2005年12月アーカイブ


   2005年もあと僅かとなった。今年一年を思い出して見ると、ひとつ作品が書けるくらい「激動」だった。本当に個人的なことだけれど。単行本を何冊か作って、本当に一部地域に集中している地域新聞の編集と営業を体験して。そして、もう10年くらい前からずっとずっと作りたかったミドルをターゲットとした生活情報紙を創刊することが出来た。昨年の今頃のことを思い出せば、全く夢のまた夢だった。不思議な一年を過ごした。「知らなかった人」と出会い。そして「知り合い」になり親しく、そして助けられている。本当に感謝の気持ちでいっぱいの年末だ。


  
  昨日は一応、仕事おさめ。 午前中に取材、そしてランチミーティング。夜は友人と久しぶりの店を訪れて飲んだ。古民家風の店内のランプの仄かな明かり、そして柱時計の時を刻む音で心が安らいでいく。振り返って、いろんな話をした。カウンターに二合徳利が並んで・・・・。そして夜が更けていった。 
 

  この年末はほっと心やすらぐ。いろいろな気づきがあったからか?
そんな中で、いつになく落ち着いて家事もこなしていく。正月飾りは遅くとも12月30日までには飾り付けしないと。一夜飾りはだめだ。気がつけばやらなくてはいけないことが沢山。でも、そんな忙しさの中に「日本」を楽しむことが出来る。例えば、門松は年神様を迎えるためのもので室町時代には南の庭に1本立てていたといわれる。家の門口に1対の門松をたてるようになったのは江戸時代になってからのことだ。
  先日も「江戸時代は文化の基本だよね」なんて友人と話していたが、松や榊など神聖な意味をもち、竹が長寿のシンボルであることを伝えていくなんて本当に「日本」の素敵な文化なんだ。家の中に不浄を入れないための注連飾りなど、飾りながら、気持ちが凛としてくる。
  そして、そろそろ新しい年への願いをこめてお節料理の準備に取り掛かろう。そもそも節供とはもともとは神様へのお供えのことだし、お節料理は正月や節句に作る料理のこと。高級なお節料理の詰め合わせが売れに売れているようだが、今時流に乗っている「食育」を伝える絶好のチャンスじゃないか?
  勿論、幼いころは親が何を言っているのか、あまり深くは考えていなかったが、「黒豆はね、まめに働くように食べるのよ」なんてこと、今思い出せば、本当に素晴らしい食文化をあの時代に教えてもらったと、親に感謝する。数の子は子孫繁栄を願って、五万米は豊作を願って、そして、お金が貯まるようにきんとんを丁寧に作ろう。クチナシであの鮮やかな色艶が仕上がる。将来をしっかり見通すために蓮根を、無病息災を願ってたたきごぼうも作ろう。喜びごと多いことを願って、昆布巻も目出度い。さあ、喜びを詰めよう。
  

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   この季節になると年賀状欠礼のご通知をはじめいろいろ届く。キリスト教徒でもないが、メリークリスマス!から始まり。なんともトラストスパートかけられて。
  電子メールでもいろいろ届くが、その中で今日はなんとも夢心地になるものを頂いた。今、編集をしている新聞に毎月、コラムを書いていただいているサンディエゴ在住の印象派画家の弓さんから。
  真っ白な雪景色、家々の窓に明かりが灯り・・・・そこへ犬がやってくる。犬はころころと雪だるまを作り始める。そのうち、雪だるまが自分と同じくらいの犬になっていく。夜空には星がキラキラと煌き、そして、流れ星が。なんと沢山のプレゼントが届けられて・・・・パソコンの前で、クリックを続けながら私は子供のようにはしゃいでしまった。笑みがこぼれてしまうメールだった。
  嬉しくなって「ありがとう、弓さん。来年も宜しくね」と返信のメールを書いた。
  


  明日はクリスマスイブ。この季節、街は華やかなイルミネーションが夜景に彩りを添えている。今日23日でなんと47歳になつて「東京タワー」。ここも毎年のことながら、ライトダウンショーが訪れた家族連れやカップルを喜ばせる。そして、明日24日には丸の内の光の祭典「東京ミレナリオ」が開幕する。横浜港の象徴の横浜マリンタワーも来年早々45歳になる。
私も含め?ふふふ、みんな年とったね。でも年末はウキウキ、キラキラちょっと輝いていよう。

