ch10.生活: 2007年8月アーカイブ


   新聞社を退職し、暫くフリーライターの期間に大変お世話になった東京ライターズバンクというところがある。代表は朝日新聞出身の児玉進さんだが、人脈の広さもそしてパワフルなめるまが発信にはあたまがさがる。
  執筆代行業というのがうけている?らしい。近々、「団塊世代のための 執筆代行業即席開業術」セミナーが開催されるという。一瞬、?と思ったが、年間に1000件近くの執筆依頼の中で300件近くが執筆代行の仕事だという背景があるという。そして、いまやときめく団塊世代を中心に続々と登録しているという実態が面白いではないか。

   『執筆代行業は朝鮮戦争時代の渋谷・恋文横町が有名です。朝鮮戦争に従軍している米軍人に恋人の日本女性が送るラブレターを代筆する業者がこの一角に大勢事務所を開いていたそうです。
それから60年たった今でも執筆代行業はリタイアしたサラリーマンの副業として人気があります』という児玉さんの文章のはじまりの面白さ。いつも、一人で読んでいてもクスクスッと笑ってしまう面白みがある。
 
  そして「夢のような依頼」や「抱腹絶倒の依頼」があるということで、事例がこまかーく紹介されているのだ。たとえば・・・
「何週間でも屋敷に滞在して自由に取材してオレの一生を本にしてほしい。その間の飲み食いはもちろん自由だし、経費も青天井無制限で請求してくれ」「卒論を代筆してほしい」(これは某新聞でもニュースになったらしい)「ヒューマンドキュメントの公募に応募するので書いてほしい。一等賞金の1000万円を山分けしよう」(これは波乱万丈の主婦さかとか?)「車と女で過ごしたオレの青春を小説に仕立ててほしい」(20代のリッチマン)とまあ、人生の縮図というかなんというか。なんだかんだと均衡をたもっているこの世の需要と供給。

ch10.生活 : 飽食そして餓え


  飽食の時代はまさに日々「食欲」との闘いだ。今、某食品メーカーからダイエット食品のモニター調査の仕事をしているが、モニターの皆さんの日々の食事をみていると本当に感動するほど面白い。とくにダイエットの期間は管理栄養士というプロの指導もついているので、一食一食に神経をつかうからだ。自分流にしていると、日々の食事の献立も、また肌の手入れもいいかげんになるものだ。いつまでも綺麗でいるためには、自然に流されていてはだめだ・・・ということがはっきりと分かる。
  それにしても、欧米もだが、日本人も本当にダイエットに励む女性が多い。女性の話題に「ダイエット」というキーワードは欠かせない。これまでにも座談会やインタビューもしてきたが、本当にみんながダイエット博士というほど知識がある。驚くほどだ。というのに、ダイエットの話題は尽きることがない。飽食の時代、国であるからだ。飽食であれば、永遠に人々はダイエットをし続けるだろう。

  南アフリカ,カラハリ砂漠の奥地に自生するフーディアという多肉植物がある。これは,カラハリ砂漠の先住民が長い間食用にしたもので長い狩猟期間の餓えをしのぐために食べられたものだが、このフーディアを取り入れたダイエット商品も多々あるようだ。豊富な水分とミネラルが含まれているらしいが
このフーディアに含まれている成分は脳にブドウ糖が入ってきたと錯覚させることで満腹中枢を刺激し,満腹感を感じさせるというもの。つまり脳の視床下部にある神経細胞に働きかけ,食欲を抑制するのだ。その力は,ブドウ糖の1万倍ほどだというから、食欲を感じない期間は長く続くだろう。しかし、狩猟時代もおわり、日本に比べればずっとの質素というか貧しい食事をしているカラハリの人々のレポートを見た時、世界のどうしようもないアンバランスを感じる。何十キロも歩き、やっと見つけたフーディアでしばし、家族の餓えを凌ごうといている。まさか、この成分で食べすぎをストップさせようとしている人々の生活など彼らは想像も出来ないだろう。この地球上の、なくならないアンバランス。

ch10.生活 : ブランドのちから


    例えばケータイ電話で、「最近はバッテリーがもたないんだよ」「もう1年半経ったからかな」なんて、機種変更をする人が私の回りでも実に多い。先般も、ケータイは「一年くらいを目安の買い換える方が多いですよぉ」なんていうことを販売店の人に言われた。なんだか、納得できない気持ちわいつも持っている。モノを大切に、何年も壊れるまで大事に使うというものでなく、そんな時代ではないということか。進化し続けるケータイ生活を楽しんでいるのだが。
  テレビ、音楽、カメラ、お財布の機能までとショップで商品を見ているとあまりの進化ぶりに呆気にとられるばかりだ。最後は、デザインやカラー、昔から好きなブランド・・・・となるものだ。

