ch07.味: 2006年11月アーカイブ



   フランスのブルゴーニュ地方の南端にあるボジョレ地区でできるワイン・ボジョレ・ヌーボーが16日午前0時に解禁された。食の季節感に敏感な、日本人にとって今、ワイン需要の拡大に大きく貢献しているということだ。数年前には米国を抜いたといわれるほど。日本人は本当に食に恵まれている国民だとつくづく思う。ボジョレーもまさに季節物商品の宿命。商戦ピークは解禁後2週間。短期決戦だ。
 少し前まではとっておきのボジョレを取り寄せて、この時期は愉しんだが、最近の忙殺ぶりというか何とも慌しい日々の中、ふと夢見る馥郁たる時間。チーズにワインで過ごす秋の夜長。友との語らいか。


 気がつくと飲料の話が続く。どうも娘のコトバが頭に引っかかっていたからかも知れない。今、彼女は来年の就職の為の研修でいろいろと施設を回っているのだが「サントリーの飲料しかだめなんだぁ~」というひとことに、「当ったり前でしょ!」と言ってはみたものの、ふと昔、ビール会社の営業の人の会話を思い出していたからだ。麒麟は麒麟、アサヒはアサヒ日・・・・「ふふふ、そりゃ大変ですねえ」と言う私に、苦笑していた顔も思い出していた。
   ところで、英語ではブラックカラント、日本では黒房すぐりと呼ばれるカシスが目に良い果物として人気上昇中ということだ。北欧など寒い地域で主に生産され、日本の主産地は青森県。昔からある果物でリキュールに主に使用されていた果物。
  眼科医により眼精疲労の高い軽減効果が実証されたことや目の下のクマを解消するという美容面のメリットが女性の心を捉え、マーケット開発となったようだ。
目に良いといえばブルーベリーも有名。しかしカシスにはそれ以上の効果があるというからひょいと心も動く。抗酸化作用をもつポリフェノールの一種であるアントシアニンがカシスはブルーベリーの3倍だという。またカシス特有のアントシアニンも含まれている。その成分に、目のピントを合わせる毛様体筋の凝りをほぐし、眼の疲れを軽減する作用があるというから、続くと結構な失費となるマッサージに通うよりはいいかもだ。
   それに、昨年10月には日本カシス協会が発足して学会でカシスの緑内障予防効果が発表されたといえばますます知名度もアップしていく。そういえば最近、伊藤園が10月に発売したペットボトル飲料「ブルーベリーとカシス」が今のお気に入りだし、確かサラリーマンのオアシス「ルノアール」でも珈琲よりカシスの飲料を飲んでいたと思う。それくらい自分の生活の中にも影響している。
市場規模は昨年20億円、今年は35億円を超える・・・というのだから、飽くなき健康への関心・・・決して落ちることはない。

 
  コンビニ最大手のセブンイレブンのが今、大きく変貌している。独自開発した500ミリリットル入りペットボトルの茶飲料3品目の「緑茶」「烏龍茶」「麦茶」を98円で21日から販売する。コンビニが飲料の主力商品である500ミリリットルペットボトルで100円未満の商品を発売するのは初めてのこと。
  24時間営業のスーパーやドラッグストアなどの競合が増えるなか、価格訴求の重要性がより大きな焦点となったからに違いない。
 飲料は、コンビニ全体の売上高の1割程度を占め、3割の弁当に次ぐ主力商品だ。他のコンビニはまさに死活問題だろう。我が家の近くにもセブンの横にローソンがあり、交差点斜め前にエーピーがある、まさに激戦区。またまた11月3日にはエーピーの横に始めて聞いた名前のスーパーが開店した、ここまた安い。主婦としてはまたチョロチョロウロウロするのだ。
 セブンの98円飲料は、独自開発のプライベートブランド。これまで大手メーカーを競わせて共同開発してきた高付加価値で販売価格が高い独自商品とは明らかに一線を画している。
  しかし、よくよく考えてみるとウーロン茶はしようがないが、昔から緑茶、麦茶などは家庭で作るものだった。となれば98円と「安売り」という文字に躍らされているのは消費者そのもの。よく考えよう。「食育」と声高らかにいう方々が「お茶」の一つも満足に淹れることができなくてはしようもない。また、「麦茶」を美味しく感じるあの夏の感覚が子どもたちになくなっていくのかと思うと・・・・。本当に季節感のない日本になっていく。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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