ch12.その他: 2008年9月アーカイブ

ch12.その他 : 違和感


  すっかり秋めいてきた。まあ、もうすぐ神無月・・・。そりゃそうか。夏の風物詩もいろいろ遠ざかるなあ・・・。夏といえば、金魚すくいのイメージもあるが、新聞で、最近では持ち帰りをしない家族が多いという記事を読んだ。「はぁ?」と思った。最初に「金魚は家に持ち帰らない事」を条件に子どもに金魚すくいをさせる親が多くなっているということだ。信じがたいが、最近の若い家族を観ていると漠然であるが、時々、何かが違うかな?と感じることもままある。なるほどねぇ。しかし、生きた金魚でなく「なんと金魚すくいで、おもちゃの金魚も登場しているというから・・・・予想も出来ないことだらけ。
  昔から縁日などで買った金魚は結構、早く死んでしまうことが多く、自分もいくつ金魚のお墓を作ったかわからないほどだ。多分、今の若い親たちはこれがいやなんだろうなあ。「死んだ金魚なんて!どーするのっ!気持ち悪い」ということなのだろう。ゲームソフトなどみていると何もかもがバーチャル。バーチャルに慣れてしまえば、血の通ったものなんて気持ち悪いことだらけかも知れない。違和感だらけだが、結局、何かがごろりごろりと変化しているのだろう。
   違和感では、ペットでいえば犬や猫。最近では洋服みたいのを着ているのが普通で、着ていないと異常な感じ。犬の散歩をしていると着飾った犬や雨の日にはレインコートを着ている犬に出会う。何も着ていないうちの犬がおかしいのか?と勘違いする。それに犬や猫のダイエット食品やら便のニオイや体臭を取り去る食品やらビタミン剤、エステ?・・・・・何かが変わってきている・・・・・

ch12.その他 : ふるさと

   いろいろ考えた。こういうのを一触即発というのだろうか?・・・・その瞬間、「まあまあ」と軽い気持ちで止めに入ったものの熱くなったふたりの耳には全く入らない。熱く言い争っても、暫くすればおさまるだろうと予想はした。しかし予想は外れた。熱いままプッチッと切れた一人は「失礼だっ!」と語気を強めて言い、席を立つ。その人間の怒りはおさまらず。一人が立ち去った後にもうひとりも怒り心頭に達している。何に怒っているのか?ここまできたら分からなくなりそうだ。どちらがいいのか悪いのか?ではなく、本音というか価値観というか根っこにある「誇り」に触れてしまったのか。 気まずい気持ちしかなくも言葉も失った。
  どんな仕事をしていてもどんな暮らしをしていても、自分が生まれた"ふるさと"という土地の誇り。それを心の奥にもって生きてきたわけだ・・・・。変わり果てた土地。自分にはふるさとがあるのか?と問えば「否」である。いや、故郷とは父そして母そして祖先への愛そのものである筈。勿論、このふたりには熱い熱い思いがふるさとにあった。お互いに冷静に尊重しあえばこんなことにはならなかった筈だ。どんなに親しくても、決して触れてはいけない事やモノがある。この故郷の誇りも・・・・そうだったわけで。このふたりがまた、話す日がくるのだろうか?と思う。

ch12.その他 : 訃報


  9月19日の朝、「Nさん(愛称)が鬼籍に入った」と友人からケータイメールがあった。一瞬、「ええっ?」と信じられなかった。ショックだった。暫く、ご無沙汰していた新聞社の大先輩だ。いつも颯爽とダンディな方であった。昔は、気がつくとデスクに足をのせて?電話をしたり新聞を読んだりしている。普通はなかなか見られない、そんな姿に「流石!元ニューヨーク市局長だね~」と皆で囁いたものだ。
  

