2005年3月アーカイブ


   今、阿佐ヶ谷に事務所があるのだが、駅を降りて中杉通りを歩いていくと、ちょっと気になマンションがあった。ずーっとオシャレだなぁ、いいなぁ・・・分譲かなぁ、賃貸だったらいくら?なんて考えながら毎朝、見ていたのだが。。。。今日の昼下がり、私はなんと、そのマンションの一室にいた。

  人の縁とは実に不思議なもので、先日、切型絵染版画家 &イラストレーターのさかもとふささんと食事をしている時、「吉田さん、今、あさがやぁ?あらぁ、彼も確か、オフィスを構えたといっていたから、近いかもよぉ」という話になった。
 その彼とは、大手印刷会社を定年退職し、自分でプランニングの仕事を始めたという鈴木さん。そして、今日、鈴木さんから「今、戻りましたからいらっしゃいませんか?」と電話が入ったのだ。なんと、そのマンションだったのだから感激しきり。

  所謂。デザイナーズマンションというのですか、パティオがなかなかいい。(酔っ払っていたら、多分、墜落しそうだけれど・・・・) そして、室内へ。コンクリートのたたき。思ったとおり。しかし、スチール製の事務机でなく、無垢のデスクが、これまたいい。きちーんと整理整頓されて、暫くすると「吉田さん、コーヒーが入りましたよ」といわれ。ゲラの山積みの私のデスクとは全く逆。もう、理想ともいえる個人事務所だ。そのオフィスにはそれぞれの仕事を持つ仲間が3人いるという。
  
   定年というと、退職金もらって、暫く「充電期間でも」といいながら、結局何も出来ないという人が多い中、「本当に自分のしたいことを、ゆったり仕事できるって、実にいいですよ」という鈴木さん。大阪、仙台などでの転勤生活のお話。地方によってやはり気質が違う。気質が違えば仕事も違うなんて面白い話の数々。そして、過ぎてきたサラリーマン生活の良し悪し。結構、話題盛りだくさんだった。
  そして、仕事はやはり「現場」が一番面白いね!という鈴木さんの元気な言葉を聞きながら、再度「私も生涯現役だぁ」と誓った。勿論、肩の力を抜いて、年相応にだけど。
  

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  何でもほどほどがいいと思うことが最近はかなりある。昨日も友人たちと「夕陽を見ながらディナーでもしよう」ということになった。水平線の向こうに真っ赤な夕陽が沈んでいく様子を見ながら、「いいねぇ」と感動。ビールを飲んでいたわけだが。。。

  友人のひとりが、最近「炭水化物ダイエット」とかいうものにはまっている。いわゆる、ごはんやパンなど炭水化物を全く抜くダイエット法らしい。私も某テレビ番組で取り扱ったダイエット法だということは知っている。「5キロ落ちた」といって喜んでいる。減っていくことが楽しいらしい。
  
  しかし、最近は一緒の食事が楽しくない。料理をオーダーするときに、こちらが妙に気をつかってしまう。たとえば、あんなに大好物だった鮨もパスタもピッツアもすべてだめだめだめ。餃子の皮もだめという。神経質になってしまっている。テレビの力じゃないけれど、影響力があるよねぇ。 帰り際、なんともいえない疲労感があった。楽しいはずの時間を過ごしたというのに。
  

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  郵便ポストに淡い桃色のハガキがあった。馴染みのバーのママからの手紙だった。電子メールのやり取りが多い昨今では、郵便ハガキもなかな味わい深いものだ。


  我が家の庭には、桜というより、さくらんぼの木があり、今は見事に花が咲いている。通りかかる人は「かんざくらですか?」とか良くたずねてくる。先週、ちょっとあたたかになったなと思った日に、ぱっと開花したのだ。そして、5月頃になると、ルビーのように赤く熟した実をつける。
  

  そう、桜の季節になると、ここのママはちょっとセンチメンタルになるのだ。「鎌倉にお墓参りに行ってきました。海を見ながら、しばらく一人でお茶してきましたよ。いち子さま、会いたいですね」と。
  カウンターで、凭れながら彼女は毎年、呟く。父親の偉大さ、そして、あのまま事業が失敗せずにいたら、私はねと。そう彼女が言うたびに私は「人生なんていろいろあっていいのよ」と。でも、桜の花が散るころまで、彼女はずっとセンチになっている。お墓参りの後は特に。

