ch12.その他: 2009年7月アーカイブ

ch12.その他 : 進化

   ある教育関係の方のお話を聞いていて、漠然と不安を感じた。「今は反応の早い子が勝つ時代なんですよ。じっくりとものを考える子どもは寧ろおいていかれる」と言う。ケータイの出現はますますその傾向を加速してしまう・・・・とまあそんな趣旨だ。勿論全部が全部でないと信じたいが、いろいろな情報や情感を捨てて行く事がそんなにいいことなのかって思った。パソコンの中で「ゴミ箱を空にする」と言う感覚か。あのカシャシャンの音とともに、何もなくなり「ハイ次~」と流れていく。
  確かに、書物は読まなくなっただろうなあ。本の活字は読まなくなったのかも知れない。本でもケータイ小説は読んでいるという人々もいる。自分も電子書籍の仕事もしてるからわいわい否定も出来ないが、もっと本をがむしゃらに読んで、疑問を感じ、想像力をもって・・・・とは思うが、人の進化とは良い悪いは別として、これが進化なのかも知れないと思える。

   最近、友人・知人の病気の話しが多くて、ちょっと気分か落ち込んでいる。それも癌という病気で、女性特有の子宮癌や乳癌の発見だ。皆、早期発見で治療に専念しているからその点はほっとはするのだが・・・・。
  自分も家系図ではないが、両親や親戚の死因を書き出してみると癌が多く、やはり癌家系なのかなとも思ってしまう。
 
  「神様が降りてくる夜」や「翼をください」などのヒットで知られる歌手の川村カオリさん。28日に亡くなった。享年38歳だ。5年前に乳癌が発見され全摘出手術を受けた。しかし再発し肺などへの転移。
  今年5月に20周年の記念ライブを行った。楽屋では点滴を受けながら続けたという。しかしその直後に再び入院した。マザーでもあった川村カオリさん。残されたお子さんの事を考えると気持ちが痛い。
  
   ご冥福を祈ります。

   「ついに息子の顔さえわからなくなってしまったよ・・・・」とその人は悲しそうに俯いた。「嫁が財布を盗んだから、一切家に入れないようにしているのっ!」ときつい表情のご婦人が言う。聞いていて決して楽しい話ではない。悲しくなるばかりだ。しかし、他人事ではない。いつの日か、自分だって家族の顔が分らなくなり「どちら様ですか?」と聞くかも知れないし、濡れ衣で、人を傷つけるかも知れない。要は「明日は我が身」であるということだ。
  

  ある方に「『痴呆老人』は何を見ているか」(新潮新書)を薦められた。著者は東大医学部を経て、国立環境研究所所長を務める大井玄さん。終末期医療全般に取り組まれている方だ。臨床医ならではの日々の体験を踏まえた分りやすい内容だ。"われわれは皆 程度の異なる「痴呆」である"とは、何とも!ある意味、我々は、正常と異常の間を日々生きているのかも知れないな。自分が10代や20代、もいや、30代の頃を思い出してみる。あの時代では理解しにくい世界かも知れない。それが、今は何とも面白さが分る年頃になってきたようだ。人生は長く生きることも楽しい。
※機会あれば、読んでみて下さい。
大井玄「痴呆老人」は何を見ているか

