社会問題: 2008年1月アーカイブ

社会問題 : 残業って?

   最近、日本マクドナルドはいろいろと報道されることが多い。埼玉県熊谷市の店長の高野広志さんがが「権限のない店長を管理職扱いし、残業代を支払わないのは不当」として、2年分の未払い残業代や慰謝料など計約1350万円の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁は残業代約503万円など計約755万円を支払うよう命じた。しかし日本マクドナルドはこれを控訴する方針ということだ。
   月に100時間をこえる残業とか、部下より少ない手取りとか、今回の高野さんだけでなく、サービス業にいる人々から聞こえる話は本当に壮絶だ。確かに、勿論、多くの仕事もハード極まりないものも多事は十分承知しているが、深夜営業の方々の生活を聞くと、やはり言葉も出ないことがあるのだ。
   「私だって月の残業が100時間はこえている!」とか「接待も仕事というなら、時間に換算できないよ!」なんて声も聞こえてくる。残業代目当てで、日中に出来る仕事をしないで、会社に戻ってから「やれやれ~」と残業開始という話しは別に、ドラマや漫画の世界ではない。見聞きするだけでも実際に結構あるものだ。

   しかし、今回の争点は経営者と一体的で、残業代の支払い義務がない「管理監督者」に当たるかどうか。管理職には当たらないという裁判官の判断は日本マクドナルドの直営店数千人の店長にそれはそれは大きな影響を与えそうだ。
  「誰か」が言い出すという大切さ。勿論これまでに外食産業チェーン店の店長の残業代不払いをめぐる問題は多い中、日本マクドナルドという大企業のケースでの判決は初めての事だ。人は大きな相手にはなかなか言い出せずということが多いのだ。判決の後の高野さんの目が潤んで見えたたのは私の気のせいか。それでも 「当社の主張が認められず残念。当社の主張は正しいと認識しいる。」と言い切ってしまう、日本マクドナルドの姿勢をあらためて一つの企業の驕りではないか?とみた。

 



   あくまでも個人的なプログなので、エンターテイメントというカテゴリーに入れるのもどうかしら?という感覚。さてさて?


   今日は「ななにんかい」(主催/ななにんかい、(社)日本精神科看護技術協会、ペパーミント・ウェーブ実行委員会、後援/(社)日本精神科病院協会、協賛/ ヤンセンファーマ株式会社)の旗揚げ公演に行ってきた。
  「ななにん」の七人とは女優の岩崎加根子さん、歌手のクミコさん、女優の高田敏江さん、俳優の竹下景子さん、フリーアナウンサーの深野弘子さん、タレントの山田邦子さん。そしてまさに「ななにんかい」のこの指とまれ!をした評論家の吉武輝子さん。各分野で活躍中の人々の、語りと朗読を通じて、自分の隣にいる人との心の交流、後に続く世代に遺すものを表現で伝えようとするものだ。
  

   「心をみつめる、心をつたえる、心をはぐくむ  未来へ」をテーマの語りと朗読。第二部の「心の病気―他人(ひと)ごと?自分ごと?」のトークセッションでは、各人が経験、体験してさまざまな「心」の問題を自由に語った。うつは100人に3~5人、統合失調症は100人に1人が発症するらしい。メンバーの体験談は実に貴重だ。専門医や看護師とともに、真面目に、時に笑いありのトーク・セッションを繰り広げられた。
   会場となった慶応義塾大学三田キャンパスの北館ホールはとても素晴らしいところであったが、このように素晴らしいチャンスはより多くの人々の「心」に伝えるべくPRが必要であると思った。そのために、私が出来うることを精一杯協力していこう。

社会問題 : 2008年はこれから!