  しかし、抜群のファッションセンスを見せつけた野田凪の死も衝撃だった。あまりに若すぎる死だ。溢れる才能の国際的アーティストの訃報も驚きしかなかった。死の瞬間もドレスアップしていたという。しかし若すぎる。
  そして、ケータイのニュース速報に流れた映画監督の市川準さんの突然の死。食事中に倒れたという。なんと59歳という若さ。1987年の「BU・SU」で映画監督デビューした方だ。なんとも10月の東京国際映画祭に出品される短編が遺作になった。その作品の最終段階のチェックの最中であったというではないか。
  ああ、溢れる才能が、なんとも呆気なく消えていってしまったよ・・・・・


  「死」の知らせとは突然くるものだ。日々、いろいろな出来事にぶつかるたび、感情ももつれる事もある。苛立つこともある。不満をぶつけたり文句を言ったりもする。二度と顔も見たくない!と思うこともある。そんな事で人間関係が「切れてすっきり」になんて思ったとしてもだ、人の命とは永遠でない事にあらためて儚さと崇高さを感じる。

ch12.その他 : 弓張月


  仕事を終えて、ふと空を見上げる。右半分が輝いて見える月、そう、弓張月が見える。月は美しく、そして神秘だ。どんな時も静かに輝きながら、満ちて欠けてそしてまた満ちていく。高層ビルも何もない時代に見る月はどんなものだったのか、時折、想像してみる。程よい疲れが何か心地よい・・・・そんな夜。

ch12.その他 : 慮るということ

   その電話を受けて、私は暫く躊躇っていた。丁度、仕事の打ち合わせをしている時だった。午後8時も過ぎていたので、少しアルコールも入っていたのだが・・・・・
   しかし、どうお調べになったのか、電話の向こうでは「吉田先生のプログを拝見いたしまして」と仰っている。"先生"などと言われたのは教育実習かアルバイトで家庭教師をしていた時くらいのもの。ちょっと・・・というか先生と呼ばれることに"慣れて"いないのだ。それでも、「はぁ・・・ありがとうございます・・・・」と答えたが何故か不思議でしようがない。
  「実は、吉田先生のプログの中に出てこられる櫻井先生とは・・・・」という一言を聞いて"来たー"と思った。プログを読まれた方で、霊能者の櫻井友子さんの問い合わせの多いこと!多いこと!。「是非、ご紹介して欲しい」と言われてもホイキタ!とはご紹介は出来ない。中には、ご自分の携帯電話番号を仰って、櫻井先生から電話をかけるようにという方もいるし、いつまでも本名というがプロフィルを仰らない方もはっきり言って困る。
  しかし、皆さんはだいたい「ある事」に悩まれていて、多分、いろいろとあちらこちらに、ご相談されたが解決出来ないのだろう・・・そう察する。今は、修行に修行をつまれて「昔とは違うのよ、ふふふ」と櫻井先生は笑うが、実にお忙しく全国をまわられている状況だ。大変な「ある事」にどうしてよいのやらと思った時、気持ちはわかるのだが、やはり一呼吸おかれ、そして、先ずは相手の事、つまり櫻井先生の事も慮って頂ければと思っている。

  この世は本当に不思議なことばかり起こる。生々しい現実を生きていても不思議なことは多々ある。しかし、それを解決できないのはしようもない。普通の暮らしをしているのだから。修行もつまぬ私など何も言えない。
  しかし、年々、何か研ぎ澄まされていく櫻井先生は、パワー漲る感がするのは確か。「いろいろ書き溜めているのだから、いち子さん、まとめて頂戴よ」と以前言われたことを完全にサボっている。いや、サボっているというよりその"時"には必ずするつもりでいる。櫻井先生、暫しお待ちを・・・・・・、