    「もう半年前から予定をたてていました」と微笑む父親。「見られたら、夏休みの自由研究のテーマにしたい」と子ども。なかなかいいコメントだな。明日22日の皆既日食を目指して?今、そんなこんなの報道で、日本中が、ワサワサしているようである。
  日本の陸地に限ってみると、1963年7月21日の北海道東部で見られた皆既日食以来、実に46年ぶりということだ。その間、社会情勢も変わりすぎたよね。そして「次は見られないでしょうから、来たんですよ」とおじいさんがコメントするように次回は2035年9月2日の北陸・北関東などで見られる皆既日食まで26年間も起こらないそうである。26年間って・・・・結構微妙な数字だと思いつつ。
  しかし、日本で最も皆既日食が良く見える地域として鹿児島の西端トカラ列島の悪石島が専ら話題の中心になっている。島民は僅か70人ほどの島。入島制限をしているにもかかわらずヨットなどで上陸している人もいるというから、呆れて言葉も出ない。
  悪石島とは初めて聞いたという方も多いと思う。しかし戦争体験のある沖縄の方なら誰でもが悲しい思い出がある島だということ。戦後60数年間、戦争のない平和な時代が続いている。使ってはいけない言葉だと思うが、やはり「平和ボケ」してその有難さが当たり前の生活をしている。
  今回の皆既日食ツアーにこの島を訪れる人々がいれば、また忌々しい、そして悲しい戦争の記憶が甦ってくる人々もいる。「忘れていた筈なんだがね・・・・」とも呟く人もいる。お盆も近い。この悪石島沖で亡くなった多くの御霊に心からのご冥福を祈る。


   時々、便箋に手紙を書く時があるが、日頃パソコンを使っていると実に手紙が書けなくなっていることに気づく。漢字も忘れてしまっていて「あれぇ?」と考え込んでしまう。そういえば、最近は辞書もひいていない。携帯電話でのモバイル辞書とかはひくこともあるのだが・・・・。退化しているということだろうか。まずい・・・・・

  

  常用漢字表の見直しを進めている文化審議会の漢字小委員会が新たに加える予定の191字のうち教育現場から不適切だと指摘を受けていた例えば「淫」「呪」「艶」「賭」など一部の漢字について再検討したという。しかし、この例えばの漢字はなかなかすごいね。通常、あまり書かない漢字。どんな単語があるかちょっと書き出してみた。しかしやはりなかなか書かないかなとふふふと笑ってしまった。ただ、小学校の時の同級生のお母さんの名前が「艶子さん」といって、とても綺麗なお母さんだったことを思い出した。漢字の思い出というのも面白い。

ch12.その他 : 自然の怖さ


  北海道の大雪山系に登山中の2つのパーティーが悪天候のため身動きができなくなった事故のニュースを聞いて本当に心配になっている。
  私も本格的な登山はしないが、登山を始めた頃に夏山でも凍死するから気をつけろと言われた時は本当に驚いたものだ。簡単に行けると思ったら大間違いであるし、山は本当に牙をむく怖いところなのだ。晴れ渡っていたと思ったら急に霧が出てなど、天候の急変など信じられないことだらけなのだ。
  だいぶ前の話だが、一度、神様に救われたことがある・・・・と私は思っている山行がある。あの谷川岳での事だが、あと数分で小屋にたどり着くという時、私は霧の中に何かを見た・・・・。要はあと数分で山小屋に着くというものを全否定した。そして、何時間もかけて下山したのだ。その時の事を「いっちゃん、気でも狂ったのかと怖かったよ」と友人は言う。下山した時に、下の小屋では大騒ぎであった。既に一つのパーティーの遺体収容をしていたということだった。「下山してよかった、よかった・・・・」と言われ、その晩は泥のように眠ったのだ。あの垣間見た光景が多分、"生"と"死"の谷間だったのではないかと今も思う。
  山だけではない。海だって川だって、絶対、大丈夫!ということは自然界ではない事を肝に銘じてほしい。その道のプロにも牙をむくのが自然界だと思っている。

ch12.その他 : 何もない・・・幸せ感

   
  今月のプログの検索ワードのトップをちょっと見て驚いた。「死生観」だった。別段、哲学者でもないので、日々いろいろ考えているわけではないが、やはり若い時代と違い、少しでもいろいろ体験してくると自分の人生について考えることが多くなった。ちょっと前までは、残されたもののためになどと思っていたが、美田というほどでもないが、あまり残すこともないと思うようになった。西郷隆盛も「児孫に美田を残さずとも語ったといわれているが、財産を前にして、思想も、節操も何もかも吹き飛んでしまっては生きていた意味もなかろう。とどまる事を知らない争いなど。残すべき、財産や何もないことが、幸福なのかも知れない。

