ch10.生活: 2007年12月アーカイブ

ch10.生活 : 品格


   仕事上、いろいろな方々と出会う。女性の社会進出だといわれて随分時間が経過しているものの時々、あれれ~と思うことも多い。
  「勝ち組」「勝ち組」を目指し、出世したい、権力を得たい、収入アップ!は別に悪いことではない。決して否定はしない。しかし、何かが変わってきている・・・・・


  先般もある方がある女性をさして「ああ!全く!彼女には"女性の品格"でも読んでもらいたいものですね~」と少し投げ捨てるように言った。かなりいろいろな問題が山積みしていて、仕事上、焦燥と疲労困憊の中で、感情の高ぶりもあったのかも知れない。彼が投げ捨てるように言ったことにその時、同感はしなかったが・・・・やはり今や坂東眞理子さんの「女性の品格」は教科書とでもいうべきなのだと改めて思った。既に200万部も突破している本だ。強く、優しく、美しい女性になるための66の法則。約束を守る、人に擦り寄らない、プライバシーを詮索しない、良いことは隠れてする、恋をすぐに打ち明けない・・・・よく考えてみれば、当たり前の事に気付く。しかし、読み進めてみれば、涙が出るほどに感動する。当たり前の事が当たり前に出来る人。果たして品格をもった女性はいるのだろうか・・・・・なんて。


  中学生の頃だったか?礼法の授業があった。先生が教室に入ってこられると最初にいつも「皆さんのあしもとを見て下さい」と言われた。ひとつ、ひとつ、床の塵を拾った。そんな積み重ねの中で、床のひとつひとつの塵にも気付くようになっていった。最近になって、人には何が大切なのか?本気で考えるようになっている。


  そうか・・・やはり「親なのか?・・・」と思っていたところ、今度は坂東さんが親から子に伝えておきたい66のことをまとめた「親の品格」が発行された。当たり前の事、もう知っている事・・・・今、忙しくて、それどころじゃぁ!などいろいろ言いたいこともあるだろうが、やはり、品格のある国づくり、人づくりのためにも、初心にかえって一歩一歩を。


ch10.生活 : あっ!そっか!


   少し、遅めのランチをとるために地下街のイタリアンレストランに入った。奥の席に座り、ガサガサと書類を出しながらチェックし始めた時だ。
  「だから、信じられないのよ」と甲高い女性の声が耳に入った。それほど気にしていなかったのだが、隣りに二人の女性が座っていた。そのうち一人の方が必死にもう一人に話しかけている。
  「あっそっか・・・・なのよ!信じられる?信じられないでしょ」と語気が荒い。それからというもの、彼女は会社の誰かが言ったであろう「あっそっか」という言葉に対して不満を言い続けていた。
  ようやくパスタがきた。するすると食べながら、何故、彼女が「あっそっか」にこれほどまでにアタマにきているのかを考えていた。多分、彼女より後輩の若い女性なのだろう。先輩の彼女に対しては敬意をはらって「ああ、そうでしたか!了解致しました。私は気がつきませんでした!本当に有難うございました。」なんて言えば良かったのか・・・なんて考えていた。
  

   夕方、新橋のカフェで待ち合わせをしていた時、やはり隣りの二人のサラリーマンの一人が何か激怒していた。耳をすませると、どうも誰かのものの言い方が気に入らなかったようだ。
  「聞いてくれよ、あーそーですかーだよっ!あるかぁ、そんな言い方が!」とかなり立腹している。顔が紅潮している。よりによってなんで今日は・・・・と心の中で思った。ちょっとしたものの言い方が気に入らなくて、人をこれほどまでに怒らせることがあるものなのだと改めて認識した。

