社会問題: 2007年4月アーカイブ

 
  
  新宿南口を出て、新宿サザンテラスを歩いて行くと、いつもいつも「何なのだ?!」と思う長蛇の列。いつ行ってもそのドーナッツ屋さんの前は「あと1時間でーす」などと大騒ぎだ。1時間も2時間も並んで手に入れるドーナッツの味とは?オープンして間もなくの時、「是非、召し上がって」とドーナッツをプレゼントされた。それがこんなに人気の商品だとは知らずに「何でまたドーナッツ?」と思いながら頂いた。その後も「もう、2時間並んで手にいれた!」という人がお土産に持ってきた。余り感激しない私の表情を見て「?」という顔をしていた。実に日本は平和な国だ・・・とここを通るたびに思う。


   2004年の国民健康・栄養調査で40歳以上の男性の半数が内臓脂肪症候群つまり今も騒がれているメタボリックシンドロームの危険性があるといわれ、何かにつけて雑誌でもテレビでも特集が組まれている。某企業では社員食堂で何を食べたかメニューをいれることでカロリー計算もしてくれて、メタボの恐怖から救われているという。本当に会社とは至れり尽くせりだ。有難いところだ。
  
   幸せな国、日本。飽食の日本。今、そんな日本は医療費は増加の一途を辿っている。この栄養調査が行われた年度に何とも32兆円を突破しているのだ。政府が医療費削減の政策を強める中で、国民は食べて飲んでまた食べて、そして流行の食品に飛びついて、何時間も並んでもそれを食べる。それらは必須の栄養でなく、嗜好品である。食べては飲んでそして、人々はダイエットに励む。本当に不可思議な光景としかいえない。
 

  国民の健康への関心は高まる。高齢化が加速する昨今、単に年齢を重ねて長生きをすればいいのまではなく、いつまでも美しく元気でいること、つまり「QOL」(生活の質)の向上に対しての関心も高い。本当に健康長寿とは何なのか?長寿を全うしたい気持ちは誰にでもある。こうしたニーズを反映した開発商品は受け入れられるからこそ、各産業界も健康長寿社会をターゲットに置いたビジネス活動が目立ちはじめているのだ。例えば、1991年に特定保健用食品制度が始まったがトクホ申請を狙った機能性素材や商品の開発が食品会社に限らず、医薬品や化粧品のメーカーでも活発化している。既に700件以上の食品が許可・承認されており、その市場規模も6000億を超えるまでに成長してきた市場た。コマーシャルでもあのトクホのマークはしっかりと認知されているだろう。
  
   そんな昨今、私自身、日々の生活の中で健康のため、美容のためと使わせて頂きながら、もうかなり昔から注目している、林原生物化学研究所の商品。ここの技術力は凄いと思っている。もういくつもの機能性素材を世に送り出してきている。例えば酵素による「糖転移技術」によって、柑橘類に含まるビタミンPを水溶性にしたことで、あのメタボリックシンドロームや血流改善に有効な素材として幅広い食品への応用を可能にしている。

 
 人々が様々な「食」の情報に振り回され?昔には無かっただろう(と思われる)いろいろなシンドロームに対して、弛まぬ日本の技術力が貢献していく現実。本来、食生活の習慣を見直すことによって予防が可能な生活習慣病やメタボリックシンドロームに焦点を当てた機能性食品の開発も活発化している。本当に人間の生活圏に起こる事象とは興味深いものだ。

 


  毎日沢山届けられる郵便物の中にあった一通の封書が目に入った。ある保険会社からのものだ。
開封してみると、「お客様情報の不正持ち出しに関するお詫びとお知らせ」とある。以前、ダイレクトメール発送業務を委託してた大日本印刷において従業員が不正に持ち出したという、あの不祥事のことだ。不正に持ち出されたというお客様情報の内容は氏名、住所、電話番号、性別、生年月日、保険料・・・・とある。それも3年半ほどの長い期間のデータだ。「えっ!趣味とか血液型とかない?」だけで、殆ど丸裸の状態ではないか・・・と溜息がでた。
  友人の金融関係者が昔、住所と氏名、そてし生年月日が分かれば、たいがいの個人に関する情報は分かるものだと言っていたことがある。
 現在までのところ、該当する情報がさらに第三者に流出した事実や不正利用されるなどの二次被害は確認されていませんという文章に、波線がひかれている。しかし、流出したものはもう、どうしようもない。
  かつて、一度だけだが振込み詐欺の電話がかかってきたことがあった。その時、娘の名前やもろもろ・・・。それは何かが洩れたとしか考えられない電話だった。電話を聞きながら、私に少しばかり「冷静さ」が残っていたからよいものの、多分、普通は?動転してしまう人が多いのではないかと思う内容だった。既に、私だけでなく、その流出した膨大な数の個人のデータ。不正に持ち出されたものはしようがない。不正な使われ方がないことをせつに祈るしかない。


何か、軸がしっかりしていないんだな・・・・と感じた。まさに踏んだりけったりか、今。
 
  フジテレビ系で2006年の9月に放送された「恐怖の食卓」で偏った食事がADHDの一因となるなど、内容に問題があり、訂正を求められ、ホームページで謝罪していたという。子どもが高脂質・高たんぱくの食事を続けた場合に脳に影響を与え、、『AD』という病気を引き起こす」と脳神経科の医師が説明したらしい。食事と脳への影響など因果関係が十分に解明されていないものを電波を使って流してしまう、そんな安易さ。行きすぎを「お詫び」して、暫くしてまた・・・・ということがないようにしてほしい。喉元過ぎればだけは、やめてほしいものだ。人はそう「してしまう」ものだからこそ。
  丁度この会見が行われたという夜、やはり関係者があるところに来られず、その時にある人が「まだ、あるある・・・引きずっているんじゃない?」と言っていた。昔、同じグループの組織にいたこともあり、また、友人もいる。そんなこともあるのだが。やはり、番組制作は「流れたらおしまい」でなく、視聴者への大きな影響ももう一度、認識してほしいのだ。番組一つで、スーパーマーケットからブロッコリーだ、モヤシだ、納豆などが一気に消えていく。それくらい、消費者にアクションを起こさせる影響がある。テレビのパワーは半端じやないのだ。


  子どもへの食事。当たり前の「食事」でいい。高脂質の食事など子どもに必要なのだろうか。昔から培われてきた家庭「母親」の食に対する知恵。食育、食育とたいそうに騒がなくても、四季折々の日本の自然の中で育まれてきた日本型食生活という素晴らしい日本の食文化があると思う。それさえ、分からなくなっている母親たちが、子どもを育てているという現実がある。そんな中に、溢れるばかりの情報流してしまえば、混乱するばかりだ。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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