ch07.味: 2007年6月アーカイブ


  心地よい酒席で、時として大激論会になることがある。政治・宗教は「まあまあまあ・・・」ということである時点で収束するのだが、先般は「塩鯨」で揉めた。何も揉める必要もないのであるが・・・・
  たまたま、“鯨の竜田揚げ”を注文して、ワイワイ食べていた。みんな嬉しそうに「旨いよなぁ~俺達、子どもの頃は・・・」とまたまた団塊世代お決まりの台詞が始まったのだ。と、だんだん鯨の話となり、くだんの「塩鯨」の話題にうつった!!


 「赤身の部分を塩で漬け込んだものだ!」と九州出身者はいうものの「違う違う、黒い皮の部分と脂身のところを塩漬けにしたもののことを言うんだ。ナスとの相性が最高だよ、味噌汁にすると旨いんだぁ」と群馬出身者が言い張る。
  それからは赤身だ脂身だとついに話しは平行線へ。ほっと湘南出身者が「あのゆがいた、パサパサした感じのところかな?」と聞くと「それはさらし鯨!」とふたりはムキになった。
  ああ、そのまま議論が止まらない。私自身も「塩鯨」が何であるのか?はっきりと分からないままだ。ああ、夜は更ける・・・・・

ch07.味 : 幸せな気持ち

そりゃ勿論!人は辛いより楽しい方がよいだろう。
しかしいろいろなシーンに出会うたび、価値観の根っこにあるのはその人の生きてきた日々で培われたものだということが分かる。今更ねぇ・・・・ということも多い。しようもないことだ。
  

  先般、ラディアンスの山崎先生の話を聞いていた。山崎さんは昔、ソニーの井深大さんの生命情報研究所で、「病気にならない体を作る」ための第三の医学の研究をしていた人だ。所長がソニー創立者の故・井深大、顧問は人工心臓の渥美和彦・東大名誉教授とそうそうたるメンバー。「様々な調査をしていくうちに、食事と健康、潜在意識と免疫の関係が非常に密接であることが分かった」という。そして栄養学と精神神経免疫学の研究が始まった。
  外面に出ているのは1割、残り9割が潜在意識だと聞いた。分かっていたつもりだが驚いた。時々、実に良い人だと思って付き合っていたがあるトラブルでイキナリ「なーに!あの人、どーかしているんじゃないのっ!」なんていうシーンだってある。しかし、それが氷山の一角であるとは・・・・あとの9割を見たらと思うとぞっとする。だから、言い方は変だが、私はトラブルが好きだ。「金」「力」「女や男」などだいたい、「欲」に絡んだことでトラブルは発生する。その時の対応、身の振り方などパニックになればなるほど、その人の深い部分の価値観が優先される。だからこそ本当に冷静であればの話しだが、そんな点ではパニックは愉しい。
  

   そんなことを言っていても、本当はどうなの?と思う時、ほっとするコトバや映像に出会えた。小林カツ代キッチンスタジオの加藤和子さん(私はかずこねーさんと呼んでいる)から『おいしい人生』(ジュニア・ドリーマーズ・インターナショナル製作・著作)というDVDが届いた。出逢い編と人生編の二巻。日常で幸せな気持ちにしてくれる料理を作る楽しさを伝道師としてドリーマーである子供達に教えている。子供達と買い物をして、食材である野菜や肉を切って料理を愉しむ。ぎこちないながらも子供達は一生懸命に料理を作る。幸せな気持ちになっているのが分かる。カツ代さんがいつも言っているやさしいコトバ「いただきます  ごちそうさま」。料理をするといっても何も大袈裟なことでなく、どんな家庭であっても、いつもあるもので「たべたいなっ」と思うものを作っていく楽しさを体験していく。そんな中で人にもそして地球にも優しい人間が育っていくんじやないか?そうそう、免疫力だってアップじゃないの?と感動して見ていた。子供達の飾らない笑顔と台詞ではないコトバや笑い顔、そして何よりも加藤和子さんのおおらかさが本当に心地良い。


  「当時はイワシが安かったからね、お袋がいつもそんなイワシでつみれ汁を作ってくれたんだ。忘れられないな」「ちょっと崩れたジャガイモの肉じゃが、食べたいよ。ちょっとしょっぱいんだけどね」なんて仕事仲間が時々ふっと言うコトバを思い出した。そこには懐かしいお袋の味があったのだと思う。彼らのお母さん達は無理せず、一生懸命に料理をしたのだろう。湯気の中に子供達の家族の笑顔を見つけたと思う。
  ドリーマーの子供達も、いつかお母さん、そしてお父さんになっていく。人間のいろんなことのベースになるのは0歳から13歳ときく。食育!食育!と気負うことなく、当たり前の事を当たり前にやっていきたいものだと思った。加藤和子さん、有難う!なんだかもやもや哀しかったものが消えました。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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