ch07.味: 2010年3月アーカイブ

ch07.味 : 牛丼話

   先般、イベントが始まるまで少し時間があったのでティールームで珈琲を飲むことにした。大好きな窓際で外の景色でも眺めながら・・・と思って珈琲を飲んでいると、すぐ近くの席にビジネスマン風の男性が三人座った。私は本でも少し読んでいようと文庫本を広げていたのだが・・・・


  三人はマーケティング関連の話しを一生懸命にしていたのだが、一人が「やっぱり王将は満足!という感じですよね」というと、二人も「そうそう」と同感のようだ。そして「でも牛丼といったら絶対に吉野家ですよね、すき家の社長があの味は出せないって言ったらしいっすよ、ハハハ」と牛丼話にうつる。すると「そりゃすごい話しだねぇ!確かに!あの味は出せないかもな」とピシッと言う。そうなのか・・そんな味なのか!と思う。実は恥ずかしながら、私はまだ牛丼屋の前は通ったことはあっても牛丼を食べたことがないのだ・・・
  「吉野家の牛丼だってもう食べ方が千差万別ですよ」と言うと、「紅ショウガは兎に角沢山入れて、一気に混ぜると旨いですよ」と一人が言う。するともう一人が「いやいや、半分はその食べ方にしてもいいけど、残り半分には卵をさっさっと混ぜる。これに限るよ」と言い返している。彼らは熱気をおびて暫く牛丼の食べ方の話しを続けている。内容がちょっと面白くて、結局は本は"読んでいるふり"で終わってしまった・・・・あああ。

  ところで吉野家ホールディングスは4月7日午前11時~13日午後3時までの期間限定で、牛丼や牛皿などをそれぞれ110円値下げするそうだ。牛丼の並盛りは380円というから270円となる。ゼンショーが展開する「すき家」が打ち出す280円という最安値を下回るということか。しかし牛丼の世界も"深い"。もさもさ言っていなていで私も牛丼に挑戦しようっと。


ch07.味 : 海鞘?

  誰にも好物というものがあると思うが、最近、自分の好物って何かと考えてみた。小学校の入学試験の時、面接で「あなたの好きな食べ物はなんですか?」と聞かれ「梅干です」と言い、先生が一瞬びっくりしたという記憶がある。
  確かに、今でも梅干は本当に好きであるのだが・・・年月も流れ、今の好物は?と聞かれるとなんか口から「ホヤです」と出てしまう。多分「ええっ!?」と驚かれることと思うのだが、このホヤの旨さは何とも説明出来ないほどだ。ホヤ特有のあの香りは不飽和アルコールによるものだそうだ。何と言っても、見た目のグロテスクさ。大体の人はひいてしまうだろう。漢字では海鞘と書くようだが、実に「分る!」のだ。
  これからの季節はしっかりと栄養をため、5月から8月までの夏場が旬となるホヤ。冬に比べグリコーゲンが何倍にもなり、甘みと旨味が増すという。二杯酢など最高である。ホヤを食べると、「ああ!人間って海から生まれたのだなあ」と思ってしまう。

ch07.味 : 春!

土筆.jpg  「サクラの見ごろは~」といろいろニュースでいわれている。我が家にはサクランボの木があるのだが、3月の始め頃には花がちらほらと。植木市で苗木を買ってきたのが、月日とはすごいもので、今ではみち行く人が「ああ~」と見上げながらちょっとした花見をしていかれる。

  しかし、花粉症さえなければ、春とは素晴らしい。友人から「春を見つけました」なんてタイトルで画像が携帯に送られてきた。「はっ?」と思ってよく見ると土筆。近くの土手で見つけたという。都内にもそんな春があるのだと思うと嬉しくなる。

  釣り名人・作家の三浦修さんのプログにも「野蒜」の紹介がされていて嬉しくなった。私が野蒜を知ったのは小学生低学年の頃。実母の群馬県の実家の近くを流れる川の土手で見つけた。楽しい春休みの思い出でもある。当時、祖母が「それはノビルというのよ」と教え、食べ方も教えてくれた。しかし、小学生の私にとってはただ不思議な味でしかなかった。また甘辛煮した土筆やフキノトウの天ぷらも、やはり当時の味覚にはピンとはこなかった。しかし、今は本当に春の味覚がたまらないほど好きである!あの、ほっこりした感じの土のにおいはまだ頭のかたすみにある。ああ、春のにおいだ!


三浦修さんのプログはこちら


   ずーっと昔の話であるが、結婚する時に自分なりのレシピをまとめた一冊のノートがあった。例えば、いろいろな種類のソースの作り方から始まって・・・ふぅっ。今では「一体何を目指していたのか?」と恥ずかしくなるような内容が多い。また何を気負って、気取っていたのか?と、今見れば、ふふふと思わず笑ってしまう。要はそんなに役立つ事はなかった料理ノートと言えそうだ。
  実際の家庭生活というのは、気取った料理よりも、例えばゴロッとしたおいもの煮物や、さっと茹でた青菜などが美味しいものだ。気負った料理はねぇ。まあ若い時の独特な発想というか、アタマでっかち。そんなものだろう。