  先ごろ、漸く決着した京都の老舗のかばんメーカー「一澤帆布」の相続問題。偽造、書き換えと、まるだ推理小説並みの泥沼な展開を見せていた。長男と三男が何故にここまで醜く争わないといけないのかって。2枚の遺言書は骨肉の争いとなったのだ。遺言書をめぐるトラブルは土地や現金でも多い。仲良し兄弟であっても骨肉の争いが引き起こされるのだ。決着したといっても兄弟間のしこりは一生消えることはないだろう。


  泥沼化といえば政治の世界も然り。都議選で完全な敗北をした自民党。中川秀直元幹事長ら反麻生勢力が求めていた両院議員総会を見送る方針を固めた。21日に麻生首相を含む全議員出席の緊急集会が開かれ、これにより、21日の衆院解散そして8月30日の衆院選投開票がほぼ確定。しかし、この60余年の膿みといったら失礼か・・・・しかし、やはり日本が大きくうねりながら変わり、政治の新しいスタートなのだと思う。


ch12.その他 : さようなら

   
  昔から路地裏とか横丁が好きだ。あのちょっと不思議な感覚がたまらなく好きである。だから、ちょっと呑みたい、そんな店もそうしたところにある事が多い。
  夕方になって、蒸し暑さがなんとも身体に重たく感じる、そんな時にいつも訪れる飲み屋があった。6~7人も入れば一杯になってしまうカウンターの店だ。いつも殆どが常連さんでうまっている。
  「ちょっとねぇ・・・つめられるぅ?」と新しい客が入ってくるとママさんはゆったりと座っている常連客に視線で合図をおくるのだ。茨城出身のママのなんともそのあったかーいイントネーションいい。そんな店だ。
  
  乗降客の多い駅前の小さな小さな店。夕方の開店時間になっても灯りがつかない。電話をかけてみるとコールはするものの誰も出ない。暫く、看板を見上げていると、隣りの寿司屋のお兄さんが裏口から出てきた。すかさず「今日は休みなのかしら?」と聞くと「ここのママさん、亡くなったらしいですよ」と言う。予想もしない言葉に一瞬戸惑う。かえす言葉が見つからなかった。「え?いつ亡くなったの?」と聞くと「もう一年経つんじゃないですかぁ?」と寿司屋のお兄さんは言う。

  思い起こせば、最後にここに来たのはこんな蒸し暑い夏の夜だった。一年前っていったら・・・・・・ママがいつものように「一本、いれとくねぇ?」とあの独特の声ですすめられ、焼酎のボトルをキープした。ちょっと一杯呑みたいだけなのに、「もう、お腹はいっぱいだから」と言っても得意料理のポテトサラダを出し、そして、楽しそうに鯵のフライをジュウジュウと揚げるのだ。
  
   主のいなくなった店の前で暫く立ち竦んでいた。頭の中は、古くて懐かしい映像のテープがカタカタカタカタと回り始めたようだった。もう、名前さえ忘れてしまった、あの楽しい常連さんたちは、どこへ行ってしまったのだろうって思う。そして陽気なママがちょっと酔うと歌いだす。あの十八番『お別れ公衆電話』が聞こえてきそうな夜だった。


