ch12.その他: 2010年6月アーカイブ

ch12.その他 : 都会のオアシス

100621_1549~0001.jpg    昨日は丁度、太陽の陽射しが最高潮!という時間帯に打ち合わせの為に六本木から赤坂9丁目に向かって歩いていた。日傘など何の役にもたたないほどの陽射し。そして暑さ・・・えいやっ!と東京ミッドタウンに隣接する公園・檜町公園を通り抜けた。こんなに暑いのに?と思うが、芝の上で子ども達と遊ぶ親子の姿はなかなかほのぼのするものだった。そして、ふと、さらさらと水の流れる音に気がついた。今が盛りと紫陽花のはなの美しいことよ!オアシスだ。そんな涼しげな光景を目にして暑さが吹き飛んだ。ああ!山に行きたいな!夏の風が誘ってくる。

   昔、明治生まれの祖母が「あの時の事は忘れない。本当に怖かった」と話していたことがある。当時、文京区の音羽に住んでいた祖母は、竹林に逃げ込んだという。竹にしがみつくだけだったという。その恐怖の時間が少しでも早く過ぎ去るのを必死で待っていたのだと思う。


  10万人を超す死者・行方不明者を出した関東大震災。この直後の様子を当時、東京市が募集したという被災者の記した作文や絵画など4000点余りが東京都慰霊堂の倉庫に収められ。なんと80年も手付かずの状態であったそうだ。そして、東京都と神奈川大学は、震災の被害を知る貴重な資料のデータベース化として本格的に調査に乗り出すことになった。資料の中には、作文や絵画のほか、写真や焼け残った家財道具などもあり実に貴重なものだ。

  天災は人の力でたたかうことも出来ないものだ。しかし、当時の人々の「思い」を十二分にくみとり、我々の生活の貴重な軌跡として大切に保存してほしい。

東京都慰霊堂

ch12.その他 : 苦手な世界

  たいがいのものには適応しようと思うほうなのだが、どうも・・・というのがある。映画が好きなので、時間が少しでもあきそうだという時は映画館に行く。しかし最近はどうも苦手なことにでくわす。あの「3D」が実は苦手である。好奇心旺盛で新しいものには飛びつきたいのだが、どうもこれはだめなのだ。「3D」とあると困ったなぁと思ってしまう。映画館から出てきたあと、どうも体調がすぐれないのだ。
  先般、量販店に行くと、男性二入が何かをのぞきながら大型テレビの前にいた。暫く、その様子を見ていた。彼らが去った後に私ものぞいてみたのだが、思った通りの現象が・・・。ああ!だめだ。やはり・・・どうもあわない。気分が悪い。困ったものだと思うと、何か憂鬱になってきた。何もかもが3Dになっていったら・・・本当にお手上げです。

ch12.その他 : 真面目な日常生活

   5月からご縁あって「豊島いきいき新聞」というペーパー発行に関わっている。5月末に創刊準備号が発行され、現在、創刊号の出稿が済んだところだ。
  編集作業と言ってもいろいろ。例えば、単行本などの取材・編集は兎に角、一点集中である意味、鬼のようになるものだ。「あたしゃ、燃え滾っているんだ!」風かな。またスポットの編集。例えば、クライアントからのガイドブックなどの編集は、第一に、その先方との流れとのバランスが大切。恰もサーフィンをするようなノリでいくものかな。しかし、毎月毎月のペーパーの流れとは・・・。そうそう、早寝早起き、栄養バランスの良い食事の摂取で体調管理、ストレスフリーのための工夫・・・とまあ、真面目な日常生活の積み重ねのような編集態度をとる。
  ちょっと話が長くなったが、相変わらず、昨日も炎天下の新橋、虎ノ門あたりをワサワサワサと動き回っている時に、その発行者からメールが届いた。「まだ若い住職さんが"この新聞、なかなかいいですね"と言ってくれて霊園広告がレギュラーで決まりましたよ~」とあった。その後に「勘弁ね」とあったので「なにをおっしゃいますか!素晴らしいこどではないですか」とすぐさま返信した。広告の他に、このところ、「是非、増ページを」という読者の声が多い。そんな声を聞くと、頭の中で、独特の方程式が動き出す。そのためには・・・とまるで、数式を解くノリであるのだが。
  6月末には創刊号。そして1号、2号と作っていかなくては♪よく言われる3号発刊。これはマラソンでいえば丁度5周目あたりかなぁ・・・もう「死んでしまう!」と思うほどの苦しさが「あれっ?」と消えていく瞬間だ。もしかして自分に羽が生えたのかと思う瞬間かも知れない。まあ、いずれにしても、暫くは規則正しい編集という作業が一番となる。

ch12.その他 : 死に水

   その方はまるで物語のように静かに語り始めた。
   そう「みずえちゃん」という一人の女性の話だった。
   暫くすると、俯いて、声をつまらせた。
   私たちは何も言わずにそんな様子の彼女を見て、その次の言葉が出てくるまでを待った。
  
   「小さな小さなコップに注がれたビールを飲もうとしたみずえちゃんだったけれど、その時は、全く飲むことができなかったのね。それで、看護師さんが慌てて、お猪口を探してきて、今度はお猪口に注いだの。でも、みずえちゃんはそれをも飲めない。それで、お猪口を逆さにして、小さな窪みに本当に少しだけビールを入れたのね。みずえちやん?というと、それを美味しそうに・・・・・舐めてね」

