ch10.生活: 2008年9月アーカイブ

ch10.生活 : あったか~い"お弁当"


  お洒落なランチタイムを愉しんでいるのはたいがいが女性だ・・・・と思う。豪華なフレンチを味わったあとなのだろうか?地下鉄・丸の内線内で「美味しかったわぁ~流石ねぇ~(有名シェフの名前)。もう、私、おなかいっぱいよ。今夜は鮭でも焼いて・・・ほほほ」と笑いあっている主婦たちを見た。
  それにくらべて、サラリーマンの多くはそんなに贅沢なんてしていない。特に、外食代のアップ。例えば、日本マクドナルドは8月に全国平均で2・5%程度値上げをした。9月には牛丼チェーンを運営する松屋フーズや、神戸らんぷ亭が一部商品の値上げをした。
  都心でランチをするとなると1000円はかかってしまう。お昼どきともなるとどこの飲食店も長い列だ。毎日毎日これを繰り返していたらかなり負担となる。だからサラリーマンの昼食代は確実に減ってきているのだ。GEコンシューマー・ファイナンスの4月調査では、今年は2007年より20円少ない570円。この減少は3年連続となるという。
  そんな中で、"弁当箱"が売れているそうだ。OLだけでなく、ご主人のものや、また自分自身の弁当箱を探す男性も増えているという。やはり小遣いの遣り繰りに迫られたサラリーマンが外食を控え始めのかも知れない。
  「あああ~最近は、揚げ物もしなくなったし、料理に手抜きばかりしているわ~」と呟くと「そんな事ないよ、お母さんは毎日毎日、私たちのお弁当を作ってくれたじゃないの!」と娘が言う。そうか、「必ず、手作りのお弁当を持たせてください」とPTAで担任に先生に言われたなぁ・・・・。毎日、朝5時くらいに起きて、健康であるように!と栄養と見栄え?を考えながら何年間も子どもたちのお弁当を作ってきたなあ。娘の言う"お弁当"という言葉が妙に心の中を熱くしてくれた。
そうかぁ!"食べることは生きること生きることは食べること"なんていい言葉のあった、魚戸おさむさんの『玄米せんせいの弁当箱』をぺらぺら捲ってみる。


  別に 文句を言いいたいわけではないのだが・・・・・「食育」だとか騒がれていても、やはり概念の世界で実際とは乖離していく一方である感じがしてならない。
  昔、台所にあったモノたちでなくなってしまったものは多いだろう。しかし、ある女性が「まな板ってホントに必要ですかぁ?」と聞いた時は言葉を失った。
  大学生の時、オーストラリアの留学生をキャンプに連れて行った。包丁が上手く使えず、野菜を切るのか、指を切るのか!ヒヤヒヤだった。カレーひとつ作るのにも大騒ぎ。食べる時はクタクタだった。唖然としたあの感覚を思い出した。その女性の顔を見ながら「まな板は必要です!」と心の中で叫んだ。こうした女性や、毎晩時間がないから「夕食はコンビニ弁当です」とか「私!三食ハンバーガー(某ファストフード店の名前は省略)でもOKですよ」なんて人々が「食育」の事業などしてほしくないと思うのはホンネだ。


  今、おもちゃでも本格的な料理や菓子が簡単に作れる「調理玩具」が好評ということだ。食材のアレンジや使った後に丸洗いできるので子どもにも大人も人気なんだそうだ。具体的な商品名はふせるが、例えばのり巻きや太巻きがつくれるのは面白いと思うのだが・・・・。
  はて、巻きすはどこへ行ったのだろうか。多分、「巻きす」がないという家庭もあるのだろう。なければ、使い方だって分からないだろう。勿論、毎日しなくたっていい。巻きすを使って、上手く巻くためにご飯の量とか巻き方の力の入れ具合やコツを一度でいいからチャレンジして欲しいものだとつくづく思う。酢めしのつくり方、具の味付け仕方などいろいろ。美味しい「味」は生涯、記憶に残るもの。今は、コンビニでも簡単に買える便利な世の中だが、太巻き、のり巻き、また、おいなりさんのつくり方など、親なら一度は子どもに教えたいものだ。

   仕事にはいろいろなご縁がある。想像もしなかったことがパッパッと起こるものだ。夜眠る時に天井を見ながらこの仕事のご縁は一体どこから来たものか・・・・と頭の中を整理整頓することにしている。所謂、ご縁をひとつずつ、丁寧に辿っていく。その源泉がどこにあったのか?を冷静に見つめることにしている。その間は、まるで映画を観ているような錯覚をする事がある。
  独立して仕事をするようになって、また会社を作って仕事をするようになって、サラリーマン時代と違って、相談する上司もいないし・・・守ってくれる大きな組織もない・・・そんな時こそ人間関係、信頼関係が最も大切になってくる。
  

