ch04.カルチャー: 2013年7月アーカイブ

ch04.カルチャー :


  人とのご縁とは実に不思議なものだと思う。もう随分前のことだがフジサンケイグループにいた頃。中堅社員研修に出たことがある。何日かの合宿の中でグループ分けがあり、研修は進んだ。
  その後もそのメンバーとは長い付き合いがある。各社からの参加であったから年齢が一緒ではない。しかし、どういわけか、私たちのメンバーは研修後も定期的にみんなで集まってワイワイといろいろな話しをした。

  メンバーの一人のSさんが3.11のあった年に癌で亡くなった。定期的な集まりがちょっと滞ったその年の暮れだったか、皆がそれぞれの理由で慌ただしくしているうちにSさんと連絡が何ともとりづらくなっていた。「海外に行っているのではないか?」「忙しいんではないか?」などと言っていた。電話をかけてもコールするばかり。メールも返信がなかった。「手紙を書いたら?」と言って、リーダーが手紙を書いた。今思えば全て納得できるのだが、当時はそんな異様な時間が過ぎたのだ。いろいろな話をパッチワークのように繋げていき、漸く、ここになって当時、奥さんが退院をされた後に彼が急に体調を崩した、そんな事実が分かった。

  Sさんはその年のはじめに長年の自分のテーマを原稿にまとめあげていた。『稲荷山王朝の謎 ワカタケル大王とヲワケノ臣の謎を追う』。それを「出版したいなあ~」と同僚に話していたらしい。しかし癌が発見されたのはその直後だったそうだ・・・しかし、既に末期だった。「誰にも言うな!」「決して言うな」という彼の当時の思いとその厳しい一言が、時間をかけて真面目に真面目に守られた・・・。

  突然の死は何もかもを分断してしまった。しかし不思議なご縁はパワーをそのまま秘めていた。この度、Sさんの奥さんから原稿のUSBを弟さんから受け取ったという連絡に我々は小躍りした。送られてきたUSBには打出の小槌のストラップがついていた。ふれば思いがかなうか!!そんな感覚だ。
  テーマをコツコツと生真面目に取り組み、時間をかけて歩いて、そしてまとめた原稿を目にした時、涙が溢れた。研修の時の彼の姿が浮かぶ。そして結果としては最後集まりの時になってしまった集合写真を見ながら、「こんな思い出になるとは・・・!」そう思い再び胸の奥があつくなった。
  今、Sさんの原稿を何とかまとめようとメンバーで話して進めている状況である。時間が経ち、それぞれのメンバーがまた違った道を歩みだしているが、Sさんへの友情は何としても形に残したい、そんな気持ちでいる。


ch04.カルチャー : 風立ちぬ

tbn_c7ecdcaac8766632.jpg  公開初日に映画鑑賞した友人から「とにかく、すごい混雑。もう、満席状態だった。入れない!」と映画の内容より混雑ぶりの報告が先だった。それほどに人気の『風立ちぬ』。初回に行ってみるが、やややっ!さすがに凄い。座席指定だから、より凄さが分かる。最前列の端っこだったが次回からはもっと混むであろう。しかし、客層が不思議なほど。女性、男性、子ども連れのお父さん、赤ちゃんを抱いたお父さんが目だった。映画の最後は涙を拭う男性の姿も多かった。   内容はさることながら、日本語の美しさに私は本当に心から感動した。こんなに美しい日本語が普段の生活にあったのだと。今は荒む一方で日々、悲しくなることが多い。通じればいいじゃん!ではない言葉の世界、心があらわれ、そして明治生まれの祖父や祖母のうっすらととした面影を追った。主題歌の荒井由実「ひこうき雲」も実話をもとに作詞された曲と聞いた。しばし座席をたてないほどの感動を受ける。『文藝春秋』8月号では、映画監督・宮崎駿さんと作家・半藤一利さんが記念対談『風立ちぬ』戦争と日本人の企画ページがある。零戦の誕生、そして関東大震災。なんでも絵コンテが出来たのは3.11前日だったとか。この作品が生まれるまでの本当にかかわられた方々の努力や気持ちを大切にしたい。"ただ懸命に生きた時代の証言"と記事には書いてある。懸命に生きた時代・・・私たちはその時代をもとに今、生きているのだ。映画のポスターも美しい。 「風立ちぬ」 公式ホームページ

ch04.カルチャー : 7月30日までダッシュ!