  3日後に、病と闘った「みずえちゃん」は亡くなったという。入院中は「ああ!ビールが飲みたい!飲みたい!飲ませて!」と言い続けていたみずえちゃん。「しようがないわね」「ダメダメダメ」の連続の日々。それでもビールが大好きなみずえちゃんは「飲みたい!」と言い続けたという。ある日、いよいよ・・・・ということが誰でもが分かる時がきた。その日、婦長さんが「みずえちゃん!ずっと預かっていたものを持ってきたわよ」と言い、小さなコップにビールを注いだという。
  

   「もう、大昔の話ねぇ・・・・」とその方はそっと涙を拭った。そして「みずえちゃんの、死に水だったのね・・・」と言うとまた声をつまらせ、泣いた。


  「俺は絶対に勝つ!」「私は絶対に・・・」という事は自由に言って構わない。人生に「絶対」などないからだ。でも人は絶対に「死」を迎える。決して避けられないことだ。


   そもそもは死にゆく人の生き返りを願い行った儀式ではあるが、このごろは臨終の後に行う儀式。逝く人の唇を軽く湿らせる、そんな優しい優しい儀式だ。最後の最後までビールが飲みたいと言って去ったそのみずえちゃんの「末期の水」。それは、それまでみずえちゃんを優しく見守ってきた人々の愛だったのだと思う。

ch12.その他 : 大迫力

スカイツリー業平端フォーム.jpg  新たな東京の新名所になる東京スカイツリーだが、いろいろなところからその建設途中の姿を見ることが出来る。まだ400メートルちょっと前の高さ。既にすごーい!と思うほどの高さだが、これがまだまだ高くなると思うと体がゾクッとする。東武伊勢崎線「業平橋」という駅があるが、ここのプラットホームに降りた時、建設中の東京スカイツリーが目の前で見える。「わっ!」と声を出してしまうほど大迫力である。ああ、スカイツリーが見える・・・ではなくまるで、丸出しの心臓を見せ付けられる、そんな感覚である。兎に角、世界一のタワーとなる心臓部のような光景は大迫力である。 写真は"電車の達人!"藤本均さんがズバリ!瞬間を撮影してくださった  

東京スカイツリー

ch12.その他 : "ご縁"名刺


  昨夜は株式会社十全の社長の河野哲丸さんの「百文一見」の出版記念とご長寿を祝うパーティーに出席。齢80を超えられても「老い」を全く見せないダンディーさにただただ感服。人間は"鍛え方"によってどうにでもなるんだなと思える。
  ある時にイベントプロデューサーのたなか彼方さんが言った「環境の変化によって【出逢いの質】が変わる」「過去をちゃんと積んでいるか」という言葉を思い出した。全くその通り!と哲丸先生のお姿を見て思う。
  講演の中で、数多くの名刺の整理術に触れられたが、私も漸く辿りついた整理術と同じであった。これまではそれこそあいうえお順、業種別やら、性別やらと分類していたが、「紹介者」別に哲丸さんも分けておられるという。この分類方法が実に分かりやすいので定着している。
  最近は200枚ずつ注文している名刺。なんだかんだと交換していると名刺の山になる。注文した量の名刺がどんどん増えていくからだ。・・・とはいうものの「紹介者」がどこかへ消えてしまう?そんな不思議現象が時々起こる。そんな時は私は本当に「ご縁」の名刺と分けている。

ch12.その他 : ハガキ100枚の声

  実のところ、少しはドキドキしていた。フリーペーパー作りは慣れているものの、やはり慣れているからこそいろいろな計算をしてしまう。「豊島いきいき新聞」は昨日に配布された。そして今日・・・。
  遅くに帰宅してようやくメールをチェックすると、発行元から「はがきが100枚程度きています。「至福のおとな時間」は文章に非常に学ぶところがあったと言う方や「旬を食べる」を読んで鮎が食べたくなったとか「昭和の時代へタイムスリップ」に自分のその当時をダブらせる方数名いました。豊島区史跡歩きは好評です」とある。ふと全身が弛緩してしまった・・・。やはり緊張が続いていたからだ。今回は創刊準備号、そして創刊号と続く。
  やはり生きていて、仕事をしていて良かった!と思う瞬間はこうした緊張と弛緩、そして緊張・・・そんな繰り返しなのかも知れない。そして仲間ととことん話し合えるもそんな日常がいいのだって思う。

ch12.その他 : 屋上での愉しみ

   実はここは意外な穴場だった。太陽の陽を浴びながら、ちょっとメモをまとめたり、また今注目されている建設中の東京スカイツリーを間近に見る楽しみもあった。小さな子ども達が駆け回る声もなかなかいいものだった。おじいちゃんやおぱあちゃんたちが目を細めて、お孫さんたちの遊ぶ姿を見ている・・・そんな光景は本当に微笑ましいものだった。


  開業は昭和6年、日本最古の屋上遊園地の台東区の「松屋浅草」のプレイランドが5月31陽に営業を終えた。しかし、赤字をかかえた浅草店は、店舗縮小を決定し2月末には4~6階の営業を終了していた。そして今回、屋上の閉鎖とともに、7階レストラン街も営業を終えたという。
  時々訪れる私でさえ妙に哀しい気持ちになるのだから、もっともっと生活の中で身近な存在で、思い出が沢山ある方々は辛いだろうなあと思う。しようがないと思っても時代はいろいろなものをのみこんでいくものだ。だからこそ、人は思い出を深く心に刻み込めるのかも知れない。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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