ch04.カルチャー: 2011年9月アーカイブ
ch04.カルチャー : 50周年を迎える文壇バー「風紋」 |
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ch04.カルチャー : 式亭三馬という人 |
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ブログにこれまで編集に携わった本の一部を紹介しているのだが、時折、何気なくアマゾンでの価格を確認している。独立して最初に手掛けたのが「横浜中華街オフィシャルガイドブック」というものだが、ひょいと見て驚いた!なんと一冊4500円ほどになっているではないか!「え~っ」である。その点、浅草ガイドの方は1円。「こりゃ如何に?」。まあ、取り上げた店舗の数もずっと横浜の方が多いのだが、しかしビックリした。やはり「ガイドブック」というのは今も昔も人の心をつかむ?もののようだ。だからこそ、必要なことは「何となく~」ではなく確実でしっかり詳しい情報が必要である。
江戸時代にもガイドブック「江戸買物独案内(えどかいものひとりあんない)」というものが中川芳山堂によって出版されていた。現代でいえば、会社名、会社のロゴ、業種、所在地、経営者名。いわば、案内広告のようである。見方によってはいろいろ参考になる。「ほ~っ」の連続である。
さて、戯作者としての認識が多いと思うが式亭三馬は地本作家、薬屋そして浮世絵師でもあった。この「江戸買物独案内」での活躍ぶりを見ると、現代では辣腕編集者であり、広告マンであり、コピーライターであり、マーケッターであり・・・まさに"時代の先読みの天才"ではないかと思う。ぼうーっと「あらまあ~ぁ」と生きていたら、多分この三馬に飲み込まれてしまうだろう。そんな優れものだ。もし、タイムマシンでもあったらも三馬に会って話をしたいと思う、そんな魅力ある人物だ。
当時は1両で草双紙が278冊ほど買えたらしい。「2004年に950円で売り出した『横浜中華街オフィシャルガイドブック』がこの前まで100円とか300円だったのに、今、アマゾンで4500円にもなっているんですよ」なんて話からしたい。「但し、店の情報は少し古くなっているので勿論、取材し直しですがねぇ」と少し、照れながら。