  言葉とは言霊。使い方によって本当に人の気持ちを変えていくものだ。人間関係を壊す武器にもなるし傷ついた心を修復することもある。仕事場では、スムースに仕事が進んでいく原動力にもなるものだ。
  慌しい師走だからこそ、ちょっとした「言い方」に腹がたってしまったのかも知れないが、メールも含め、言葉の使い方にはいつも気を配っていこうと思った。


ch10.生活 : 偽・・・・・


    日本漢字能力検定協会が募集する「今年の漢字」が発表され、今年を象徴する一文字が「偽」と決まった。ちょっと前から予想していたものの、予想が当たって、何か漠としたものを感じる。
    まだ数多くの食品偽装事件、接待だゴルフだの防衛省の汚職の数々。これではいけないのだが、本当に偽装偽装の一年であったようだ。
   師走もおしつまってくると、気忙しさの中にほっとしたものを求めてしまう。ひもとけば・・・・・シドニーオリンピックで、女子柔道の田村亮子、マラソンの高橋尚子が金メダルを獲得した2000年の「金」。北朝鮮に拉致された日本人5人が帰国の2002年の 「帰」。 紀宮清子内親王と黒田慶樹さんが結婚された2005年の「愛」など、漢字ひとつが持つ意味は深い。2008年こそ、いやこれからは何かほのぼのとした漢字で締めくくりたい。


 


ch10.生活 : 幻のオペラを堪能して

   土曜日の昼下がり。上野駅から暫く落ち葉をふみしめながら歩いていく。すっかり秋が深まった・・・そんな風を感じながら。
  明治23年に建てられた旧東京音楽学校奏楽堂は重要文化財にも指定されている建物だ。その風格は秋の風景に本当にしっくりと佇んでいた。まるで一枚の絵のようだ。

   幻のオペラとも言われる岡倉天心原作の『白狐』」が上野の旧東京音楽学校奏楽堂で上演された。これは、岡倉天心唯一の戯曲である。今年120周年を迎えた東京芸術大学と台東区の共同企画だ。
  近代日本美術の発展に功績のある岡倉天心であるが、ボストン美術館の中国・日本美術部長を務めていた晩年に台本を英語で執筆。完成していたもののその後、病に倒れ、全三幕が上演されたことはなかったという。まさに世界で初めてのことだ。曲はつけられていなかったこの作品にボストン在住の作曲家である戸口純さんが曲を手掛け今回も全編通しての初上演となっている。演出は東京芸大の准教授・大石泰さん。日本舞踊とや西洋のダンスの見事なコラボレーションであった。

旧東京音楽学校奏楽堂

ch10.生活 : 未来のパートナー

 
   その夜、テレビのニュースを見ながら、しばし口をあんぐり~。スゴイ・・・・。ロボットがヴァイオリンを弾いている。その見事な演奏ぶり・・・・。段差も軽々越えている。まさか?人が入っているの?このところ、脚の不調でギクシャクギクシャクとみっともなく歩いている人間の自分より、軽快な動きではないか! 
  

   トヨタ自動車がロボット分野で今、加速している。福祉分野などで人を助けする次世代の「パートナーロボット」だ。今や、トヨタはロボット事業を中核事業と位置づけ、ロボット開発で得た技術を将来のクルマ作りに役立てるそうだ。実用化は2010年?!早すぎる!家事、介護・医療、製造などの実用化計画があり、それぞれの分野でいろいろなロボットが開発されていくそうだ。
   今後は、ますます進むであろう少子高齢化。労働不足を補いながら家事、介護、そして医療にいたる広い分野で人を助け、共生していく次世代ロボットへの期待は大きいものがある。
  妙?な感情もださず、文句も言わずテキパキ、サクサクと家事をこなし介護までするロボットが登場した場面をちょっと想像してみた。やはり、想像をぜっする社会だ。もう何十年も何十年も前に科学技術館で見て興奮した「未来の生活」には、こんなパートナーは出現していなかった。



   ジャズピアニストの河野康弘さんかんらパソコンにメールが届いた。コンサートのお知らせ。♪♪~の気分でアップ。ケータイにメールが届くのは「今、~へ向かう新幹線の中でーす。富士山が綺麗でーす」なんて車中から気楽にメールのものが多い。これまた、嬉しいものだ。