  亡くなった実母も「何か」があると私によく言っていた。「農地解放さえなければ、私は・・・」と回顧するのだった。そのたびに私はきつく言い放った。「人生、たらればなんてないのよ」と。
でも、こうして、年をとっていくと、あの時、もっともっとじっくりと母の話を聞いてあげればよかったと。そんな意味で、時々、胸の奥が痛み、哀しくなるのだ。


  「もうすぐ、桜も咲くでしょう?時間見つけて来て下さいね」というママに会いに行こう。そし
て、鎌倉の風と、思い出を聞いてあげよう。

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 ブログをはじめて約3年近くなるのだろうか?今、ちょっと流行っているようですが。
ホームページを作りたい!と仕事関係の方に相談したところその方が「ブログ」をすすめてくれたのが最初の出会い。「何、それ?」という感じで、「忙しくて」を口実に、私はだらだらして、暫くは開店休業状態が続いていた。しかし、最近では「えええっ!」という方からも「見てますよ」「お気に入りに登録しましたよ」などと言われ、自分でもびっくりしている状態だ。
  日記といわれれば、日記なのだが、やはり本質的に違う。日記は決して他人には見せない。実は、高校、大学と、ほぼ毎日、日記をつけていた。・・・・というと凄い!と感心されそうだが、実は小説のプロットのようなものも中にはある。また、知られたく、見られたくないばかりに、もし、見られたらと予想して、人々の名前が全てアルファベットになっていたりする。これじゃ、なにがなんだかわかりゃしないのだ。
   ある日、全ての日記は捨てられた。膨大な量だった。かなりの時間がかかった。万年筆で書いた何ページもの日記は、見事にシュレッダーにかけられ、ゴミ袋にいれられ「さようなら」だ。懐かしいが、後悔はない。
  今は自由だ。私のメッセージを見て、知人たちは「おお、元気にしているんだ」と思ってくれれば、それでいい。久しぶりに会ったとしても、その時間の空間を埋めてくれれば、それでいいなと思う。
  プログは日記とは違う。そこには、決して、誹謗や中傷やそして、愚痴は書きたくないからだ。あの、どろどろとした感情がインクで表されることはない。プログでは、伝えたいことを素直に書いている。どろどろとしたものはプログでは書かない。さして、今後も、その場限りの、煽情的なコトバの発露は決してしないことを誓っている。よほどのことがない限り、あの青春の日々の日記のようにシュレッダーにかけるが如く、「削除」してしまうことはないだろう。

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ch10.生活 : 最後の居場所はどこ?


  友人で映画監督をしている槙坪夛鶴子さんが介護をテーマとした映画「母親のいる場所」を作った。4月9 日から神田神保町の岩波ホールで上映される。ジャーナリストの久田恵さんの「母のいる場所~シルバーヴィラ向山物語~ (文藝春秋刊)が原作だ。久田恵さんの実体験によるもので、介護する者される者、それぞれの自立とは何か?介護とはどういう事か、ふさわしい最後の居場所はどこなのかを探る。フリーライターでシングルマザーの役を紺野美沙子、厳粛な母親役を馬渕晴子、仕事一筋で頑固一徹の父親役を小林桂樹が演じている。
  試写会があり、久しぶりに槙坪夛鶴子さんに会った。彼女とはもう、30年近くの付き合いになる。クランクインした後も、また上映が決まった後も、全国をめぐっている多忙な身だ。
目が合った時、本当に懐かしかった。
  思い出せば、持病のリウマチが悪化して、何度となく、面会謝絶、絶対安静が続き、心配した時もあった。今は車椅子でメガホンをとっている。本当にしんの強い素晴らしい女性なのだ。決して弱音などはかず、いつもいつも前向き。現場には、高齢のお母さんさんも彼女の車椅子をおしてくるそうだ。
   「母も映画のシーンに何回か映っているのよ、でも誰がホームの人で誰が役者さんか分からないでしょうね」といい彼女は笑った。
  人は誰でも必ず「老い」を迎え、病気や障害を抱えたり、不安と孤独から痴呆になったりする可能性がある。試写会の後に、エレベーターの中で何人かの関係者が話していた。「介護なんて、あんなきれいごとじゃないわよね」と。
  何の望みも夢もなく、ただ、介護される側と介護するものが、疲れきり、自分の気持ちさえ失いかけるほど、そんなシーンを撮ったとして果たして、観客にその辛さ分かるものか?たとえ、実話を基にしていても、映画の世界はフィクションであってもいいと私は思う。100人いれば100人の介護がある。 “男女共同参画”と叫びながら、依然女性が担っている現状であることは分かる。老親介護で家族崩壊の岐路に立つ前にもう一度、考えてみよう。 辛さも哀しみも嫌悪も。そして、慈しみ、優しさ、そして感謝の気持ち。人として生まれて、全ての感情を味わうのが「介護」であると、私は、浅いかも知れないが自分の実体験を通して得たことだ。
 

