社会問題: 2008年7月アーカイブ
社会問題 : 逞しさ |
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今日は半日、リスクマネージメントセミナーに参加していた。テーマは労災事故。増大し続けるのが「ウツ」と「メタボ」そして「キレる」社員だという。要は心と体のバランスがとれていないということだ。心身の健康管理の問題。何よりも底に流れるのはコミュニケーション不足による人間関係のギクシャクとやら・・・・特定社会保険労務士の先生の事例説明が淡々と進む。過労そしてパワハラ、セクハラによる自殺と続く。労災認定、損害賠償の請求について話しはえんえんと続く。労災認定の他、民事の賠償責任になった2006年の事例。これは自宅に仕事を持ち帰り長期残業を続け、大きなストレスをかかえ自殺した社員事例があった。自殺一ヶ月前の残業がなんと月260時間。単純計算しても、この社員の残業にかけた時間は異常である。午後10時までしか会社でパソコンが使えず、致し方なく自宅へ仕事を持ち帰ったケース。事例はえんえんと続く・・・・・何かがおかしいのだ。
終盤となり労働者のメンタルヘルスを聞きながら・・・・「おいおい・・・何か脆弱過ぎないか?」と思った瞬間に、何故か急にふっと頭の中に戦国武将のイメージが、漠然とあらわれた。想像以上の過酷な日々の中で余りにも逞しい強靭な武将があらわれた。真っ直ぐに虚空を見ている武将のイメージが。本当に一瞬だが私は時空を超えた。しかし、それは一瞬の脳の遊びか。私はこの「今」という2008年という時間を生きていかないとならないって。
社会問題 : 暑い夏 |
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あの暑い夏の日・・・・・。1985年、日航機墜落事故から、23年の年月が経ったのだ。
横山秀夫さん原作の映画「クライマーズ・ハイ」を観た。監督は。『突入せよ!「あさま山荘」事件』と社会派の作品を多くてがける原田眞人さん。この作品は新聞記者の視点からこの事故を描いているところが最も興味深い。メディアが何をどう伝えたのか? 主人公となる悠木和雅を演じる堤真一はうまい。随分前の話しだが、横浜の映画館で「ポストマン・ブルース」という映画を観た時に主人公だったのが堤真一だった。そして「ALWAYS 三丁目の夕日」で鈴木オートの頑固でコミカル親父の役から今回のシリアスな役もこなせる、実に凄い役者だと思った。脇役も実力派ぞろい。しかし、この堺雅人という役者は!私は別に映画監督でもないが実に想像力をかきたててくれる不思議な人だと思った。何よりこの人の「目」の演技がいい。ゾクッとする。
映画にポケベルは登場しているが多分、携帯電話もパソコンもなかった時代。記事原稿も手書きだ。思い出す。整理部がばい尺を手に持って話すシーンもいろいろ思い出す事が多い。当時、現地に行ったカメラマンが一言「地獄とはこのことか・・・」と言った言葉が今でも残っている。
特集記事のために広告原稿をぶっ飛ばし、広告営業担当と激しくぶち当たり、罵り合うシーン。販売との激しい言い争い。いろいろな事が実によく分かる。男社会ならでのはの繰り広げられるシーンはお見事!。女より強い妬み?、嫉妬の数々。そして、男独特のプライドと、上下関係など人間模様の描写も細かい。それぞれの実力派ならではの演技力に「映画」である事を忘れた。2時間23分の長さは全く感じない。
だが、この暑い夏が来るだびに、陽射しが強くなる夏に私はご遺族の気持ちをいつも思うのだ。何年の歳月がすぎよう悲しみは消えない。
社会問題 : ああ!ウナギ |
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今年は7月24日か・・・・・。土用の丑の日に限らず"鰻"が大好物の私にとって徳島の水産物輸出入販売会社「魚秀」と神戸市の卸売会社「神港魚類」によるウナギの産地偽装問題は実に気分的にとても嫌であった。所謂、産地というブランド力にそれほどにまで人は騙されるものか?とあらためて思った。
それにしても、農林水産省がウナギの産地偽装で調査した業者は約100社に上り、今回の偽装を含め、この9カ月間で10社を超える業者が処分を受けたというではないか。しかし水産物の流通経路というものが輸入業者、卸売業者、冷凍業者などが絡むなどこんなにも複雑なものとは知らなかった。
愛知県一色町は全国のウナギ生産量の2割を超える国内最大級の生産地。今回の偽装が発覚した「魚秀」は愛知県の岡崎市一色町に架空会社をつくり「一色産」と偽っていた。テレビでその会社の所在地をレポーターが調べていたが、架空会社だからしようもないが、そこには草むらしか見えない・・・・・。近所の人々へのインタビューでもみなさんが「はぁ?」と首をかしげているだけだ。
特に一色産のウナギは、特許庁から地域ブランドの認証を受けて県もPRしてきたようで、こんに話題でブランドに傷がついたことは否めないだろう。何よりも消費者は信用するからこそ商品を買うのである。何も知らなければ「美味しいね」と騙されていることにも気付かず食べていたわけで・・・・。
「魚秀」が中国産を国産と偽って販売したことで得た利益は約3億円。「魚秀」側から依頼され、箱の詰め替え作業などの偽装行為の実行役とされる高松市の水産会社元専務に支払われた報酬の約1億円やうやむやだが神港魚類の担当課長に提供された1千万円も消費者を騙した利ざやから支払われたわけである。
中国の食品問題で騒がしい中、在庫をかかえて、どうしようか??と途方にくれた時の魚秀の社長の気持ちは分からないではない。しかし、次に下した判断は確実に間違っていたというしかない。利ざやの3億以上のものを失った。かかわった人々も受け取った現金より多くのものを失った。