ch07.味: 2011年2月アーカイブ

ch07.味 : 足か尻尾か


   「えっ!信じられない」「やだぁ・・・」と、まあ一部の人にはよく言われることがある。最後の晩餐ではないが、想像するにやはり「泡盛」かな?と思う。それも43度くらいの古酒に限るが。・・・となるとつまみは豚足がいい。沖縄料理屋では「アシテビチ」というがこれと古酒さえあればと思う。別段、自分は沖縄生まれでもないし、沖縄が好きでたまらないというわけでもないが、兎に角旨いものは旨いと思う。
  パリの市場(レ・アール)に近いところに豚足が食べられる「ピエ・ド・コション」という簡易な食堂があるらしいが。訳せば「豚の足」か。ここでは豚足に葡萄酒一杯とでもいくのだろうなぁ?
  
  さて、戦後すぐの1948年(昭和23年)に池袋に開店した沖縄料理店「おもろ」という店は何故か、開店当時から現在まで、多くの文化人・著名人がこの店の常連に名を連ねるという。詩人の山之口漠は入り浸っていた(失礼!)というし、金子光春、佐藤春夫、丸山薫、水上勉、檀一雄、五味康祐、火野葦平・・・そうそうたるお顔ぶれである。都内における沖縄料理店の草分け的存在だという。今もなお、そのおもかげを残している店というのも凄いことではないかと思う。
  メニューだが、ゴーヤチャンプルー、ミミガー、沖縄そばとよくきくものの他に他店ではないという、一品。豚の尻尾を沖縄の焼酎・泡盛と黒砂糖で煮込んだ「おもろ煮」というものは想像できないほどの旨さに違いない!足そして・・・今度は尻尾か。

  ミツカンにいらして現在、すし研究家の松下良一さんに江戸時代の寿司に使われていたといわれる酢のサンプルをいただき、どうしても寿司を作りたくなった。
  立春も過ぎれば、もう気分は"春"ではあるが、今日は春の雪。雪見酒にも寿司はいいだろう。握りではなく、具沢山のバラ寿司を作る。材料は簡単に。冷蔵庫に残っていたニンジン、ゴボウ、タケノコの水煮。そして春らしく菜の花。それにカツオとイカを加えてみる。寿司飯は本当に美味しいと思う。これに先日いただいたフキノトウを煮たものを少し食べれば味覚は既に春そのもの。余りに美味しくて・・・写真を撮り忘れた!江戸時代の庶民の食卓を思えば、なんと現代の贅沢なことよ。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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