社会問題: 2008年12月アーカイブ
社会問題 : 不景気 不信 不埒・・・・もう不はいらない |
||||
昨年末は果たして、「今」を予想できたのだろうか?
米国にいる友人にメールを書きながら、100年に1度といわれる金融危機は悪い夢をみているのではなく、確かな現実であるという事を認識する。米国は金融機関や企業の破綻で不安を抱えての年の瀬だ。基幹産業の自動車でさえ存続危機といわれ、自動車は売れなければ鉄の需要もない。ドミノ倒しのように景気の悪化は進んでいる。
人でこみあう渋谷に仕事がなくホームレス同然の若者が屯している。インターネットカフェに棲むお金も失い・・・そして路上にいる。生活ではない、"いる"だけただ。しかし、携帯はしっかりと手に握りしめている。仕事を探さないとと焦っている。彼らに家族はいないのか?親戚はどうしたのか?・・・・実に不思議な光景だ。
ある出版社から手紙が届いた。個人情報の一部がある社員により、持ち出されたという。1月9日付で退職予定であったというこの社員、いわば確信犯。既に出回ったデータの流出先を特定が出来たので今、回収作業をしているという。もう年末も年始もないようだ。
どんな時代でもこうした「魔」がさしていろいろやってしまう輩はいるものだが、妙にこの出版社の急な成長ぶりを見ると、いろいろ考えてしてしまう。多分、優秀な能力をもって仕事をしてきただろう、しかし、きっと彼か彼女かは分からないが「何か」が作用したのだろう。そして上司、会社をも裏切り、その流出先との行き来があつたに違いない。。何とも空しい気持ちだ。こんな事件を一度でも起こしてしまったら今後、どう生きていくのだろう。意外としたたかに世間を渡っていくのかも知れないが、意外と世間は狭く、こうした不埒は決して許されることは無い。本当に"失業"となってしまう怖さを秘めているのだ。
それにしても、静かな年の瀬。嵐の前の静けさか?
若者が生きていて楽しく、未来への夢が語れる国にしなくてはならない。
社会問題 : 欺瞞の日々 |
||||
「実は、ビジネスのことで・・・」と言葉巧みにいろいろな話が飛び込んでくることがある。ネットワークなんとやら~手練手管でやってくる。しかし、いいことはない。(と思っている) 先ず、人間関係が壊れていく。何度か見た。その度に「ああ、人間って」と思うものだ。
さて、所謂"ねずみ講"に似た手口で投資家になんと500億ドルの損失を与えた疑いで米中堅証券、バーナード・マドフ証券のバーナード・マドフ社長がFBIに逮捕されたという。500億ドルというと4兆円5000億円くらい。ちょっと想像できない額だ。世界の金融やファンドに対する被害影響も大きく、日本でも野村ホールディングスも損失は避けられないそうだ。
社員も立ち入りを禁止した秘密のフロアが史上最大の詐欺事件の拠点になったとか・・・・これは、フィクションドラマではない。現実にこんなことがあったのか?と思う。
しかし、マドフ容疑者とは別に著名な慈善家の顔も持っていた・・・・というところが、嗚呼!まさに"凶ごと"。1967年のミュージカル「ヘア」杮落とし公演で有名なニューヨークの「パブリック・シアター」に2007年に5万ドルを寄付。また恵まれない子どもを支援する「ロビンフッド基金」や反飢餓計画運営の「シティ・ハーベスト」、マイノリティー学生向け奨学基金「プレップ・フォー・プレップ」などにも大口の寄付を行っていたというから、人は騙されてしまうよね。 彼の逮捕は金融業界への影響だけでなく、こうした多くの慈善団体が資金を絶たれ苦境に立たされることにもなったのだ。 欺瞞とは人を不幸にしていくだけだ。結局、何もないのだ。
社会問題 : 氷河期に泣くな!元気だせ! |
||||
求人情報サービスのエン・ジャパンが2010年春卒業予定の学生にアンケートを実施したところ、所謂就活が先輩と比較して「難しい」か「かなり難しい」と回答した人は全体の91.2%に上ったそうだ。91.2%とはほぼ全体か。2009年春に卒業した学生よの11.4%の増。企業の人員削減、そして内定取り消しの動きは深刻を極めているわけで、団塊の世代が定年を迎えるから言われ続けてきた"売り手市場"が見事に逆転したのだ。当時は予想もしなかった・・・・・就職大氷河期の中で大不安を抱く学生。志望業界も広告、出版などのマスコミがトップというところも何も変わらず。次位が総合商社ということだ。金融不安で銀行、証券、生損保は軒並み順位を落としている。
ある日某百貨店のエレベーターの中で「もう、どこの会社でも入ってくれればいいのよ!入れば勝ちでしょう?」「ほんと!そうそう。入ればいいのよ」という母親同士の姿を見た。どこでも入れば勝ちって何なの?と思ったけれど、私の思いは、多分もこの母親たちの耳には全く入らないだろうなあ・・・。どこでもじゃないでしょ?
ところで、私ごとであるが、最近、やたらと専門学校関連の仕事が来る。作業療法士や理学療法などの学科もある学校だが、学生はアルバイトも出来ないほど勉強、実技実習に忙しいということだ。 目的が絞られているから就職率もいいと聞く。所謂、手に職をつけて、そのプロの世界で自分の能力を存分に発揮していくというのもひとつの立派な生き方である。
日本漢字能力検定協会が発表した今年の漢字は首相交代や経済環境の急変を反映してか「変」に決まったが「企業の利益が落ちているから就職できない・・・・」なんて理系で頑張って勉強してきた学生が涙を流す。仕事をしたいのに仕事先もなく涙を流す世の中って、出来ない世の中ってやはり変なんですよ!
ポテンシャルある学生たちは未来の原動力そのものだ。パワーを生かさなくてどうするんだ?だからこそ、これから私と仲間達でスタートする U-BRAINS には、今の世の中に、やはり"意義"があると感じた。
社会問題 : 風化させてはならない事 |
||||
スタジオALCの菖蒲美幸さんから「いち子さん!是非!」ということで恭子さん出演の『オサエロ』を観にいった。総合統括プロデューサーは勿論、美幸さん。彼女には凄まじい能力を感じる。(凄まじいという表現がピッタリ!)
「ありがとう・・・・その言葉しか出てこない。大切な人、愛する人を守るため、大空へ飛び立った彼らの魂のメッセージを伝えたい 届け・・・・この想い・・・」と書かれているパンフレットのメッセージを読む。しかし、決して広くはない舞台で果たして?・・・・と思ったのは私の大間違い。次第に、その時代の中にひきこまれていく。客席から、すすり泣く声も聞こえてくる・・・。
映画『僕はきみのためにこそ死にに行く』が終わった会場で車椅子のご老人がスクリーンにいつまでもいつまでも手をあわせていた事を思い出した。そしてある年の8月15日、暑い夏の日。靖国神社で、やはり一人のご老人が車椅子からすすっと立ち上がり、やはり嗚咽をこらえながら手を合わせていた日を思い出した。
あの、太平洋戦争の末期、特別攻撃隊の編成により、本来なら新しい未来を担う若者たちの尊い命が数多く失われていった、そんな現実があった事を私たちは忘れてはならない。風化させてはならない。
インターナショナル世界大会を終えた恭子さん。何か大きく変貌したものを感じた。そして恭子さんの他にも力いっぱいの舞台をつとめた皆さん、そしてスタッフの方々。本当にお疲れ様でした!「素晴らしかった」です。