   「思い切って電話して良かったです!楽しみにしています」と昔、コーチングを一緒に学んでいた仲間からケータイにメールが入った。明後日の夜、久しぶりに皆でワイワイ会うことになった。夜景の綺麗なレストランを予約した。「急にね、会社を設立したんだ!」という彼女の話をたーくさん聞くつもりだ。私が出来る限りの応援そして協力を惜しまずにしたい。
   相手が忙しいんじゃないかどうか?人はあれこれ考える。会いたい、相談したい、話したい・・・・目的はいろいろ。相手に悪意のあるもの、迷惑がかかるものでなければおおいにしていいのではないかって思う。日本人(決めつけか?)はあれこれ気兼ねが多すぎるような、そんな気がする。いろいろな情報や、手紙、贈り物、そして日常のケータイメールなど、クイックとまでいかなくても、何かしらのRe!はしたほうがいいと思う。エクスキューズ言っても言わなくても人間としはとるし、月日は経つものだ。「元気?」「どうしてる」「会おうよ」「飲まない?」「一緒に如何?」「相談したい」もう何だっていいと思う。要は・・・・・コミュニケーション。

・・・・・ということで、河野康弘さんのコンサートスケジュールです。お近くの方は是非どうぞ!河野さんのピアノはいつも♪ワッハッハ!♪ですから。

2007年のスケジュール
12月07日(金)07:00~広島県広島市赤心紹介6階「積極人間の集い」 17:30~山口県下関市蓋井島蓋井小学校(問)0832-86-6279(蓋井小学校)
12月08日(土)13:00~山口県長門市(問)080-1919-2675(中川)
12月09日(日)13:00~島根県大田市あすてら(問)0852-27-5803(島根県母親委員会)
12月10日(月)13:30~広島県東広島市社会福祉法人「六方学園」(問)082-425-1015(六方学園)
12月11日(火)10:30~広島県東広島市社会福祉法人平成会「西の池学園」(問)082-434-0405(西の池学園)
       13:50~広島県東広島市立小谷小学校「やまびこ学級」(問)090-2299-9454(竹元)
12月12日(水)13:30~広島県東広島市社会福祉法人「ときわ台ホーム」(問)082-420-9200(ときわ台ホーム)
12月13日(木)18:00~愛知県名古屋市「MUSIC Bird」(問)090-3308-5287(樋口)12月14日(金)13:00~岐阜県岐阜市(問)058-273-1370(音楽療法士協会)
12月15日(土)10:00~愛知県名古屋市(問)080-3613-0788(柴田)
       18:30~兵庫県伊丹市稲野小学校(問)072-781-8030(伊丹太鼓の会)
12月16日(日)13:45~大阪府羽曳野市市民会館3F(問)072-957-1114(南河内子どもステーション)
       15:45~大阪府羽曳野市市民会館3F(問)072-957-1114(南河内子どもステーション)
12月18日(火)11:00~群馬県片品村鎌田児童館(問)0278-58-2348(笠原)
12月19日(水)18:00~東京都日比谷帝国ホテル東京新橋ライオンズクラブ(問)090-4932-0662(前田)
12月20日(木)13:00~東京都武蔵野市北町高齢者センター(問)0422-54-5300(北町高齢者センター)
12月21日(金)19:00~東京都国立市ムサシ楽器2F(問)080-6553-0693(相京)
12月22日(土)15:00~東京都港区NPO・SKILL CAMP(問)080-6505-8700(矢嶋)
12月24日(月)18:30~長野県伊那市長谷道の駅メルシー(問)0265-98-3037(指田)
12月25日(火)18:30~福島県郡山市細沼協会(問)0247-75-3588(浅田)
12月26日(水)13:00~東京都渋谷区恵比寿ウフル(問)03-5725-9036(ウフル・米田)

ch10.生活 : 夢を一つずつ

   ご縁をいただいてから、何度か大学のマスコミ就職講座に講師として仕事をさせていただいている。今夜も某大学の講座を受け持ち、帰宅した。
   キャンパスにはクリスマスのイルミネーションが輝いていた。校門から警備の方に案内された。「きれいですね!」というと、「そうですね、でもクリスマスともなると学生さんたちはもうまばらで・・・」と笑っていた。

