ch07.味: 2008年8月アーカイブ
ch07.味 : いよいよ"河豚"だけど |
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某所のふぐ料理店の大将が「ちょっと今、考え中なんだ」と言う。その店の名前に因んだ"数字"の付く日にふぐ料理コースを半額で提供゜している。大体一ヶ月に3回か、そんなラッキーな日があるわけだ。その日は勿論、予約で満席。待ちに待っている常連客も多い。「配送にかかわる経費を考えるとちょっとやっていけるか、どうか?瀬戸際なんだよねぇ」と言う。こんな大将の真剣な悩みの事を知る人もいないだろう。
冷凍技術や養殖技術の著しい発展で、旬もわからずに年間を通じて河豚料理を味わうことも可能な昨今、河豚の旬は「秋の彼岸から春の彼岸まで」。来月から味わえる"河豚"目当てに、また、半額の日目当てに、大将の悩みもどこふく風か、常連客は「おっ、いよいよ河豚だね!」とおしかけることだろう。
ch07.味 : 菊の秋 |
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雑誌『文藝春秋』の9月号に「京味」十二か月という記事が掲載されている。作家の平岩弓枝先生と「京味」の主人・西健一郎さんの対談である。もうすぐ9月になり、このところの涼しさのせいか、冷静?に料理をしてみようという気持ちになる。
対談の中で西さんが「九月は菊の季節。昔から料理に菊花を使うことは多いんですがね。今回は椀種自体を菊の花に見立ててみたんです」とある。読めば読むほどにその美しさのイメージで頭の中がいっぱいになってくる。まさに菊の秋である。
菊といえば、初めて食用菊の料理が食卓に並んだ日。結構な衝撃だった。思いだせば、親からはいろいろな「季節」を学んだ。単に、空腹を満たすだけでない「食」の深さというものか。
先般はコンビニ前の路上にじかに座り、コンビニで買った弁当やら菓子パンをほおばる3人の男子学生の姿を見た。、一瞬であったが私とともにもう一人のご夫人が立ち止まっていた・・・・。彼女も彼らに向かって、一言、二言と言いそうであったが、何も言わず立ち去っていった。しようがない・・・・・。私自身も彼らに何も言わずに立ち去ってしまったのだから。余計なお世話なのかも知れないが、彼らの家族が、そして日々の食卓が気になった。