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  電車に乗って、雑誌の中吊り広告など見ていると、時々、敢えて他人にたずねることもなく、自分で調べることもなく過ぎてしまうことがある。
  今日の午前中も、クライアントとの打ち合わせが終わり、ほっとお茶を飲んでいる時だった。「いち子さん、セレブなロハスってどんな意味なんですか?スローフライフとロハスの違いってなんですかぁ?」といきなり聞かれた。しばし、硬直。
オフィスへの帰り道にその道の専門家にメールで聞いてみる・・・が。プレゼン直前なので、彼も大慌ての様子だ。ただ「吉田さん、スローライフじゃなくて、スローフードのことでしょ?」と問い直される。「そうそうそう・・・」
〔おいおい、またもや曖昧に頷いてしまっているよ・・・・まずいなあ〕。
 

   本当に最近雑誌紙上をにぎわしているコトバのひとつ。「ロハス(LOHAS)」。環境と健康的な生活を維持するという意味の言葉。書店にもロハスを扱った書籍が多く見られる。関西では来年の初売り福袋として「ロハス住宅」を売り出す百貨店もあるとか。ビジネスの世界でも重要なキーワードなのだろう。健康と環境保全をあらわすキーワードもファッションの一時的ブームで終わるのだろうか。


   酒場のよたばなしとは違うので、彼女にはきちんとした資料をまとめてみようと思う。しかし、いきなり聞かれておたおたしていてもしようがないなぁ。

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  第6回目の神楽坂女声合唱団のディナーショーが昨夜、無事に終了した。今回、初めての会場となった水天宮にあるロイヤルパーク。超満員だった。
  いつもいつも言ってしまうのだが、「継続は力」だと思う。歌声で分かる。勿論、歌のプロが多く入団したということもあるのかも知れないが、そればかりではない。いうなれば、歌に「力」があるということ。技術論ではない世界。それはそれは不思議な世界を感じる。
  プロの歌手には出来ないというか、いや・・・・なんというのだろうか?ソプラノ、メゾ、アルトの歌声が神楽坂ならではの世界を繰り広げているのだ。それは「力」なのだ。迸るパッションみたいなもの。6回目にして、私は初めて気がついた。歌う曲の難易度について、妙にナーバスになっていた時期があったからだ。


  素人ではあるものの、高校時代は声楽を少しだけかじった。コールユブンゲン、コンコーネ・・・懐かしい響きだ。 歌は昔から好きだった。大学になってからはそれまでは無縁だった「演歌」にのめりこんだ。これまた、不思議な出会い。独特の「和音」に惚れた。
  そして、社会人になって、カラオケばかりでなく、カツ代さんに誘われて、この「力」ある合唱団に入団した。6回目にして、なんといいことに気がついたのだろうと、帰り道、うれしくなって、一日の心地よい疲労感に酔っていた。いつもながらのクリスマスソングであっても、難易度、レベルアップした曲ばかりに拘泥することなく、自然体で進んでいこう。
  そして、何よりも「力」あるステージが無事、割れんばかりの拍手喝采の中で終了したことをカツ代ちゃんに伝えなくては。

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   師走。20日は神楽坂女声合唱団のディナーショーだ。今年で6回目となる。やはり「継続は力」だ。メンバーは本当に忙しい仕事の合間にレッスンを重ね、夏には合宿もして歌のレッスンをする。誰もが本当に忙しい時間の合間に、レッスン場となるオペラシティのリハ室に集合するのだ。でも、なんかみんなウキウキ顔。ほっと童心にかえったようになっている。


  「この指とまれ」で小林カツ代さんが言い出して発足した神楽坂女声合唱団。2000年の春のこと。思い出すととにかく懐かしい。
  あるお店のカウンターの上にメモ帳を出して、「この人にも声かけてるのよ」なんて指差しながら説明してくれた。「えっ!メンバーって料理関係者だけじゃないの?」という問いに「何いってんのよぉ。動物愛護に賛同してくれる人ならね!」と答えたかっちゃん。

  昨年末、ディナーショーが終わってほっとした頃。浅草の観音様におまいりに行った。それぞれがいろんなお願いをして。釜飯食べて、あわぜんざい食べて・・・・きゃあきゃあ涙ながして笑って、笑って。

  今年も、みんなのいろんな、たくさんの願いがこめられて、ディナーショーの会場には元気な声が響くのだろう。歌声、笑い声が響いて2005年ももうすぐ終わって。。。。ね

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   その事件はいきなり起こった。私は目の前で次第に動かなくなり、消えていく画面を見ていた。茫然自失状態。しばらく、言葉が出ない。「どうしよう・・・」という気持ちから、その出来事に対応することが瞬時には出来ず。

 
  「バックアップはとっていなかったのですか?」
  と私のノートパソコンを点検しながらパソコン店の男性が言う。
  「ええ・・・・」
  「は?とっていなかったんですかぁ?」
 