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   今年の杉花粉はは昨年の30倍だという。鼻の具合が悪いので近所の耳鼻咽喉科へ行ったが、待合室が、まるで満員電車の車内のようだった。みんな花粉対策用のマスクをして俯いている。小さな子供が鼻をグシュグシュさせているのは本当にかわいそうな光景だ。
  先日も車内に、口をぽかーんとあけ、鼻水だらーりのイケメンや鼻にティッシュを丸め、まるでだんごのようにつめている男性もいた。ゴーグルをつけてホームを歩いている人も見た時は辛さは分かるがつい吹き出してしまった。かくいう私も「どうしたの?目が血走っている!」と言われるほど、目が充血して痒い。これも花粉症なのだろう。
 
  横浜にある独立行政法人理化学研究所の免疫・アレルギー科学総合研究センターでは従来の治療より簡単で副作用が少ない花粉症の新ワクチンを開発した。これまではスギ花粉から抽出したエキスを注射し、体内の免疫細胞に作用して過剰反応を鈍らせる減感作療法(免疫療法)が行われてきたが、今回のワクチンでは減感作療法の約10分の1の6回程度の注射で効果が表れるという。その上、副作用も50分の1程度に減る見込みとか。
 また、茨城県の独立行政法人林木育種センターでは、無花粉杉の開発を発表。林野庁はこの原種を都府県に配布。2011年ごろから約1万3000本の苗木が供給される見込みという。
  しかし、こうしたことは、確かに花粉に悩まされている人にとってはいい情報であるが、無花粉杉は花は咲かせても花粉は出せない、いわば異常な杉といえる。もしかしたら、森林の生態にも大きな変化を与えてしまうのではないか?生態系の乱れは第二の花粉症を生むかも知れない。これまで快適な生活を送ってきた中で、少しずつバランスを失っていく見えない恐怖を感じる。


 

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  小林カツ代さんのマヨネーズブックの編集もいよいよラストスパート。
「エッ!まだ?終わっていなかったの?」なんて言われそうだが、本の出版とはなかなか大変時間のかかるものだ。
  実は夫もひょんなことから、昨年に地震の本の執筆をした。タイトルが「地震のことがよく分かる本」ということだったので、兎に角、読者に「分かるもの」ということで一生懸命だった。依頼されてから、「1ヶ月で書いて欲しい」といわれたが、全く無理な注文。とはいうものの、先方が「早く早く」というので、約3ヶ月ほどで脱稿した。
  サラリーマンなのだから、平日は無理。出張も入ればなおさら無理。結局、日曜日も祝日も、夜中も執筆していたわけだ。こんな時間が経った今もなお、校正でてんやわんやなのだ。  東大のえらーい教授の監修ということで、いわばゴーストライターといったところか。しかし、版元との間に編集プロダクションが入り、ゲラのアップがかなり遅れた。そのゲラを見て、また、大騒ぎとなった。科学の分野といった理系の原稿は本当に正確な知識がないと書けない。それを結構、編集者にリライトされてしまったから、大変。地質図も正確な指示なしにイラストレーターが書き起こしたりしたので、これまた大変。本当は昨年の夏には、書店に並ぶはずのものが、まだゲラ校正中という実状なのだ。
  というような、出版界のバタバタ世界。そんな大波小波の中、カツ代さんのマヨネーズブックもそれこそ「ここだけ、カツ代だけ」というレシピが揃い、そして私もなんとも科学の本にくびったけ状態でマヨネーズコラムを書いた。出版は4月後半か?冷や汗をかいているのは出版社の社長なのだ。(彼はどーしても3月中に出版したかったらしい)「いーじゃないですかぁ、1ヶ月や2ヶ月」なんて言ったら多分、睨まれるだろう。しかし、期待していて欲しい。かなり面白い仕上がりになると思う。
  今回、「マヨネーズ」のおかげで。。。。。マヨネーズレストランのオーナー、誰よりもマヨネーズに詳しいと自負する某有名国立大学の大学院生のマヨラー、ミュージシャン、北海道警察や旭川駐屯地?とも知り合えた。

人生ってなんて楽しいんだ!!