ch12.その他 : 人生一巡


   アラフォーだアラカンだと、よくぞ次々と流行語が出てくるものだが、日本人なら日本語の基本だけはやはりおさえていてほしいと思うのだが・・・・・。


  先輩諸氏が次々と還暦を迎え、そのお祝い会が続々。還暦は、数え年でいえば61歳のことだが、どうもこの数え年というものが最近は分らない人も多い。その誕生日とともに「お祝い会」が結局多くなる。60年で干支が一回りする。だから今年は丑年。丑年の先輩も実に多い。本卦還りという言い方もあるということで、なかなか奥深い。
  「人生50といわれた時にくらべたら、俺達は長生きだよなあ~」と皆が口々に言うが、やはり人生を一巡したということは喜ばしいことだ。
   そもそもが、祝いの対象になるのは男性だけで、家長が数え年の61歳になると、家督を後継者に譲り、引退するというしきたりからきているという。単なる長寿のお祝いではなく、家系が代々続き、家業が繁栄することを願う儀式とということだ。時代の流れの中でいろいろなことが変化していく。
  「いよいよ第二の人生か!と感慨深そうな先輩たち。ごちゃごちゃとあれこれ言う事もなく、みんな元気でいてくれればいいなあとただそれだけを願う。人生一巡・・・・なんだか一里塚の感もあり。

ch12.その他 : 愛するって・・・・


   女子校育ちとは・・・・よくもあり、つまらなくもありとでも言おうか。所謂、同窓会は女子ばかり。男子がいたのは幼稚園だけだったが・・・・。幼稚園時代の友人にはまず会わない。だからこそ、社会に出てから、男女共学で過ごした諸先輩の同窓会の話は本当にドラマを見ているように興味深いのだ。
だいたいが、憧れのマドンナがいてという話。つい先日も憧れて~憧れて~のマドンナに同窓会で会えると意気揚々、飛行場へ。そこで見かけた"現在"のマドンナの姿にびっくり仰天。なんとそのまま逃げてしまったという男性。また一人は同窓会の会場で数十年ぶりの昔の彼女が声をかけてきた、しかし目の前のあまりの変貌ぶりに、声も出ず。やはりバタバタと隣りのテーブルに逃げ出したとか。男心とは。そんなにもデリケートなものなのか?
  しかし、具体的には言わぬが、男性だって青春時代にくらべれば大変貌をしているだろうに。変貌した男性から逃げだす女性はそうはいないだろう。多分、その変貌ぶりに「あああ」と落胆するのは、数日経ってからだと思う。現実を現実として受け止められるのはやはり女性の方が強いのかも知れない。
  ところで、離婚に向けて着々と準備を始める所謂「離活」に取り組む女性が増えているそうだ。とくに、リーマン・ショック以降の相談件数が多いらしい。件の年金分割とやらの熟年世代だけでなく、「自立したい」という若い世代も多くなっているという。また、離婚カウンセラーという資格取得も人気らしいし・・・・しかし、やはり女性とは現実にしっかり生きられるものだとつくづく思う。女性側がこんな準備をしているとは夢にも思わないのが男性だろう。そして準備万端!妻からの「別れて下さい」の「その時」を想像しただけで身震いしそうだ。
  別れる原因としても、ドメスティックバイオレンスやモラルハラスメントなど、そうだなと理解できるものもあるけど、「全く会話がありませんから!」とサバサバ言う方もいる。「じゃ、会話する努力すれば」とでも言おうものなら、大変だ。波風立たぬよう「なるほど」と言ってしまう。

  明治生まれの祖母はよく「戸籍を汚してはいけない」と言っていた。小学生の子どもには理解不能だっただろうに・・・。しかし、様々な大人たちの難しい世界を垣間見ながら、子供なりにいろいろと理解をしていった気がする。今じゃ、戸籍も何もないのだろう。最近では、よく「はぁ・・・バツさんですかぁ?」なんて言うと「吉田さん、最近はバツじゃなくてマルさんって言うんですよぉ」なんてあっけらかんと言う方もいる時代のようだ。

   「離婚件数が減っているのは、婚姻件数が減っているのが大きな要因」と国立社会保障・人口問題研究所の解説。関心は高まっているものの、離婚件数そのものはここ数年、減少しているという事実。好きで好きで一生傍にいてなんて思って人は惹かれあっても、いつ何がどう変化していくのか、本当に未知である。昔、何かの台詞に「愛するって耐えることなの」なんてあったけれどね。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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