 
   先週の土曜日の午後、取材先に次女からケータイメールが届いた。
「なんかパソコンが変」と書いてある。就活でインターネットを使っている時に「変」なのだという。どう変なのか?分からぬまま、取材は夜まで続き、この日は帰宅が遅くなった。翌日、日曜日の朝、メールをチェックしたが、なんとも・・・・やはり変・・・・・何かが違う。動揺。
そして、暫くして、全くたちあがらなくなった。
   「全く原因不明ですね。修理にだしますか?」という店員の声がまた頭を掠める。「初期の状況にはもどると思いますが、データはなんとも・・・・どうしますか?」と言った言葉に私は首を横にふってしまった。


  なんと非力なのだろう。この二年近く書き溜めた原稿やデータが一瞬のうちに消えてしまった。出版されて、単行本になっているとはいえ、何とも切なく、悲しい。
  勿論メールアドレスもいろいろなメモも全て。考えてみれば、もし、ケータイのデータも一瞬のうちに消失してしまったら、ぼろぼろのアドレス帳を出さねばならないのだろう。
  毎日、毎日、情報の海を泳いでいる。パソコンに向かわない日はあまりない。
でも、全てなくなったその時にふと思い出した。
  納戸の中に既に封印してしまった手書きの原稿や論文。もう、二度と見ないだろうと、それらは、祖父が洋行した時の皮製のトランクに封印してしまった。原稿用紙に万年筆の黒インキで書かかれているものは、端が紙縒りで綴じられている。
  こうしたものは、多分、相当な覚悟をして捨てない限り、私の傍にはあるのだろう。
なのに、毎日親しみをこめて向かっているパソコンの中のデータは、一瞬にして、いとも素っ気なく、あっという間に消失し、そして、もう戻らないのだ。


  今、新しいパソコンを起動しながら、恰も昔の恋人のことを思い出す様に、ふっと溜息が漏れた。

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    今年も準備万端?にインフルエンザの予報接種をした。「吉田さん、今年は2回の接種だよ」と主治医が言っていたが、今週末に2回目の接種という時期になって、どうも風邪をひいた。変だな・・・と思った一週間前。思い出せば、胃の具合が悪いと思って液体胃薬を7本近く飲んでいたことさえ「変」な行動だった。カラダの中でも超弱ーい「気管支」をついにやられた。いつもは声も大きいのに、一度やられてしまうと、もう止まらぬ咳と痛みが続く。声が出ないのだ。ようやくヒィ・・・くらい。
  休んでいると友人からケータイが入った。とりあえず出ると私の声を聞き「変じゃない?」と案の定。「具合でも悪い?」というから「分かるでしょ!この声で!」と言い返すが迫力ゼロ。こんなに話をするのが辛いのかと思ってしまう。「弛んでるから、風邪なんかひくんだ。僕なんかひいてる間もない」とこの時とばかりに悪態をつく。環境のせいにはしたくないが、年々、東京の空気は汚染されているのだ。決してきれいなもんじゃない。  


   しかし、中国では今、年間約40万人以上が大気汚染が原因で死亡している。世界のワースト十都市に中国の七都市が入るほどの悪化なのだ。政府は環境保全に日本円で18兆2000億円で抜本的解決をしようとしている。
  2003年に入り、大気汚染の影響が顕著になってきている。空気汚染による「死」はさらに増え続けるといわれる。大気汚染は肺炎、そして心臓病も引き起こす。
主に火力発電所や工場、自動車などから排出される硫黄酸化物、煤そして、粉塵など。屋内の汚染は、調理や暖房に使われる石炭が燃焼したことによって排出される二酸化炭素や一酸化炭素などが原因だ。中国の環境団体「グリーンピース・ペキン」によると、世界の大気汚染都市ワーストテンに山西省臨汾、陽泉、大同市と、甘粛省金昌市、四川省宜賓市、湖南省株洲市、重慶市の七都市が入っているらしい。とくに重慶市では酸性雨の問題が深刻。雨水をなめた場合に酸味を感じることも多くなっているとか。もちろん、農作物にも被害が及ぶだろう。排煙量、硫黄酸化物、窒素酸化物の排出を低減する新しい燃焼技術の緊急な導入が必要だろう。


  こうして体調が悪くなって初めて「大気」のことに気付く。安全は永遠ではなく、常に危機感と問題意識を忘れずにしないと。汚染された大気に蔓延するウイルス。人ごみは避けて・・・とはいうものの避けてばかりでは生きられず。自己免疫力のアップをはかるしかないな。

 

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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