  

ch12.その他 : 疲労困憊

   
  朝、私は本当に久しぶりにその女性と携帯で話をしていた。「いち子さん、こんな理由で会社を辞めるなんて・・・全く考えていなかったから・・・」と声の抑揚を聞きながら、彼女の顔を思い出していた。明るくて頑張りやの女性だった。
  会社を辞める理由か・・・・と私自身、反芻していた。はれて定年退職で"お世話になりました"という場合を除いて、"理由"はいろいろあるものだ。福田総理ではないが、自分を本当に客観的に見られる人間など、私はそうはいないと思っている。しかし、彼女の話を聞く限り、何とも言えない気持ちになる。理由がやはり「こんなこと」なのだ。理不尽以外なにものでもない、そんな理由。
  「いち子さん?今も仕事しているんでしょう?」と彼女が言うので、「去年ね、会社を設立したのよ」と言った。電話の向こうでちょっと"間"があった。そして「私、テンションはいつも高いから~」とはいうものの、やはり闘い続けて、「あっ!もういいか」と会社を辞めた、そんな勢いを感じた。相当、疲労困憊していたんだろう・・・・どうしても納得いかない時の勢いというものを。「過去」は「過去」である事を認め、忘れて前に進むしかない。電話の向こうで「またね!」という彼女の言葉が静かに消えて言った。

ch12.その他 : 感動


  子どもたちの夏休みも終わり、新学期が始まったのだろう。夏休みの宿題も終わって子どもだけでなく、親御さんたちも、ほっとしている時期なのだろう。


  先般、テレビで読書感想文のマニュアルというのだろうか?サンプルのようなソフトを開発した人がいて、それがとても子どもたちに重宝がられ、お礼の手紙が舞い込んでいるという内容を見て、しばし、言葉を失った。その開発者はとても自分の開発したソフトが人の為に役立っていると満面の笑みで解説していた。その光景を見て「この人、本気で思っているのか?」と再び、言い知れぬ恐怖も感じた。
   喜んでいる子どもたち、それを「本当に素晴らしいわね!」なんて言う母親なんかが隣りにいたとしたら・・・・その子どもたちの将来が本当に心配になった。自分の頭で考えない、所謂"いいとこ取り"だけで生きていくことになるだろう。「ありがとうこざいました」なんて感謝の言葉の裏には「ああ!楽ちんだった」ということしかないだろうに。苦しんでいろいろ考えれば考えるほど「脳」は喜ぶものなのに!本をきちんと読み、何かを感じ取る。そして自分の頭を使ってまとめるのが下手でもいいじゃないか。一生懸命にやりぬくということを覚えないとならないよ。「ああ、自分は読書感想文なんか、もう!嫌いだぁーっ!」と思ったっていい。いいとこ取りのものを学校に提出したって、そこにあるのは単なる塵である。
   こうした話は子どもだけではない。ある大学生のレポートもインターネットの検索でテキパキとコピペしてなんと3時間はかかるであろうものが(この数字もよく理解は出来なかったが・・・・)たったの30分で完成したという。見た目は見事なレポートだ。最近ではコピペした部分がわかるソフト開発もされているというが、何れにしても"いいとこ取り"だけて人生は生きていってほしくない。
  


  今朝、読んだメルマガに、"昔読んで感動した本を本屋でみつけ、三十数年ぶりに読んでみた"という文章が掲載されていた。この本もなかなかの名作のひとつである。その方は、「小学生の時、わくわくしながら読んだ記憶が鮮烈に残っていたものをあらためて期待を胸に読んだ。しかし、あとに残ったのは疑問と落胆だった。この本のどこがあんなに面白かったのか。でも、小学生の時のように感動したらバカではないか...とも思ったものの、やっぱりあの感動のカケラでもよみがえってほしかった」という内容だ。
  小学生の時に選んだ本の数々。勿論、当時は予想もしなかった経験や苦労をして大人になってしまったのだから当時の「感動」はないにしても、じっくり別の角度で読んでみたら再び何かをキャッチできる筈だ。自分も、小学校3年生の時の夏休み『星の王子さま』の読書感想文の宿題が出た時、何故、担任が熱っぽく薦めるのか、何か自分の中でよく分からなかったもの、それが大人になって読めば「はぁ・・・」と感動した経験がある。人はあの頃には戻れないにしても、常に感動はあるのではないかな。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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