ch07.味: 2010年4月アーカイブ
ch07.味 : どらやき |
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軽く・・・もということもない。本来お詫びはお詫びとしてきちんとしないとならないのだが、以前、お詫びをしなくてはならない時、手ぶらというのもなんなので、新橋にある新正堂さんの"切腹最中"を持参したことがある。その名前で先方も「いやいや、そんなに気にしないで下さいよ~」と言われたことがある。切腹!とその名前の最中の話から和菓子全般の話しで盛り上がったことがある。本当にお菓子には救われることが多い。
巷で人気のスイーツだとかいろいろ話題も多いものだが、ひっそりとコツコツとお菓子作りをしている店もある。たまたま池袋の情報誌の編集の打ち合わせで代理店にお邪魔している時「ところで・・・」という話題になった。代理店の社長が言うには「兎に角、美味しいどらやきなんですよ。それこそあっと言う間に売り切れるんですよ」と言う。「へぇ・・」と聞いていたのだが、次の心相数の宮城悟先生のオフィスへ打ち合わせに、丁度何かおみやをと思っている時だったので、その店に案内していただいた。なるほど!多分、店だと知らなかったらすーっと通り過ぎてしまうだろう。そんな小さな小さなお店だった。丁寧に焼かれたどらやきが店頭にあった。「今日は雨降りだから・・・良かったですね!吉田さん」と社長に言われた。「どらやき すずめや」と書かれた名刺には午前10時より売り終わり次第終了と書かれてある。本当に売り切れ次第のようである。
どらやきをおみやにさらりと出すと宮城先生が「ほほーっ」と顔がほころぶ。何でも目白にお住まいの時はいつも「すずめや」さんにどらやきを買いにこられたという。「本当に美味しいね。ここのは!」と微笑む。ちょっと濃い目の日本茶とどらやき。何とも美味しい午後であった。
ch07.味 : 旬 |
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山口県にいる友人からタケノコが届いた。「掘りたて!早く召し上がれ」とのことだ。皮を剥きながら、「ああ!旬だなぁ」と思う。茹でる時に糠を入れ、昔の人の知恵というか、何とも素晴らしい生活の知恵だと思う。しかし、見た目はやはり不思議なタケノコ。最初に口にした人の勇気を感じる。ナマコを調理する時もそう思う。まして大好きな食材のひとつだが、ホヤなどは尚更、どんなに勇気がある人だったろうと思う。
旬の食べ物はいいものだ。今は日照不足などで「野菜が高い高い」とばかり言われているが、私が利用するスーパーはそれほど高くない。ただし、「お一人様1袋」という札がついているが。旬には旬のものを食べれていいと思っている。最近では規格外の野菜を店頭に置き始めたスーパーもあるが、別段、まっすぐなキュウリなど、料理店やプロが使う以外、そんなに必要なのかって?一年中、トマトやキュウリが食べられるのも考えてもれば不思議だ。昔々によくしていた知能テストの内容など、今は通用しなくなっているんじやないかって思う。
季節が本当の不明・・・になってきた今日この頃。花だって梅が咲いて、桜で花見。石楠花、牡丹、菖蒲そして向日葵・・・と季節には季節の花があるから生活が楽しいのだ。
家庭の中で料理をする人は、家族にやはり季節を感じる食材でその時期の料理を作って欲しいものだ。
ch07.味 : 再会 |
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久しぶりに女友達と食事会。東京の銀座にありながら、ひっそりと佇むお宿「吉水」。産地直送の無農薬と言われる野菜をメインにした料理を楽しめる。環境に配慮したエコラベルともいえるGreen Key認証を受けている。まだ宿泊経験はないが、「部屋にはテレビもないし、オーガニックコットンのお布団はとても気持ちがいい」と言う。京都の円山公園内にもひっそりとした数寄屋づくりのお宿がある。
約束した時間よりも早めに到着し、二階の食堂に行くと「いっちゃん!いっちゃん!」と背後から呼ぶ声が。「?」と振り向くと、厨房の方から声が。そしてそこには懐かしい顔が!ただただ、「えーっ!」「わーっ!」と驚く。昔、新聞社で営業マンをしていたKさんがそこに立っていたからだ。それも厨房に・・・。あまりにもびっくりして「なになに?」と笑いあってしまう。退職後は長年趣味といより"プロ級"の料理の腕前を披露している・・・そういうことだ。しかし久しぶりの再会。昔ばなしにはなさいて・・・美味しい料理と酒。懐かしい友人たちとの会話。こんな夜も良いものだ。