   相次ぐ値上げ。牛乳、マヨネーズ、食用油、カップめんからティッシュペーパーと生活に密着している商品だ。各メーカーは、原油や穀物価格などの原材料の高騰を理由に挙げているがこれほどの値上げラッシュは、消費税率が3%から5%に上がった1997年以来といわれている。その上、電気にガスとくれば完全に生活を直撃する。
  「どの家庭も大変だ」とはいうものの、ざっとではあるものの社会の1割ほどの大企業に勤務している人々と大半を占める中小企業、そしてフリーランスの世界の厳しさには違いがありすぎる感がする。
  たとえば、身近な出版の世界にしても、昨年末から今年にかけて山海堂、草思社、新風社と出版社の倒産が続いた。フリーランスで活動しているライターやカメラマン、編集者の中にはギャラの回収ができなくなる人が本当に多くいる。回収の業務は大切な仕事であるものの倒産した後の回収は実に切実な世界。回収しようと動けば、また経費も発生する。まさにディレンマといえる。「禁じ手」さえ使わないとならない過酷な世界なのだ。超大手というか、基盤のしっかりした出版社はそれなりではあるものの、それ以外は本当に水商売なのだ・・・・。まあ、出版だけでない、殆どの世界で発生する事柄である。

  

   長く企業に勤務してサラリーマン生活をして、その後にフリーでライター稼業をして、そして法人を設立して自らが死ぬ気?で営業活動をしないと意味のない生き方を選んだ今、これまでに「見えなかった世界」が見えてきた。まだ2008年になったばかりではあるものの「いち子さん、本当の2008年は2月4日からよ!」と微笑んだ友人の言葉に励まされた。本当の勝負が始まる。

社会問題 : 残されしもの

 
  また、いたましいニュースが流れた。大阪の守口市で、生後18日の男の赤ちゃんが殺害された事件があったが、その母親が23日の未明に大阪市の歩道橋から飛び降りて死亡したという。まだ22歳という若い母親の夢も希望も何もかもを奪ってしまったのだ。その若い母親を育てた残された家族、お母さんの気持ちを考えてみた。どんなに辛い事か。
「自殺をしたものとみられます」とニュースは淡々と伝える。
  赤ちゃんが生まれて、自宅に戻り、そこを強盗に襲われ、最愛の赤ちゃんが殺害された。お祝い金をもって逃げたという強盗。何故?何故?という怒りがこみ上げるばかりだ。
  便箋10枚にもおよぶ遺書が見つかったという。どんな気持ちで書いたのだろうと思うと本当に胸が痛い。「マスコミにおわれて、これでは(赤ちゃんの名前)がうかばれない」という文面も見た。ニュースで淡々と伝える事はしようもないが、特にワイドショーの取り上げ方の品格のなさというか。本当に事件・事故が起こった時のマスコミの動きには実に腹立たしいものがあることは確かだ。 

社会問題 : 真実はどこに


  人は墓場まで持っていかなければならないことが誰でも一つや二つはあると思う・・・・・のだが。


 NHKがインサイダー取引疑惑を受けて、株取引に関する職員の聞き取り調査の判明分を発表した。勤務時間中に株の売買を行っていた職員が二人いることを明らかにしながらも、過去の取引の有無、この職員のセクションなどはあかさないままでいる。

 「この期間で、できるだけのことはやった」というNHKの荒巻優之・コンプライアンス室長の言葉は今、日本国内で起こっている、起こりつつある事象に全て言えてしまうことと思える。調査結果に自信?なんてあるわけはない。隠して隠して隠して・・・・出来る限り忘却の彼方へというのがホンネだ。多分。
  「株を持っているか?持っていればこの一年、株取引を行ったか」の質問をぶつけ、たとえ株を持っていても誰が全てを詳らかに白状するか。「いいえ」と否定したらそれはそれでお終い。
  しかし、墓場までというと、NHKだけじゃない。多分?もうよく言う、氷山の一角だ。「何を今さら?気でもおかしくなったか?」となる事だらけだ、この世は。子ども達に、若い世代に・・・・もう「終わった人々はいい、これから!という世代に対してこうした理不尽さをどう説明していけばいいのだ?とあらためて思う。真実、正直、正義だけでは・・・・のこの世の中だ。正義もおられ、正直さも無視され・・・・墓場まで持っていかなければならない「事実」をたとえ知っていても。儚さか、諸行無常か。苦い気持ちが甦る。