   今年の初めに、伊勢瑞祥先生から「手帳を作りたいんだけど、相談にのってよ」と言われ、気軽にハイハイと答えた。陰陽五行の手帳の企画など結構、面白い、そんな軽い感覚だった。しかし、話せば話すほど、「一人ずつの運勢がのっている手帳を」ということになった。
  まあ、生年月日が全く同じであれば、重複もあるだろうが、大体は100人いれば100通りの手帳が必要となるわけだ。今月のおひつじ座は~とか一月生まれは~なんて簡単なものでないことが分かれば分かるほど、「さて・・・・」と私は途轍もない課題を与えられたことに気がついた。
   フリーペーパーや単行本の執筆や、ちょっとしたエッセイや記事取材は慣れている、しかし・・・・・手帳。それもいわば、オンリーワン手帳。「出来るよね?どうだろう?」という伊勢瑞祥先生の言葉に暫く「ハイ」と言えないままいた。しかし、こういう時はまるで静かに流れていた川が堤防をやぶってしまうが如く、情報が氾濫した川の様に、私の頭の中はフル回転しはじめていた。
  仕事のご縁探し。そして何よりも「初めて」の企画に対してはちょっとした「予想」が必要。所謂"勘"だ。それから、コスト計算。つめてつめてつめて・・・・手帳が出来るまでのシミュレーションづくりというか、"勘"はフル稼働していた。殆どが「ビジネスにならない」「採算ベースにのらない」「効率悪すぎる」「人手が足りない」・・・・・・いろいろあった。ありすぎた。山あり谷あり。もう実行不可能かと思った。「すみませーん、出来ませーん」というお断りという安直な方法もある。しかし、性格が邪魔?をするというのだろうか、自分でも「絶対に出来る」という確信と自信を持って泥まみれになっていた。
  半年ちょっとかかった。そして、ようやく"光"が見えた今。いよいよ、来年!2009年のオンリーワン手帳がこの世に誕生する。毎日、毎日、1年365日の全てが分かる「自分だけ」の手帳だ。ビジネス、家庭生活、そして恋愛?に、いろいろなシーンで大いに役立つ筈だ。その人が最も重視するポイント、何をメーンに組み立てるか?個人の為の完全なオーダーメイドだ。肌理細かな対応。伊勢瑞祥先生の長年の研究の凝縮が反映される。絶対の自信をもってデビューする。
伊勢瑞祥先生のホームページはコチラ

ch10.生活 : 日暮里にて


  山手線や常磐線で通り過ぎることはあっても、暫く、この駅には降りる事がなかった・・・。目の前に聳え立つ高層ビル。日暮里駅が再開発されるということは以前から、勿論知っていたのだが、目の前に広がる、あまりの変貌ぶりにしばし呆然とビルを見上げていた。
  舎人ライナーからも多くの人々が溢れ出てくる。ところ狭しと商品が置かれていた駄菓子屋の問屋街もなくなって、駅前の親しみ易い店舗も姿を消している。昔々のことだが、冬の寒い時期に囲炉裏のある居酒屋で牡蠣鍋をつついたこともあった。気さくな女将がいて、話し上手な大将がいて・・・・その店も移転したようだ。いやはや・・・・。まるで浦島太郎状態だ。確か、恵比寿駅が変貌した時もこんな"浦島太郎"感覚があった。問屋街にあったいくつかの駄菓子屋さんは高層ビルの中に店舗をかまえているものの、やはりあのごみごみした何とも言えない情緒はまるでなくなっている。

  谷中銀座の方へ歩いて行くとまだ、お寺さんも多く、昔の趣は残っている。久しぶりに谷中銀座を歩く。いつものんびりと日向ぼっこをしていた、野良猫ちゃんたちがいたた空き地にも今では立派なマンションが建ち、猫達は行き場を失っている。
  はて、あの石垣島出身のママの店はあるのだろうか?。狭い小路に入っていった。昔はよく来たなぁ・・・・夜になると、ワイワイと賑やかに馴染み客が集まり、カウンターの小さな店はいつも満員だった。看板を見つけた。昔のように店はそのままだ・・・・。ほっとした。ママは元気なのかしら?と思う。店の前に立つと、まだ開店はしていないものの、灯りが外にもれている。開店時間まで待とう・・・・・・と思ったのだが試しに扉を開けてみた!「あらぁ~いち子さん!」とカウンターの中で、一瞬驚いたママの顔がそこにあった。本当に久しぶりの訪問だった。
  「ごめんなさいね」と言いながら、カウンターに座る。この店自慢の甕の古酒を飲みながら、過ぎていった時間を数えた。「・・・・ということは6年くらいかしら?」とママが言う。そうか、6年もの間、来なかったことになる。しかし、そんな時間が経っても開口一番「あらぁ~いち子さん!」と言われたことは何とも嬉しいことだ。聞けば、ママももう齢73になるという。「ちっともかわりませんねぇ!ずっとずっと元気でいてくださいよ」と言うと「ふふふ、塩漬けにでもしておこうかしらぁ~」と仰け反って大笑いしている。
  この夜は石垣島と薩摩の話で盛り上がった。知られていない史実があった。「そんな歴史は、もう60代も後半の人しか知らないかも知れないわねぇ・・・・」と苦笑する。日暮里の変貌ぶりにビックリした事を話すと「石垣島だってすっかり変わってしまったのよ~」と言う。この夏になんと40年ぶりに故郷・石垣島に帰った時、あまりの変貌に声も出なかったという。その驚きは多分、今日、私が驚いた以上の変貌した故郷への驚きだったに違いない。まさに、変わる素晴らしさと変わらぬ素晴らしさか・・・・・どちらも粛々と認めていかないとならないということなのか。

