ch10.生活: 2009年2月アーカイブ

ch10.生活 : おくりびと旋風


  今 巷では「おくりびと」旋風!らしい。映画のロングランでどこの映画館も満員だということだ。先般もある映画館で「お立ち見ですが・・・」と映画館のスタッフの人に言われて、立ちすくんでいるご婦人がいた。
  この映画の影響で、「納棺師」という仕事も脚光をあびて、希望する人も多くなっているという。特に、高齢者の希望者が多いという。また若い納棺師の人もこれまでは映画同様に家族にも友人にも自分の仕事についてなかなか話せなかったという。しかし、何故、誰でも必ず、直面する「死」を取り扱う仕事が何か忌み嫌われていることも考えてみればおかしなことだが・・・。
  この旋風?で「マイ骨壷」も流行りだしたようである。既に、陶芸教室に通う姑が必死に何ヶ月も作っていたのが「マイ骨壷」でやっと先日「完成した!」という作品を見せてもらった。「すごいでしょう!」と大自慢をしていた。なかなかの大作で、褒めちぎってしまった。ある時「いち子さん、百合の花ある?」と急に言った。たまたまカサブランカ好きの私はリビングに沢山飾っていた。、渡したカサブランカをせっせせっせとデッサンしたようだった。骨壷には見事なカサブランカが描かれていた。「実にきれいに発色しましたね」とまた褒めちぎってしまった。「生前に墓を建てたり骨壷を用意するとずーっと長生きするようよ」と言うと姑は嬉しそうに笑った。

おくりびと公式ホームページ

ch10.生活 : ものを大事にすること


  節約ブーム?でシャンプーやリンスも詰め替え用が売れているという。まだボールペンでさえ、かえしんを購入する人が増えていると聞いた。「いい傾向だなあ」と思って、地下鉄に乗ると、中吊り広告に、節約ストレスの妻を労うために家族旅行をという展開の広告があった。「?」と思えた。ストレスになるまで節約などすることはないだろうにというのが実感。節約はかなり頭を使う。決して楽ちんではないかも知れないが、ある意味で楽しくしないと精神的に参ってしまうかも知れないし。
  節約だ、エコだの本を読んでいると最近「あれっ?」と思うことが多い。何故って、意外と昔の人は当たり前にしてきたことばかりが多い。何も必死につ節約!節約!と気張っていたものではないと思う。寧ろ、小さい頃の思い出とはそうした日本の知恵のようなものがいっぱい詰まっていたと思える。
  ちょっと昔の話だが、知人の優秀な編集者がある時、きっぱりと仕事を辞めると言う。「ええーっ。これから、どうするの?」と聞くと、「裂き織りを始めるんです」と言う。当時は「何で?何で?」なんて聞いてしまったが、裂き織りを深く知れば知るほど、「知恵」と「愛情」を感じる。大好きだった小さい頃の浴衣が微妙な色合いのお洒落な帯に生まれ変わったりする。それには忘れられない思い出も一杯だろう。
  もう亡くなってしまったが、明治生まれの祖母は残った毛糸や要らなくなったセーターを糸にもどして、改めていくつもの作品を作ったことを思い出す。時には「おばあちゃま、なあに!これっ?」というデザインのものもあったが祖母は私がそう言うと、いつもクククと笑っていた。母も「物資のない時代を育つとねえ・・・」と言いながら、口紅でも白粉でも、そして身の回りの品々を大切に使っていた。決してそれは惨めでもなんでもなく、とても良い暮らし方に思える。何か無駄に使えば「湯水の如くつかうものでない」と窘められた記憶がある。その湯水であっても今は大変貴重なものである。そんな昔の暮らしの良さは伝えて行かなくてはならないとつくづく思う。まあ「こうせねばならないのだっ!」なんて気張らずに・・・だけども。

  「とにかく試食して。とてもインスタントと思えないから~」というメッセージ付きで料理研究家の加藤和子さんから京都菊乃井のにゅうめんをいただいた。
  "体に悪いものは一切入っておらず、簡単に調理できる麺があったらええな"という思いから開発された商品ということで、菊乃井のご主人・村田吉弘さんが「私が納得する味」というほど、本当に感動する味だった。
  加藤和子さんが「とてもインスタントと思えないから」と仰る通り!熱湯と器を用意するだけ。いとも容易く!こんなに簡単でいいのかしら?と思いながら3分間待つ。国産の小麦粉と天然塩と天然水により丹念に捏ね上げたという麺の何とも上品な食感。具材は鯛と蛤の二種類。さすが、京の味は違いますなあ~違いますなあ~とただただ感動。美味しいものをつくりたいという「思い」から長い時間をかけられたという、その熟成し且つあたたかい愛情を感じるにゅうめんでありました。
「菊乃井」ホームページ

