でもいいから映像に残し、そして繋げていくことは素晴らしいと思っている。まあ、まだ「夢」ではあるが、専用のスタジオでも作れればいいものだと考えている。あれこれ考えれば考えるほどに気持ちはたかまっていく。

ご参考までに 「終戦の記憶」

◇「としまの記憶」をつなぐ会 交流会のお知らせ◇

  「より多くのとしまの記憶を未来につないでいきたい。記憶を語る人を発見し、撮影し、編集して、「としまの記憶」としてまとめていきたい。そして、その映像を実際に見ていただき、お茶を飲みながら楽しく語り合う定例交流会を通して、広い理解を得ていきたいと考えています。「記憶の画像を1万本を集めて、『豊島の映像百科事典』を目指したい。」と会長・山田智稔さん。下記の要領で第一回の交流会が開かれるので興味のある方は奮ってご参加下さい。

第1回「定例交流会」のお知らせ
◆日時
10月16日(日)14時~17時
(開場は13時30分)
◆場所  
豊島区民活動センター
東京都豊島区北大塚1-15-10 東部区民事務所2階
JR山手線「大塚駅」北口から4分
会場の詳細はコチラ
◆参加費 無料

なお、【としまMEMOROプロジェクト】「としまの記憶」をつなぐ会
  〒171-0014東京都豊島区池袋2-31-3 岸野ビル102 CB-BOX内
  TEL: 03-5985-4881 FAX: 03-5985-4890
メールはコチラです。どんな質問でもお便りでもお問い合わせください。今後のワークショップや撮影会の予定をお知らせします。また自薦・他薦を問いません。「懐かしい記憶を語りたい」方大募集です。「撮影にボランティアで協力したい」という方も気軽にご連絡下さい。心からお待ちしています。

toshima-kioku@freeml.com 

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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