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  この半年前くらいから、妙に手が痺れるようになった。そして、この1ヶ月の間にかなりの痛みが、特に左手にはしるようになった。そんな痛みを感じながら、妙な想像をしてしまう。
実父は小脳が出血し、亡くなるまでリハビリが続いた。そして実母も突然のクモ膜下出血で3日の入院生活の後に亡くなった。最近は、「家系」とかDNAをつくづく感じるのだ。自分のいいところ、いやなところ、何故か親に似ていると感じてしまうことが多い。

  不安感いっぱいになって、かかりつけの医院へ行く。
「先生、もしかして、この痺れと痛みは脳梗塞の前駆症状ではないですか!?」というと医師は「僕だって左手がずっと痺れているんだ」と言い、それからは矢鱈に長い解説が始まった。
説明を聞きながら、深いため息をついている私を見て、医師は「じゃあ、安心のために画像診断をしておこう」と言ってくれた。

  約100年前、レントゲンがエックス線を発見し、骨の形が撮影されるようになって「見えなかったものが見える時代」に入った。そして、20世紀の後半にはCT(computed tomography;コンピューター断層撮影法)、MRI(magnetic resonance imaging;磁気共鳴画像)で、脳の中や体内を画像として見る検査法が進歩した。実に飛躍的な進歩なのだ。脳の中の構造を見ることができ、脳出血・脳梗塞・脳腫瘍などの病気の発見ができるなんて!なんて凄いんだ?

  先日、ある介護をテーマとしたシンポジウムで、女性の方がアルツハイマーになりやすいなどということを聞いた。几帳面に過ごしている人が、急に呆けるという話もあった。自分の意思とは関係なく、脳の異常は人格さえ奪い取ってしまう。
心配が心配をよぶ。そんな話の後に、再び、左手に痛みがはしり、痺れる。暫くは右手のみでパソコンをうち原稿を書く日々が続いた。

  検査の当日。まるで、工事現場の中に頭を突っ込んだ感覚。これは一体、なんなんだ?
「もう、イヤだ!イヤだ!イヤだ!」と思っているうちに・・・・・なんと、私は熟睡していた。

「吉田さん、吉田さん、終わりましたよ」と先生に起こされた。・・・・・実に恥ずかしい。
静かに上たいを起こした。もしや、大鼾でもかいていたのではないか?思えば思うほど恥ずかしい。それで、ちょっと気だるそうに演技してみた。
  
  画像を見ながら「異常ないね」と淡々と医師がいう。あっという間だった。もしや?もしや?と不安をかかえた1ヶ月間。「有難うございました」と言い、病院を出る。しかし、正直「ホッ」なのだ。検査の間、大鼾をかこうが、涎たらして熟睡しようが、どうであれ、不安はどんどん解消していったほうがいいのだ。

そして、その夜、私は泥のように眠ってしまった。

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   人は時として全てを投げ出してしまいたい衝動を覚えることがある。卑近な例でいえば、毎日、原稿執筆に追われること。プレゼン用の資料がまとまらない。頭で考えたマーケティング論が営業セールスのシーンでは全く役に立たない。。。。。枚挙に遑なし。毎日、中央線のプラットホームで「あずさ」号を見ながら、「ああ!ぜーんぶ投げ出して、信濃路にでも行ってしまうか!」と思うこともままある。でも、人は辛抱し、そんな衝動を抑え、コツコツと日々、生活していく。

  しかし、投げ出してしまう人がいる。私自身、そういうことが、これまでの人生で経験がないので、そのような行動は「悪」というより、むしろ甘美な魅力さえ感じてしまう。とはいうものの、ライターが取材、原稿を投げ出す時、それがこうした日記のようなものではなく、多くの人々の拘わりの中で、商業ベースにのっていると、どんな理由があれ、これは大変な重大事件なのだ。