本日は夕刻から7月30日の初台・東京オペラシティ「玉手箱コンサート」のリハーサル。数時間ステージに立っているだけで「疲労」するなんて!しようもないなあ。しかし、コンサートホールの音響の良いことといったら・・・当日まであと数えるほどしかないが練習とはすればするほど上達するものだと実感。新しい楽譜をいただいたばかりの時はつんのめるほど「ああ~無理~」と思うが、練習は続けるほどに上達はしているようだ。ランチタイムの一時間。是非、オペラシティにいらっしゃってくださいね♪

ch04.カルチャー : 圓朝祭

圓朝祭へ。落語は本当に面白い。本日は、古今亭文菊 「豊竹屋」、桂 文三 「京の茶漬け」、柳亭市馬 「笠碁」、三遊亭円楽 「お化け長屋」、柳家三三「佐々木政談」そして桂 歌丸 三遊亭圓朝作「勘蔵の死」歌丸語り直して"真景累ケ淵"より。夏ですね!しかし、三三のキレの良さ。すっかりファンとなりました。

ch04.カルチャー : 銀座ミツバチプロジェクト

銀座ミツバチプロジェクトからお知らせをいただいた。
銀座ミツバチ見学会の他、様々な地域の産物を販売。今回は竹田、久住がテーマで椎茸つかみ取り、久住高原地ビール、かぼすカクテルやとり飯、久住高原ハム、スィートコーンなどの販売がある。7月14日(日)。
詳細はファームエイド 

スペイン水彩画の小野寺譲さんのミニ個展「映ろう光」が「すみだ珈琲」で始まる。最寄駅は錦糸町。
なんでも「江戸切子のグラスで出されるコーヒー、ケーキがとても美味しい。自家焙煎のコダワリのカフェ」ということだ。
すみだ珈琲

今回はポストカードを一枚100円で販売。売上代金は全額、宮城県気仙沼市の地元NPOに寄付する。
寄付先 からくわ丸

このアーカイブについて

このページには、2013年7月以降に書かれたブログ記事のうちch04.カルチャーカテゴリに属しているものが含まれています。

前のアーカイブはch04.カルチャー: 2013年6月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

プロフィール

ichiko.tv

ichiko.jpg
吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

メール

ご意見・ご感想はコチラまで!

著書紹介

「にっぽんの旨い!を取り寄せる」
食文化研究家・永山久夫さんの全国津々浦々のお取り寄せグルメ100選。「おいしい」の裏側にある生産者の思いにも触れられる一冊。未知の「味」と出会える。
価格1,470円(税込み)

「横浜中華街行列店の秘伝レシピ」
横浜中華街で特に評判の高い厳選29店の味を家庭で再現するためレシピ。秘伝の味を再現するためのコツや工夫を惜しみなく公開。プロの味が家庭で再現できるか?について検証した。
価格1,470円(税込み)

「横浜中華街オフィシャルガイドブック2005-06」
独立して初めて関わった思い出のガイドブック。横浜中華街発展会協同組合の325店全店完全取材! 「食」と「文化」、「歴史」そして華僑・華人の「生活」に触れられるオフィシャルガイドブック。あの燃えるような夏の取材の日々は良かった。
価格950円(税込み)

「和食のいろは」
和食のおいしさを支える基本をあらゆる角度から紹介。プロに教わる目利きのコツから料理研究家直伝の和食レシピ満載。ずっと会いたかった道場六三郎さんをインタビュー。
価格1,470円(税込み)

「マヨネーズってわっはっは」
 親友のかっちゃんこと小林カツ代さんのマヨネーズを使って驚きレシピを紹介。遊び心がいっぱいのレシピや薀蓄も盛りだくさん。
価格1,470円(税込み)

「浅草散歩ガイド」
一カ月に一回は必ず遊びにいく浅草。路地裏は最高。どうしても「浅草のガイドブック」を作りたかった。浅草今昔物語から「食べる」「歩く」「憩う」「買う」浅草が満載だ。
価格1,260円(税込み)

2013年7月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31