  ジャーナリストの櫻井よしこさんが理事長を務めるシンクタンクで、日本国家が直面する基本問題を見つめなおそうとする「国家基本問題研究所」の会員なのだが、昨日は地球物理学者の赤祖父俊一先生の「地球温暖化の原因」についての講演会が永田町の星稜会館あった。
  「20世紀後半〔実際は1975年日頃より〕、温暖化は炭酸ガスによねものとするのは仮定でしかない。不幸にしてその仮定から推定された気温上昇が大災害をひきおこすこととなり人類の大問題となってしまった」という。現在の地球温暖化の原因である二つの自然変動によるもので、我々が日頃から目にしている温暖化の認識、そして例えばよくみる現象面の映像の間違った使われ方などを改めて認識する。質問事項を3つ用意していったが赤祖父先生の説明の中で全てクリアになった。しかし、会場内は熱気でむんむん。次から次へと活発な質問が出され、予定時間をはるかにオーバーしてしまっていた。大学の名誉教授や民主党の議員など様々な方々が参加していらした。中には「私は年金暮らしの~です。昔、応援団だったからマイクは要りませんよ!」と威勢のいい男性の自己紹介に場内は笑いで包まれた。
  今後のキーワード「食」「エネルギー」「水」そしてますます進むであろう「太陽経済」。本来、省エネの生活を愉しんできたニッポン人。そして省エネが得意でもあるニッポン人。だからこそ、未来図も描かないで、目先の利益に貪り、ガツガツすることなく、真摯に冷静に受け止めていこう。
  「まだまだ若い学問の分野。またまだ研究が必要なんです」という赤祖父先生の言葉が心に残った。


国家基本問題研究所のホームページ

ch10.生活 : 本を読む人


   この2~3日、なんかとっても嬉しい光景を見る。車内で文庫、単行本など読書している人。皆、それぞれが真剣に本を読んでいる。背表紙が見えないので、どんな本を読んでいるのかは分からないが、時々、図書館からかりてきたらしき本だと書名も分かる。先日も昨日も右隣りも左隣りも前方の人も読書をしていた。思い込み、たまたま、偶然・・・・そうかも知れないがその光景の中に溶け込んでいる時、「あれ?何かの撮影?」と思えるほどに嬉しくなる。
   「心の時代」といわれる21世紀、心の荒廃が取りざたされているから何か人々は・・・と言うのはいきすぎであろうが、やはり、読書する人の姿とは本当に心が和む。


  毎日毎日パソコンや携帯メールでの情報過多。気軽過ぎるメールでの情報交換。製作過程の大変さも理解されぬまま、ささっと捨てられるフリーペーパーの類。雑誌そして読まなくなった読まなくなったと言われ続ける新聞。でも現代人は皆、頭が情報過多でパンクしそうになっている。だいわ文庫『頭の整理がヘタな人、うまい人』の著者である樋口裕一さんは「しっかりした人生を送るには、身の回りを整理してシンプルに考えることだ」と言う。まさに!シンプルに尽きるな。何がしたいのか、どんな解決策があるのかを明確にするには、「賛成」「反対」を自分の中で純化すること。そして頭の整理をすると、人にも言いたいことが伝わりやすくなる・・・・まさに!整理されていない頭と心では氾濫する情報にただ振り回されるだけとなる。そうなったらどんな業界の人も危険だ。
  ケータイばかりに依存しないで、たまには興味ある本を手にしてみよう。そして読書三昧もいい。

  

ch10.生活 : たまごかけご飯


   たまごかけご飯を最初に食べたのは何歳の頃だったか?はさだかではないが、食べた時の衝撃はとても印象に残っている。父親の故郷・千葉での朝食だった。


  さて、岡山県美咲町での専門店「食堂かめっち」がオープンして、1年間で7万食以上を売り上げたという記事を読んだ。ピーク時は1時間以上待つこともあるらしい。たまごかけご飯でなんと観光客も増えているそうだ。町内には西日本最大級の養鶏場もあることから「たまごかけご飯」に注目したというのはなかなかすごいことだ。今や、こうした「たまごかけご飯」専門店は各地に出現して町おこしにもなっているという。
  確かに自分がこの「たまごかけご飯」を食べた時、「新鮮だ」だの「新しい」だと周囲の大人がそんな感想を言ったような気がする。たまごかけご飯は醤油の量で微妙に味が変わっていく。かけ過ぎても少なくてもいけない。この味!という量がある。そういえば「たまごかけご飯」専用の醤油を見たこともあった。「へぇ・・・・」と思って見ただけだったが。
   「たまごかけご飯」の頭文字「TKG」として全国でいろいろお店がオープンする中、この人気の火付け役となったのが「365日たまごかけごはんの本」というもので、レシピも紹介され、昨年夏から既に10万部も売れているというから、いろいろな発見をさせられる。小難しい事をぐじゃぐじゃと考えるより、ヒットは意外にも"身近"にあるものなのだね。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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