ch12.その他: 2007年5月アーカイブ
ch12.その他 : 恥を知る |
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別に「悪いからやめなさい」とはいえないのだが・・・・・電車に乗るといつも思う。若い人たちの耳は必ずイヤホンで塞がれている、あの光景。周囲の人の声も気配も、多分聞こえなくても構わない、自分の世界が快適であればそれでいい、そんな光景。目を閉じていれば、たとえ、お年寄りが来ようとお腹の大きい人が来ようとお構いなしだ。自分のおりる駅に着いたら、目を開け、そして降りればいい。いつも見ながら、どうして、自分の快適さだけでいい世の中になってしまったのかと思う日々。「他人に迷惑かけていなけりゃ、いいでしょ?」とかえされそうだ。
パンをほおばる人、化粧をする人、マニキュアをする人・・・・・この人々に何と言えば良いのか?どうしたらいいのだ?。しかし、放置・・・・・・。人は何も言わない。構わない。関わらない。先日、特急列車の中で若い女性が、男性から辱めに遭っていても、他の乗客はどうしたのか?自分だったらどうしていたのか?と心の底にどんよりしたものを抱えてしまう。関わらないという「姿勢」。日本人は何かを忘れてしまったんじゃないか?そんな、人々を、そして自分自身を見つめながら、考えている。日本人が親から子どもに伝えるべき「何か」を。
『国家の品格』の著者の数学者である藤原正彦さん。彼は一に国語、二に国語と国語教育の大切さを説く。国語が分からない日本人。漢字が読めない子どもたち、若者そして大人もだ。「八つ」を「はちつ」と読んだ!と騒ぐ。そんな小学生の話などもういい。子どもは勉強しなくては。親も教師も怠慢であるということなのだ。
藤原さんの父親の新田次郎。息子である藤原さんが語る、その父親の素晴らしい教え。最も基本である国語教育と今の日本の家庭から消えつつある「教え」だ。
「弱い者いじめの現場をみたら、身を挺してでも弱い者を助けろ」「見て見ぬふりは卑怯だ」「弱い者を救う時には力を用いてもよい」という教え。ただし五つの禁じ手がある。
一つ、大きい者が小さい者をぶん殴っちゃいかん。
二つ、大勢で一人をやっつけちゃいかん。
三つ、男が女をぶん殴っちゃいかん。
四つ、武器を手にしてはいかん。
五つ、相手が泣き、謝ったらすぐにやめなくてはいかん。
理由のすべて「卑怯」であるということ。男子の恥が卑怯であるという「教え」だ。