  それが「やってきた」のだ。面倒なパトンタッチというより、私にとってラッキーチャンス。突然やってきた。実に20年ぶりにその先生の著作物に拘わることができた。こんな事件でもなければまず、再びお目にかかわることはまず、ないだろう。

「やあやあ、久しぶり」
「覚えていますか?」
「もちろん。ぜんぜん変わらないねぇ」
「また、冗談を!先生」
と、まあ、20年近くの時間が一気に凝縮する。久しぶりにおりた私鉄沿線の駅。町並みは少しだけ変っているだけだ。そうだ、昔、インタビュー取材に来た。当時はマンションに住んでいらした。どこの道をどう歩いたかは全く記憶にないが、なぜか窓の外の景色は覚えている。吉野ヶ里遺跡の発掘調査をしてきた時だった。とんでもなく大きな牡蠣の殻が出てきたよと、まるで子供のように話し、次々と溢れてくる面白い話に取材メモをとることも忘れていた。
  3月も半ばというのに寒い夜だった。取材の帰り道に心がほっと温かくなった。

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  昨夜、スマトラ沖地震救済チャリティコンサート「ツナミ・エイド・ジャパン」が無事、終了した。サントリー大ホールには、沢山のお客さまがきて下さった。東京フィルハーモニー交響楽団による弦楽のためのアダージョ、川井郁子さん、千住真理子さんのヴァイオリン演奏、日野晧正さんのトランペット、久石譲さん、羽田健太郎さんのピアノ、そして加山雄三さん、森進一さん、都はるみさんと他にもそうそうたるメンバーが出演した。
神楽坂女声合唱団はふるさとの四季を歌った。心配になるほど短いリハーサルだったが、本当に「本番」に強いメンバーであることを実感した。サントリーホールは本当に反響がいいホールだ。ちょっとしたミスも目立ってしまう。しかし、歌い上げた。
  歌い終わり、楽屋に戻る。時計は九時を過ぎていた。熱気と興奮と歓声の中でなんともいえない嬉しさがあった。

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   知人に河野康弘さんというジャズピアニストがいる。昔、「ピアノの出前コンサート」というものを企画したことがある。調律されず眠っている家庭のピアノを、河野さんが訪問してピアノ演奏をするというものだ。近所の人に教えてあげれば、あっという間にコンサート会場が出来上がり。調律されていなくても?河野さんはなんのその。おおらかに演奏してしまうのだ。
相変わらず、精力的に活動を続けている河野さんからメールがきた。ちょっとご紹介。

「音楽は人種、国境を越えて皆が仲良くなれる神様からの贈り物!」

2年前の3月20日イラク戦争が始まりました。
しかし、まだまだ戦争は終わっていません。
私達も戦争に参加した事を残念に思ってます。
日本は戦争をしないと決めた素敵な国です。
みんなで声を上げて行きたいと思い下記の平和コンサートを企画しました。
お忙しい事と思いますが、お誘い合わせの上ぜひ参加してください。
収益金はドミニカ共和国の国立芸術大学の練習用ピアノを送る資金になります。
音楽を楽しみながら国際協力。みなさんの参加をお待ちしてます!
当日お忙しい方、遠方の方は宣伝していただけると嬉しいです。募金だけの受付もしてます。

なーんて書いてあるから、また、みんなに知らせたくなった!
河野さんの、あののんびり穏やかな笑顔が浮かんでくる。

2005年3月20日(日) 開場12:30 開演13:00 
会 場:全労済ホール「スペース・ゼロ」
電話03-3375-8741
入場料:当日3,500円
出演は、河野康弘と愉快な仲間達with三品真美(Vo)
河野康弘(ピアノ)マモさん(ドラム)キムさん(アルトサックス)シンゴちゃん
(ベース)三品真美(ボーカル)

<募金の受付>
ドミニカ共和国へ11台のピアノを送る費用
輸送費917,625円、
修理代が1,192,800円
合計   2,110425円
3月7日現在募金額 934,554円
まだまだ不足してます。
皆様の御協力をお願いします!
<振込先>
郵便振替
口座番号 00140-4-660611
口座名義 地球ハーモニー