  


   打ち合わせでギリギリつめていたら、もう、時間がギリギリになって、慌ててタクシーをひろう。あまりに慌てていたので、「♪シートベルトをおつけください~」というアナウンスが一瞬、雑音に聞こえていたほどだ。運転手さんが「お客さん、出来ましたら・・・でいいですよ~」と言う。「はい・・・」と慌てて行き先を告げながらシートベルトをつける。
  暫く走っていると「今は景気がいいんですか?私たちなんてさっぱりですよ・・・」と言う。「何か?」と言うと「明日から三連休でしょう?今、銀座へ行ってきたんですが、景気よさそうに混雑していたしね。旅行だと浮かれている人もいるしねぇ・・・・」と呟いていた。

  不動産に続き、運送関係にも不景気の波がきていると聞いた。運転手さんの言葉に「そうですよねえ」としか答えられない。というのも、何故か、フリーペーパーの創刊ラッシュ(というほどでもないか?)。今月になって3種類の創刊の話しを聞いて、広告の相談をされた。いやになるほどフリーペーパーにどっぷりと浸かってきた自分としては、もう辟易~とも思うこともあるものの、今回の媒体のなんともターゲットが漠然でなく、キューンと一点に絞られていて興味津々である。一点集中というか・・・・面白い。やはり景気がいいのか?と思ってしまうノリだ。いや、"あるところにはある"ということなのだろう。
  

  さて「お客さん、マンションだって売れないんでしょう?」と運転手さんはまたも私に聞いてきた。「そうですね~」と答えたものの、それこそアッという間に完売したというマンションも知っている。
  例えば"アラフォー"と呼ばれる丁度、40歳前後の働き盛りの女性などは実に消費面でも元気一杯だし。余りの元気にかえす言葉もない。『頑張った自分にご褒美を!』(私は実は、自分で自分を褒めてあげたいとか頑張った自分にご褒美といった言葉が大嫌いなのだが・・・・)と言いながら、いつだってご褒美だらけ?の気がする。いやはや、今のマーケットは実に魔物だ。一筋縄ではいかない。思い込みは払拭して進むしかない。しかし頭の中はいつもチェック&チェックを忘れずに。

ch10.生活 : 慮るということ

   その電話を受けて、私は暫く躊躇っていた。丁度、仕事の打ち合わせをしている時だった。午後8時も過ぎていたので、少しアルコールも入っていたのだが・・・・・
   しかし、どうお調べになったのか、電話の向こうでは「吉田先生のプログを拝見いたしまして」と仰っている。"先生"などと言われたのは教育実習かアルバイトで家庭教師をしていた時くらいのもの。ちょっと・・・というか先生と呼ばれることに"慣れて"いないのだ。それでも、「はぁ・・・ありがとうございます・・・・」と答えたが何故か不思議でしようがない。
  「実は、吉田先生のプログの中に出てこられる櫻井先生とは・・・・」という一言を聞いて"来たー"と思った。プログを読まれた方で、霊能者の櫻井友子さんの問い合わせの多いこと!多いこと!。「是非、ご紹介して欲しい」と言われてもホイキタ!とはご紹介は出来ない。中には、ご自分の携帯電話番号を仰って、櫻井先生から電話をかけるようにという方もいるし、いつまでも本名というがプロフィルを仰らない方もはっきり言って困る。
  しかし、皆さんはだいたい「ある事」に悩まれていて、多分、いろいろとあちらこちらに、ご相談されたが解決出来ないのだろう・・・そう察する。今は、修行に修行をつまれて「昔とは違うのよ、ふふふ」と櫻井先生は笑うが、実にお忙しく全国をまわられている状況だ。大変な「ある事」にどうしてよいのやらと思った時、気持ちはわかるのだが、やはり一呼吸おかれ、そして、先ずは相手の事、つまり櫻井先生の事も慮って頂ければと思っている。

  この世は本当に不思議なことばかり起こる。生々しい現実を生きていても不思議なことは多々ある。しかし、それを解決できないのはしようもない。普通の暮らしをしているのだから。修行もつまぬ私など何も言えない。
  しかし、年々、何か研ぎ澄まされていく櫻井先生は、パワー漲る感がするのは確か。「いろいろ書き溜めているのだから、いち子さん、まとめて頂戴よ」と以前言われたことを完全にサボっている。いや、サボっているというよりその"時"には必ずするつもりでいる。櫻井先生、暫しお待ちを・・・・・・、

  

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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