   午後6時からの授業。黒板に白墨で書く。白墨なんて・・・・もう何年ぶりのことか?カシッカシッカシッと不思議な感覚だ。社会人になってからはホワイトボードばかりだったし。背中に学生さん一人一人の視線を感じる。大学4年の時だったか、教育実習の時に黒板に白墨で書いて、心の中で"ああ、かきじゅんを間違えたら大変だぁ"~と緊張した日の事を思い出した。教員室に戻った時に「とてもユニークな授業でした」と担当の先生に言われたことも思い出していた。
   就職問題、そして将来の事。熱気ある質問と相談か飛んできた。ひとつひとつに丁寧に回答を見つける。昨日、終了したこれもまた某大学の就職シートの添削も、一枚一枚に心も全てをこめて添削指導をした。専用に買ったばかりの2本の赤いボールペンのインクがなくなった。いつもパソコンでの作業に明け暮れている日々の中、ボールペンのインキが切れるなんて最近は経験したことがない。こんな話を娘に話したところ「それはスゴイかも!。最近はないなあ。そういえば、私も受験勉強の時は、いつもスペアを揃えていた!あの時は勉強したんだなあ~」と言っていた。教室、黒板、そして白墨。そして赤いインクのなくなった二本のポールペン。この何日か、とても不思議な感覚を味わっている。


   スクールバスを降りる。夜の冷たい風の中、駅に向かって歩く。急行に乗り揺れる車内で今日、会った学生の一人一人の顔や声や表情を思い出してみる。みんな全員頑張って、夢を一つずつ実現していってほしいと心から思った。

  
   いよいよというか、2007年も師走突入。毎年、思うことなのだが、12月はなんとも気ぜわしい月だ。来年1月にとか2月になって・・という仕事でも、何か次の年に向かうのに、険しい山を越え、大波越えて~という感覚がある。ほんのひと月、ふた月というのに、これは不思議な感覚だ。


   先月17日に行われた会合の写真が送られてきた。皆が元気そうな笑顔だ。しかし、その中のひとりは翌日、脳梗塞で倒れ、今は入院中。元気にポーズをとっている姿がある。そして、ここの会場を紹介してろいろ料理の手配をしてくれた人間も、3日ほど前に漸く連絡がとれた。約20日間、全く音信不通が続いた。それからというもの、友人たちとは「まさか?」「もしや?」の話しばかり。たまたま20日間というが、毎日毎日携帯電話も住まいの電話も繋がらないのには、いささか皆の顔にも不安のかげがあった。「どこかで・・・」というと、高校時代から一緒の友人は「あいつは自殺するような奴じゃない!」と語気を強めていうが、「もしや・・・」と言葉を続けた。漸く電話で連絡がとれた時、悪かったと詫びはいれるものの、実は・・・・の話。いろんなことがあったのだろう。
  師走になって、所謂、熟年離婚が2組。なんと気ぜわしいことか・・・。しかし「ずーっと話し合いが続いてね。漸くここにきて」という話しばかりだ。男達は皆、女房に家を渡して、新しい世界に小さく羽ばたく。しかし、もう皆が若くはない。転職組も退職組も、全く新しい生活に突入だ。「玄関に緊急連絡先を大きく書いておいたほうがいい」と伝える。60歳になったら一年先、70歳になったら一ヶ月先、80歳になったら一日先の事を考えておくといい、そんなことを聞いたことがある。


  師走はいろんな"出来事"や"しがらみ"などを削ぎ落とし、そして新たに次にステップすることを祈るしかない。病とも闘いつつ。2008年に向かい、なんとも険しい山、大きな波が見えてくる。 

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プロフィール

ichiko.tv

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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