 

社会問題 : 地球の悲鳴


   東京などまだ「寒いなんていっちゃあいけない」と雪国育ちの友人が言う。確かに、氷点下何度という生活は経験していない。しかし毎日「寒いから風邪に気をつけよう」と思いながら、日々蕾が大きくなっていく梅の木を見ながら、着実に忍び寄る地球温暖化が今はかなり怖い。おかしなことを言うようだが、どんなファッション、グルメ、芸能など様々な情報があったとしても、何か、空洞化しているものを感じるのだ。今、地球がティッピングポイントであるということに、一体何人の人が気付いているのだろうかって。何もかもが他人事で、「私には関係ない」「まだ大丈夫なんでしょ」挙句には「その頃、生きていないし~」なんてかえってくると、今、がんばって生まれてきた子どもたちの哀しい将来をどう考えるんだ!と思う。春が二週間近くも早く訪れたり夏が溶けるくらいの猛暑(昨年だって40度をこえた)そしてだらだらと長い秋・・・・これらの現象はみな温暖化現象だ。南極の厚い氷が溶けるとどうなるのか?海面上昇は私たちの生活にどんな影響があるのか?日本だけではない。世界中の特に海沿いは危ないのだ。「関係ないでしょ」ではなく、例えば、首都圏ていえば400万人の人に影響があるといったら?

   経済産業省が地球温暖化対策として、発電時にCO2などの温室効果ガスを発生しない水力発電の建設支援制度を拡充することになった。現在、水力発電所は全国に約1850カ所あり日本の発電量の約10%を担っているものだ。建設費の助成制度や、電力会社に新エネルギーの利用を義務付けた新エネルギー利用法の対象範囲を拡大して、中小規模の水力発電所を設置しやすくするそうだ。CO2を大量に排出する火力発電を減らすことで日本全体のCO2排出量を数%単位で削減できるものとされている。兎に角、じっと我慢をしている地球も我々が CO2をだし続ける生活を楽しんでいては何れ悲鳴をあげるのだから、出来ることからはじめる「意識」を持とう。

 

   NHKで「小皇帝の涙」というスペシャル番組を放映していた。「一人っ子」政策を実施以来、中国では一人っ子家庭で、過保護に育てられた所謂「小皇帝」問題が指摘されている。番組の舞台は雲南省。人口500万の省都・昆明の公立小学校5年生のクラス。
  登場する親たちは子供達をよりいい学校へ進学させたい!と強く願う。彼らの学歴崇拝は高まるばかりだ。学校側も成績の良い子供を多く輩出するためにより教育に力を入れていく。
  毎日毎日出される山ほどの宿題を子供達はこなしていく。ある親は「大学を卒業しても就職口はない」「よほどの特技でもなければリストラされるのだ」と子どもを叱咤する。親子の間で繰り返される葛藤。そんな中で日々子供達は悩み、苦しみ、もがく。そして「理解してほしい」「気持ちをわかって」と涙を浮かべ親たちに訴えるのだ。しかし親は自分のリストラなどによる苦しみを子どもには与えたくないばかりに親としての精一杯の「愛」を伝えるのだ。


  富裕層である生活は現在の日本と変わらない。
今、中国は北京五輪を前に高成長が続いている。2007年の国内総生産は世界3位のドイツにほぼ並んだ。グローバル化により今の中国はわが国以上に豊かな面もある。例えば数年前から始まっているマイカーブーム。そして不動産投機。五輪後も高成長を続けた日本に見習って技術革新などにもっともっと力を入れるべきという風潮もある。
  豊かさに向かって中国は突進している。しかし、ますます広がる貧富の格差がそこにはある。番組内である親が子どもにいみじくも農村の子どもとの比較を口走るあのシーン。彼らの中にある格差。
  1人当たりGDPはまだ日本の10%未満という現状。農村と都市の格差は甚だ深刻な問題だ。今後の経済の安定成長のうらに必ず発生する数多くの問題をも忘れずに真っ向から見つめていかなくてはならない。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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