ch10.生活: 2009年6月アーカイブ

   私は「一人の天才の死」「英雄の死」であると、ただそれだけ思っている。しかし家族による遺体の更なる解剖などと聞くと「ああ・・・やはり」と思うしかない。他人であるからだ。マイケルというひとりの男の死は何とも痛ましい限りだ。またロンドンではカムバック・ツアーの中止にともなう多額の経済損失の計上などと騒がれ、その損失の事実は事実であっても仕方ない。だが、死しても尚、彼の魂が救われるこがないのかと・・・・。

   大ヒットした映画「おくりびと」はまさに日本人の死生観をあらわしているものだった。要は"死ねば仏"である。諸行無常である。死生一如の中国人の伝統的な思考様式とは異なる。
  人は必ず「死」を迎えるものの、「死」がもたらすそれぞれの国や民族の考えや思い。ただ、市井のものであれば・・・そうであればこそのことなのだろう。しかし、ひとりの天才が英雄となり夢や諸々の事を遺産と残した時、思いもしない結末に進んでいく。「プレスリーのように死にたい!」と、奇怪な言動や生活習慣があったにせよ、結局は彼の夢さえ叶わないのか、残された欲をもった人々によって葬られることで。静寂な魂はどこへいくのか?と日本人の私は思う。

ch10.生活 : 変遷


   日本百貨店協会の5月の全国百貨店売上高が発表された。既存店ベースで前年同月比12・3%減(約5112億円)15カ月連続で前年実績を割り込んだという数字。しかし15ヵ月とは!二桁である。新型インフルエンザの感染拡大が影響したと分析はしているもののやはり、昔から私たちの生活にしっかりと染み付いた「百貨店神話」は確実になくなったのだろうと思った。生活の中の「ハレ」のシーンでは必ず「百貨店に行けば・・・・」という信頼感があったものだ。
  しかし、マイナス数字の主力が衣料品。個人の生活を思い出してものも百貨店で衣料を購入しなかった!。食料品もマイナスということだ。そうか・・・やはり今年のお中元も思い入れのある「専門店」から皆様へ送ったなあ・・・・。
  失業率の上昇とか消費者の生活防衛という分析ではすまされないと思う。やはり変遷・・・・。「百貨店」への思い入れ、思い込みの払拭が必要なのかも知れない。もし「あってもなくてもいい」存在なら、なくていいのだ。テーマは「なくてはならないモノ・ヒト」である事だ。

ch10.生活 : 日本語の将来

   インターネットは魔法の箱。昔であったら、いちいち資料を取り寄せる為に先方へ電話をして相手に内容を話したものだった。言葉の意味を調べるのにも辞書をひき、事柄を調べるのに事典が必要だった。しかし、今はその魔法の箱で大体のことは出来てしまう。今、若者は辞書をひけるのだろうか?と心配にもなる。
  「おバカタレント」が何の躊躇いもなく登場、また人気のお笑い芸人たちの「ら抜き」の表現。「別に~」「何か?」と言われそうだが。最近の新入社員は上司との会話を極力嫌がるとも聞いた。尊敬語とか謙譲語って苦手。出来ないよとコンプレックスがあるからだと言う。それが全てではないにしても、コミュニケーションは「言葉」を抜いては語れない。

  「交詢社オープンフォーラム」(産経新聞社・後援)に参加した。テーマは「美しい日本語」。交詢社は明治初期の頃、まだ社交という言葉が十分に使用されていなかった時代 に、福沢諭吉の主唱により、銀座作られた日本最古の社交機関だ。「知識を交換し、世務を諮詢する」をスローガンに明治13(1880)年に設けられた。つまり「交換」の「交」と「諮詢」の「詢」だ。
  600人の会場は満席。定員をはるかにオーバーしてしまい、参加出来ない人も多かったそうである。しかし、参加者の顔ぶれを見れば、「日本語」を憂う世代ばかりというのが少し哀しい。

  「子供たちに美しい日本語を伝へる会」主宰の土屋秀宇さんの基調講演。そして渡部昇一(上智大学名誉教授)、平沼赳夫(衆議院議員)、愛甲次郎(文語の苑 代表)も石井公一郎(石井事務所 代表)の4名によるパネルディスカッションが行われた。平沼さんは国語を考える国会議員懇談会の会長もしている。
  しかし、世田谷区の「日本語教育特区」の試みは素晴らしい!平成16年に「日本語教育特区」となった世田谷区だが、小学生用に3冊の教科書「日本語」を作った。中学生用としては「哲学」と「表現」の2冊。また「日本文化」が加わって、小中全6冊のシリーズが完成するらしい。 「日本語」については、俳句、和歌、詩など韻文が多く取り入れられ、く音読志向の教科書である。小学1・2年生用の教科書から、漢詩が出てくることには驚きである。現代の学校教育の中で、漢詩文がとりあげられているとい事は実に画期的な事なのだ。孟母三遷というか・・・今、子育て中であれば、引越ししたいと思うかも知れない。ならば、全ての学校で!というわけにいかないらしく、講師は「先ずは・・・・教師の指導からはじめないと・・・」と苦笑。笑えない話だが・・・・・。

  9歳は子供の脳から大人の脳に切り替わる頃だといわれる。この時期にどんな教育をするか?が大切だ。言葉の「命」について、日本の「国の言葉」について、つまり日本国自体の問題である。誰もが真剣に考えていかないとならない。

土屋秀宇さん
愛甲次郎さんの「文語の苑」
平沼赳夫 ホームページ

ch10.生活 : 贈り上手

    かんどウイットの代表の尾花幸二さんは毎月一回、素適なお葉書を下さる。今月のテーマは「ギフトをしよう」。心をカタチにして相手に贈るということについて書かれてある。
  尾崎さんが花粉症で悩んでいるのを知ったある方から"にがり"が贈られてきた時、その心配りに本当に感動したそうだ。そしてまた、この度贈られて感動したという"景気回復ケーキ"。これは、元気きらきら本舗・近藤昌平さんがあみだしたもので、小渕首相の時に、かなりヒットしたケーキで、今再び、人気上昇中ということだ。
   今、まさに"景気回復!"とは商品名がなかなかいいね。

響き合う生活場面つくりの「かんどウイット」
元祖!景気回復ケーキ

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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