2005年10月アーカイブ

ichiko : 最初の一歩


   2005年10月25日。生活情報紙「ありか」創刊。編集人としての一歩。人生のほぼ半分きちゃったねという感じか。この数ヶ月は実に密度の濃い時間を過ごした。真剣という字が持つそのものだった。
  挨拶に行く中で「吉田さん、創刊して3号まで発行出来ればすごいよ」と何とも励ましてくれる、いい感じの言葉をかけられた。ほう・・・3号までか。12月号までか?とはいえ、すでにざっと来年の2月までは内容も詰めてある。鬼が笑うだろうが。2006年は丙戌年で、「変化」が目に見えた形で動き始めるという年だそうだ。数年前とは全く違ってくることに気づくという年という。
  思い返してみれば、昨年の今日、今ある事柄は全く予想もしていなかった。「横浜中華街オフィシャルガイドブック」がそろそろ出来上がるぞ・・・・そんな頃だった。今日から始まった「阿佐ヶ谷ジャズストリート」に来た自分は、降りしきる雨に濡れてジャズの演奏を聴いていた。そして、その夜は、いつものように友人と酒を飲んだ。でも、結構、予想外の事ばかり起こる自分の人生。まさに「自分ドラマ」か。
  ただ嬉しいことは、久しく会っていなかった知人、友人に「ありか」創刊のお知らせをして、みんなの「声」を聞けたこと。便りのないのは・・・ではなく、自ら、どんどん声かけていく、そんなエネルギーにしていきたい。

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   大手の百貨店四社の2005年8月中間期連結決算が出揃っても中でも大丸が2年ぶりの増収となったそうだ。本社で一括して商品を仕入れ、消費者のトレンドを視野に入れた計画的な仕入れ方法を実施した・・・・というが、これまで「取引先と計画も作らず話し合いもせず」というコメントが気にかかる。これまで、消費者のことを第一に考えたらマーケティングリサーチをして商品構成をするというのは当たり前の話ではないのだろうか?
 また、夏のクールビズ効果も一役買い、大丸では紳士服の売り上げが前年同期比2・8%増に。また高島屋では紳士服が同0・5%増えたという。「テーマがあれば商品は動くと感じた」?「消費者ニーズを見据え、顧客の買い物状況に応じて、販売戦略を」などもう、ずっとずっと前から実践していることであったと思うが。

  今から何十年も前のこと。当時小学生くらいだった頃、「百貨店」の響きには凄い魅力があった。それこそ「何でも揃うところ」であったからだ。そして、7階か8階あたりにあった百貨店の「大食堂」。この頃にはあのお子様ランチも健在だった。そこは、子どもがいても、大人がいても、高齢者がいても、そこには顧客満足させるメニューが揃っていた。ずらりと。その頃は「天下の~」がついていた三越も今は連結決算の業績予想を下方修正している。あの包装紙がステイタスであった時代があったことを思い出してほしい。と私は感じている。
  

   実は、私は天気の良い日には時々「百貨店」の屋上に行く。夏のビヤガーデンの名残りか、整理整頓されていない廃墟のようになっているところもある。浮かない顔をしている店員の前には水槽の中で金魚が泳いでいたり。決してメーンの売り場ではない屋上。のんびりと缶コーヒーを飲んでいる初老の紳士。遊具の間をかけまわる孫の後をおうおばあちゃんの姿。休日のイベントで疲れて息抜きにきたような背広姿の男性。日溜りでついうとうとと眠ってしまった中年の婦人・・・・・そこには、それぞれの百貨店の日常の素顔があることに気づく。
 
  もう一度、社長たちはお客に混じって地下の食品売り場や、食堂に潜入するなりして本当に顧客がどんな買い物をして何を望んでいるのか、見つめて欲しい。
ユニクロ銀座店の店長が、「銀座」店に手を挙げた理由。それは奥さんからの話。いじめられっ子がいじめっ子に対して、最後に言いはなった言葉。
「何よ!あんたなんて、上から下までユニクロを着ているじゃない!」。
彼はこの話を聞いて、まさに奮起したのだ。「これじゃいけない、このままじゃいけない!」と。

人というものはこれまでの環境、ブランドなどに甘んじていては必ずや堕落する。
なんでも揃う?はずの百貨店。胡坐をかかず、名前に驕らず、もう一度私たち消費者にワクワク感を導き出すサムシングを出す努力をしていってほしい。

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  10月25日に「ありか」というタブロイド版の新聞を創刊することとなった。昨日は、最終校正だった。
  創刊号の発刊・・・なんとも感動的な10月となった。20代から40代まで過ごしてきたサンケイでの経験や仕事の蓄積。そして自らが築いてきた人々との繋がりがまさに生かされる瞬間だ。自分にとって「卒業試験」とも感じるほど真剣勝負なのだ。
  東京をはじめ、首都圏。そして全国版。40代以上のミドル層が読者のターゲットだ。これまでは大きな企業に属していると、それぞれのセクションでそれぞれの担当の仕事をこなしていることだったが、今は違う。取材内容などの編集面は勿論、営業までこなさざるを得ない。まだ「無い」メディアを売るという営業の難しさ。しかし、その背後には今後、どう化けるかも知れない興奮すらある。そんな興奮にドキドキする。印刷費から、紙の値段、そして配送まで。。。これまでは考えたことのない、すべてのことをトータルで把握しないとやれない。
  