  
  松下電池工業(松下電器産業の全額出資子会社)はフィンランドのノキア向けに製造した携帯用リチウムイオン電池4600万個に発熱する恐れがあるとして、全世界を対象とした無償交換に踏み切ったという。なんとその交換費用は200億円をゆうに上回るといわれている。
  松下電器は。以前、石油温風機による一酸化炭素中毒事故、また電子レンジや冷蔵庫でも発煙、発火のおそれがあるとして回収作業や部品交換など、このところトラブル続きだ。しかし、今回のリチウムイオン電池のトラブルは松下が最大規模のトラブルとなった。 これまでのニッケル水素電池に比べるとリチウムイオン電池は機器の薄型化や高性能化を見事に実現させてきた。つまり。現段階では発火・発煙という危険性を含みながらもこれに換わる小型電源がないというのが実状。

   私たち消費者は日々、パソコンにしてもケータイにしても「進化」を享受している。その中で、確かに
松下というブランド力は、消費者の中にしっかりと根付いている。だが、この「ブランド」というものもあくまでも品質の管理を怠ると失墜していくものだ。ブランドの信頼性は・・・・なんとも脆弱なものがある。

ch10.生活 : 招かざる客

  
  連日の猛暑で海水浴客は増えている。夏休みは海や山でもいろいろ事故が起こるものだが、静岡県伊東市の宇佐美海水浴場の沖合でシュモクザメが捕獲されたというニュースには驚いた。4日から目撃情報があって、一部区域を遊泳禁止にしていたそうだが、背びれや尾ひれが見えている映像はさながら映画「ジョーズ」を思わせる。「ジョーズ」のモデルになったホホジロザメなどに比れば大人しい性格と言われるが体長が約3.5メートルというが、もし自分の近くに泳いでいたら、もう恐怖で身動きできなくなるだろう。シュモクザメは熱帯海域に生息するサメで、国内では琉球諸島や南日本太平洋沿岸で見られるという。これもまた、地球温暖化の影響だろうか?
  漁師さんが「一突き、二突きしたよ」と言っている。もう息絶えたシュモクザメの哀れなる姿。せっかくの夏休みに海で楽しく泳げずに、ただ波打ち際で遊ぶ海水浴客にとっては招かざる客であろう。しかしシュモクザメにとっては、まさかの漁師の一突き、二突きであっただろうに・・・・・

ch10.生活 : いつも貧乏、時々贅沢

 
  TBS系列で放送している「ネプ理科」(情報センター出版局)実験室が出版されたので、早速読んでみた。お笑いのネプチューンが面白おかしく「理科」を楽しませてくれる。学生の頃から、一番好きな教科は理科だったので、今でも書店に行くと自然科学系の書棚に向かってしまう。
  若者にしか聞こえないモスキート音の検証はなかなか。これは、17歳から33歳まで聞こえる魔法の音。どんなに耳をすませても、その魔法の音は聞こえなかった。ああ!33歳はとうに過ぎているもんね・・・・。
  金沢工業大学バイオ学科で神経行動学、神経生科学を教えている長尾隆司さんの日々実践している2時間睡眠のコツから始まりこおろぎの生育環境と生命力の関係実験では「殆ど貧乏、時々贅沢」が一番生命力が強く、一番弱いのは「いつも贅沢」という結果。厳しい環境と逆境こそが強い生命力を育む原動力となっているということ。思わず「ガッテン!」と叫びそうな面白さだ。

ch10.生活 : 太陽と風


  毎日、蒸し風呂のような中を仕事で歩き回っている。汗が噴出している。そして、会議・打ち合わせなどというとキンキンに冷えたところで何時間もいる。そして、また、強い日差し、蒸し風呂のような中を歩き・・・・。都会の気だるい空気を感じる。
  はて?昔はこんな“空気”だったか?と思う。日中、どんなに日差しが強くても、夕方になると、すうっと涼しい風がふいていた気がするのだが。
  今は、一部屋にエアコンがあるのが当たり前の住宅環境だ。いくら、設定温度を上げてとはいうものの、このエアコンの普及は想像出来なかったあの頃の夏。


   今、私たちが理解していかなくてはならないクリーンエネルギー。有楽町マリオン前広場にモデル設置された風力・太陽光発電型街路灯。垂直軸型風力発電機「シグナスミル」は航空工学を応用して設計され、風速1メートル程度の微風でも起動するという。1日の予想発電量は携帯電話138台をフル充電できるほど。しかし、災害時の非常用の電源として確保もできるらしい。


  我が家を眺めながら、私は北風と太陽の話を思い出す。そして、太陽と風をいつもいつも利用したいと思っている。なのに、「でも・・・」と思う。その疑問をひとつひとつ解決していければ、もっともっとマーケットは拡大するだろう。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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