  料理研究家のかっちゃんこと小林カツ代さんに会った時も、野菜の皮むきについても何かごちゃごちゃ言ったのだろう。その時「な~に言ってるのよ~。これ使いなさい。そうしたらサササーッなんだから!」と言われた。万能皮むき器というものだった。ピーラーだ。カツ代さんは「ほーら!ね!」と言ってその万能ぶりを見せてくれた。
  何でも「こうあるべき」と兎に角アタマでっかちの私にとって、それはその時は「果たして・・・」という感覚であったが、今や、その便利さにひたりきっている。今はピーラーなしなんて・・・。要は便利なものはさっさと使うと良い。ふだんの料理でかつらむきなどは、それほどしなくてもよいだろうし・・・ね。

  そんなカツ代さんの知恵がいっぱいのレシピをケータイで日々便利に活用してみよう♪QRコードで簡単にアクセスできる。「こんな時・・・」と困ったらケータイでキャッチしてみるともっともっと料理が楽しくなると思う。健康で美しくいるためには美味しい"家庭料理"が欠かせない。

カツ代の家庭料理はコチラ♪

ch07.味 : 家庭の味


  先日、仕事関係者と蕎麦屋に入った。温かい蕎麦を注文した。食べながら「吉田さん、この味は・・・好きですか?」と聞く。かなり薄味で、私は気に入っていた。「美味しい美味しい」と答えたが、相手は「ん・・・」と言っている。
  関東より関西の方が薄味だと聞いたが、九州はどうなのだろうと思った。私は関東出身だが、濃い味は意外と苦手だ・・・・・というより、やはり家庭での「味」というものが刷り込まれているのだろうと思った。それはやはり「親」の影響が強いのかも知れない。


  先般、知人のОさんの"いなりずし"の話しが頭に残っていて、料理研究家の加藤和子さんに「美味しいいなりずしの作り方を教えてほしい」と言ったところ、プログ(3月4日付け)で早速紹介してくれた。和子さん、有難うこざいます!最近では味付けのこーいいなりずし用のおあげも売っているが、やはり手作りでわが家の味を作りたいものだ。

加藤和子さんのいなりずし

   
  日本人は本当にマグロが好きだ。8割は日本人が消費しているとは考えてみればすごい数字だ。
地中海を含む大西洋クロマグロの国際取引を禁止する案に米国が賛意を表明したことで、山田正彦副農相は取引禁止にあくまで反対する姿勢を強調していたが、どこかに「米国だって・・・」というある思い込みがあったのだろう。変な思い込みをしてしまうのは、いい意味でも悪い意味でも日本人らしい。しかし、冷凍も含めても来年一年くらい、クロマグロが食卓から消える!と慌てている声も多く、どうかな?と思ってしまう。「あるうちに食べてしまいましょう」などという人など見ている根本問題が全くわかっていないなと感じる。日本人は古来からそんな考え方はしないものだと思っている。


  以前、釣り名人!の作家である三浦修さんから一冊の本をいただいた。それは 『 サバがマグロを産む日』(監修:東京海洋大学副学長/刑部真弘、フィッシング・カレッジ校長/奥山文弥・つり人社)という本だが、登場する国立大学博士をはじめ、テレビなどでもお馴染みの"さかなクン"など12人の魚大好き先生たちが、我々と魚とのかかわりなど、食べ物(食材・味覚)、暮らし、健康(心の問題・病気)、文化、社会そして未来などの各テーマを通じて立体的に語ってくれる。今後、おおいに期待されるマグロの養殖の事も考えながら、楽しみながら読める一冊である。


  いつも季節のお便りを下さるОさん。いろいろなイベントの企画をされ、とーんでもなくお忙しい日々だと思うのだが・・・。郵便物の中にそのお葉書があると、「わぁ!」とウキウキ喜んでしまう。パソコンメールが多い昨今で本当にひとつの感動でもある。
  そのお便りのタイトルが『求ム!あいなりさん』であった。「えっ?」と思って読む。なんでも、Оさんの気に入っていたお店の経営者がご高齢の為、相次いで閉店してしまっているということだ。それほどおいなりさんに対して深く考えたことがなかったのだが。おいなりさんの店といっても甘味系、専門店系、すしや系、おにぎりや系・・・と何ともいろいろあるらしい。

   だいぶ前に、ローソンの取材をした時に地域でおいなりさんの味付けをきめ細かく変えている・・・そんな話しを聞いたことがあった。東京で生まれて東京に育って、文化がまさに"東京"そのものなので、他のことはあまり意識したことがなかったが、今回はおいなりさんひとつにしても深いなぁと感心した。

  ちょっと聞いた話ではあるが、キムタクが面接の時に好きな料理の事を聞かれ、「おかあさんが作るおいなりさん」と答えたそうだ。その話を聞いた時は何か、本当にほんわりといい気持ちがした。そして、あるコンサートのイベントの時、キムタクのお母様が司会・進行をしていらした事があり、その手作りのおいなりさんの話を思い出したことがあった。"おふくろの味"ってやはりいいものだなあと思った瞬間かも知れない。
 

 さて、話しは戻って・・・Оさんが「このままでは私はほうれんそうのないポパイのように・・・。どなたか。おいしいあいなりさんのお店を教えてください」と!Оさんの真剣な声にあれこれ考えていた。先日「吉田さん、これ、最高なのよ、召し上がってみて」と渡されたのはしっとりしたおあげの中の酢飯には、ほんのり山葵味がしたものだった。「へぇ・・・面白い~この味、面白い~」と思いながら、3つも一気に食べてしまった。
  また、おあげにしても関東は酢飯をあおあげでくるりとくるんだ四角いものが多いが関西はおあげを三角形にしたものだとも。しかし、「求ム!おいなりさん」というОさんのメッセージ。なんかいろいろなレシピや話題満載になると面白そうだなぁ。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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