   今は「無い」メディアの誕生。もうすぐ刷り上る、誕生だ。決して、華々しくはないが、どこかの代理店や編集プロダクションに丸投げ!ということだけは絶対にしない。愚直までに真剣にコツコツと仕事人として進むつもりだ。ここで繋がる人々もネットワークも多分、一生の宝となると思っている。まさに、人生後半戦の私の「宝のありか」といえる。


 外は雨がずっと降っている。庭のピラカンサスが色づき始めたことに気がついた。ハナミズキの実も赤く色づいて、冷たい雨に打たれている。そう、季節は私がどんなに忙殺されようと、泣いてもわめいても、どんなことがあっても静かに変わっていくのだ。本当に逞しい風景。

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  「アッラーの花嫁たち」という本がある。ここにはチェチェンの自爆テロリストになった女性たちの「現実」が書かれている。まだ、はたちのアイザ・ガズーエワ。ロシア軍警備司令官に自爆テロを行った。ザレーマ・インルカエワは爆死を免れたものの、精神的ショックから立ち直れず娼婦になった。彼女はまだ16歳。濃い化粧とマニキュアを塗った手が誘うように揺れる。彼女が、こうなるまでに時間はそうかからなかったろう。恋愛関係にあった恋人にいわば無理やりに略奪婚され、食事にも麻薬を混ぜられぽろぽろになっていく。テロリストである恋人、その仲間達に心身ともわたされていくのだ。そこに「愛」などない。彼女は朦朧とした中で警察署への自爆テロを言い渡される。拒否すれば容赦なく殺されるのだ。自爆か殺されるか、いずれにしても未来などない。恐怖と麻薬でまともな判断ができなくなった女たちは爆発物のはいったバッグを持ち、そして遠隔操作によって爆発される。まさに、生きた爆弾となって。
また、 未婚や未亡人で孤独な生活を送っている女たちがテロ組織に言葉巧みにスカウトされ、次第にジハードへ洗脳されていく。

  今、人権を声高にとなえるものが多くても、国際的な行動は何もおきないというこの現実。

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   人生には、時々予期もせぬことが起こるものだ。人との出会い。これも実に不思議なものがある。

  4ヶ月ほど前のこと。私は癌のPETについて調べるためにインターネット検索をした。ふと、その情報の中に昔々の記憶にある名前を発見した。「蓮見喜一郎博士」という名前。私の記憶は、小学校低学年か、かなり遡って行った。祖父と暮らしていた、あの頃に・・・・。

 祖父の渡邉喜一は蓮見喜一郎博士と大変親しくさせていただいていたようだった。祖父の部屋には、蓮見先生の論文をまとめたようなものがかなり、おいてあった。それを子どもながら見て、「癌細胞」のあの異様な写真に怖さを覚え、体を震わせた記憶がある。
蓮見先生は、今日のように免疫学が十分に発達していない昭和初期から癌研究をしてがん研究に傾注し、ウィルス学説に基づいてハスミワクチンを開発されたのだ。
 今は珠光会の理事長であるご子息の蓮見賢一郎先生が喜一郎先生の功績を継承するとともに、自らの立場でがんワクチンの研究を始めている。「免疫システム」を科学的に明らかにしようと研究に取り組んている。
  
 
  そして、今年の夏、私は杉並区の「珠光会」を初めて訪ねた。その時、賢一郎先生は外国に行かれていたが、帰国されてから、再び訪ねた。本当に暑い夏だった。

  ご縁というものなのだろう、この不思議なことは。
「昭和30年代でしたか・・・おじいさまに外国の車に乗せていただいたことを覚えていますよ」と話して下さった。そして、昔、私の祖父が、阿佐ヶ谷の「珠光会」に遊びに来ていたということも聞いて本当に驚いた。それも安岡正篤先生と一緒にということにも驚いた。
 

  この10月に創刊する「ありか」という新聞に蓮見先生に医療コラムを執筆していただけることになった。テーマは「免疫力」。何か、不思議な力を感じた。

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ichiko : 幸福論


   グラスに注がれた赤ワインを見ながら、ふと、思った。完全なる逆ピラミッドのワインの海が揺れた。「ああ、これから・・・人口構成比は完全に逆転していくんだな」と。

 人口問題研究所が発表した日本の将来推計人口の数字を見ながら、妙に暗澹たる気持になっていった。
 第一次ベビーブーム世代が高齢者となる2013年から2018年にかけて3417万人。第二次ベビーブーム世代が高齢者になる2043年にはピークを迎える。2050年の高齢者人口は 3586万人と予測している。
 ますますの医学の発達と人々の健康管理への投資が進めば、人は長寿となる。平均寿命も伸びるわけで、、2050年には男性が約81歳、女性が約89歳。高齢化率は確実にアップする時代に突入しているのだ。しかし、問題はこれから。高齢者1人を何人の生産年齢人口で扶養するか?2050年には、1.5人で1人。ただ長生きしているだけでは、人は幸福ではない。さて、どうしたら本当に充実した生活、心で人は生きていけるのだろうか?
  さて・・・・

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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