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 明日、サントリー大ホールでスマトラ沖地震に被災し、亡くなられた多くの方々を慰霊するレクイエムを政財官労の有志が自発的に集まって演奏する『ツナミ・エイド・ジャパン』~スマトラ沖地震チャリティ公演が行われる。呼びかけ人は湯川れい子、石井幹子、三枝成彰。
そのコンサートの入場料収入は復興のため全額寄付する予定だ。多くのアーチストも駆け、我らが神楽坂女声合唱団も参加する。六本木男声合唱団の方々ともご一緒する。
私たちは「ふるさと」や「花」など日本の「心」を歌う。さあ、心をこめて歌い、出来る限りの愛を届けよう。

 『ツナミ・エイド・ディ』~スマトラ沖地震チャリティ公演
開催日時:2005年3月12日(土) 18:30開演
場所:サントリーホール 大ホール
主催:日本赤十字社
後援:財務省、外務省、世界銀行、国際通貨基金、アジア開発銀行
日本経済団体連合会、日本労働組合総連合会
協賛:全国労働者共済生活協同組合連合会 他
プログラム協賛:ゲラン 他
協力:サントリーホール、博報堂、東京フィルハーモニー交響楽団
制作:メイコーポレーション

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ch05.エンタテイメント : ローレライ

 映画館を出て、本当に「良かった」と思える時は素晴らしい数時間を過ごしたことになる。
人気作家の福井晴敏さんの「終戦のローレライ」が原作になっている「ローレライ」を見た。
原作は、文庫本、単行本(上下巻)と合わせて、累計発行部数145万部を記録中だ。
 既に3月5日に公開され、全国各地で満席となる劇場が続出しているらしい。キャストの妻夫木のファン世代である10~20代、そして戦時を知る60代まで年齢層が幅広いらしい。私が見た映画館はほとんどが50~60代以上の男女だった。
 東宝の昨年6月公開した伊藤英明主演の「海猿」の興行収入を遥かに上回っているともきく。(これも面白かったけど!) 歴代潜水艦映画の史上最高興収記録を期待しているらしい。
 第2次大戦末期に密命を受けた日本軍潜水艦内を舞台に、乗員たちの人間ドラマが繰り広げられる。あぶらののりきった役所広司の演技もなかなか。ぎばちゃんが最高にいい。(踊る大捜査線にしても、北の零年にしても、最近のぎばちゃんはいい! )
  今年は、6月に「戦国自衛隊1549」。そして夏に「亡国のイージス」と福井作品の公開が続く。楽しみだ。 戦後既に60年が経った。「国のため」「家族のため」に亡くなった人々がいるという再認識のためにも見て欲しい作品だ。そう思う。

 

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 仕事の依頼で、久しぶりに懐かしい「コトバ」を聞いて顔がニヤけてしまった。それは、新聞社に就職して、本当にすぐに聞いたコトバだった。ある日、編集長が「明日はノース゜ロでいくからな、いいな?」と言う。ノーズロ?20代の私は兎に角びっくりして押し黙ってしまった。そして、沈黙の後、翌日はパンツをはかずに会社に来なくてはいけないのか・・・・・と、真剣に悩んだのだ。新聞広告には、題字下、記事中、記事下などいろいろ種類があるのだが、この業界のコトバもなかなか勘違いがあって面白い世界だ。
  編集長に「ノース゜ロ」の意味をその場で教えられた。暫く私は皆の爆笑の渦の中にいた。懐かしい昔の仕事場でのひとこまだ。腹切り、エントツ・・・兎に角、広告に関する「コトバ」にも面白いものが多い。
  「コトバ」といえば、先日も、ある店のクロークで、私自身がごく普通に使っているのに相手に「??」という表情をされてしまった。「ネイビーブルーの外套です」というとクロークの女性は困惑し、私は慌てて「オーバーコートです」と言いなおした。
  昔、明治生まれの祖父母と暮らしていたことがあるので、時折、変わったコトバを使ってしまうことがある。石鹸はシャボン、お風呂は湯殿、スプーンは匙・・・・とぼーっとしているとつい口に出てしまうのだ。そんな古めかしい「コトバ」に、亡くなった祖父母の俤をたどっていくのもいいものだ。

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プロフィール

ichiko.tv

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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