2009年10月アーカイブ

  我が家で犬を飼い始めて16年が過ぎた。近所の家から仔犬をいただいた。「雑種なのよ。でもね雑種は丈夫だって!」と言われた。"その時"は、全く飼う心算はなかったので、「近所を一回りしてきていいですか?」と訊ねたのだ・・・・しかし、一回りしたらもう可愛くて可愛くて。小さいからだなのにズッシリとした感覚が離れがたくなっていた。その夜は、クウクウといつまでもないて、なかなか寝場所にしたダンボールの家には入らなかった。抱っこするとなきやむ。そんな夜が過ぎた。そして翌日には赤い屋根の犬小屋を買った。しかし入るまでには時間がかかった。自分の城?と認識するまで、くんくんとにおいを嗅いでいた。
  ある日、テレーッとしていた耳がピンとたって本当に驚いた。庭中を走り回って、ボール遊びに夢中だった。散歩をすればテニスコート近くの植木の柵をボーンと身軽に飛び越えるのでその度に何度も注意をしたものだった。夏には土を掘って深い穴をつくり、そこにからだをすっぽりと入れてじっとしていた。土はヒンヤリして気持ちがいいのだろう。天然のクーラーなのだろうね。だから夏の間は犬小屋は空き家状態。でも、犬小屋はコツコツと手作りをした。特注?だ。からだが大きくなるに連れて、そのサイズに合うように犬小屋を作っていった。現在の犬小屋は二件目?か。

  生まれてから16年ちょっと過ぎて・・・・。散歩に行くとよく転ぶ。つんのめったりもする。足腰が弱ったというか、ヨタヨタと歩く。耳も遠くなったようだ。あれほど、雷が大嫌いで怖がっていたというのに、最近では雷にも全くどうじなくなっている。それに犬小屋と壁の間など狭くなったところに鼻を突っ込んで、じ-っとしている。その様子は変なものだ。名前をどんなに呼んでもそのままの姿勢でいる。そんな様子を見つめていると胸が痛くなってくる。何ともすごいスピードでというか早回しで「人世」を見ている・・・・そんな気がする。早すぎる変化は何とも切ないのだ。
  
  ワクチン接種の普及、良質なペットフードなどでペットとして飼われている犬と猫の平均寿命が急速に延びているらしい。犬は約17歳、猫は約24歳まで長生きするようになったとも聞く。
  毎日毎日、家族の一員として接してきている犬の生活はまるでドラマだ。いろんな出来事を思い出すことが出来る。ヨタヨタでもいいさ。兎に角、歩ける限りは大好きな散歩に行こうね!って。

ch10.生活 : 十三夜

  そろそろ?書店や文具店などには来年の手帳やカレンダーがならぶ。ああ、もう暮れなのかと思う。カレンダーの中には「月のカレンダー」などもあり、見ているだけで面白い。
  2009年10月30日は十三夜である。十五夜は結構、認識している方も多いが・・・。十五夜はあまりすっきりしない夜空が多いが、「十三夜に曇り無し」という言葉があるように十三夜の夜は晴れることが多い。満月に次いで美しい月だという。樋口一葉の『十三夜』も思い出す。明治という女性にとっては不条理ともいえる時代を生きた女性についてちょっとふれるのもいいたろう。しかし、月をめでる・・・・そんな時間は素適だ。

 

ch04.カルチャー : リアル書店 「松丸本舗」開店

   あるパーティーの席で本の魅力を伝える書評サイト「千夜千冊」の執筆者でもある松岡正剛さんにお目にかかった。私は昔からファンだった。
  10月23日に丸善が東京駅前にある丸の内本店4階に「松丸本舗」と銘打った"書店内書店"をオープンさせたが、ここのプロデュースしたのが松岡正剛さんである。"65歳にして店が大事だと実感した"という松岡さんの言葉には何とも説得力がある。まさに、店を編集したということだ。
  「本の連続性」がコンセプト。ジャンルや形態、著者別での陳列はなく、本が持つ世界の広がりを感じさせる独創的なセレクトが特徴ということだ。口を開けば、本が売れないとか、出版は氷河期だなんて出版不況を言っている事自体がおかしく思える事態である!
  約215平方メートルの広さに松岡さんがセレクトした約5万冊の本が並ぶ。先ずは5万冊という本の背表紙だけでも読んでみると良いかも。「今後は二号店、三号店を作ろう」と丸善の社長も言っているそうなので大いに愉しみである。
  最近は流行り病のように「リアル」「リアル」と言っているけれど、使い方が変でしょ?と思っていた。しかし、ここはまさしく"リアル書店"であろう。
松岡正剛 千夜千冊 目次

ch12.その他 : 金輪際会いたくない人

   久しぶりに聞いた言葉だった。久しぶりの衝撃に近かった。いただいたあるメールに「(あの方とは)もう金輪際会いたくありません」とあった。"金輪際"かと呟いてみた。

  大昔の思い出だが、ある取材中にトラブルがあったことがある。決して重複?してはならないのに、その規定というか、マナーを軽く破った人がいて、それに対して、「金輪際あなたとは会わないから!」と怒鳴った記憶がある。電話の向こうで。弁解、言い訳がグダグタと聞こえたが、パーンと受話器を置いた・・・・携帯電話のない時代だったので、確か新宿駅か渋谷駅の売店近くの公衆電話だった記憶がある。あまりの声の大きさに周囲がビックリしていた。しかしその時の私は若気の至り?というか若かったし変なエネルギィも充満していたから、そんなドラマチックな事もやってしまっていた。多分、あの日以来は「金輪際」という言葉は口にも出していないし、文章に使ってもいない。だからこそ、このメールを読みながら、金輪際の深い意味を考えていた。

  そもそもは仏教用語らしい。語源について調べてみたら【大地は「三輪」によって、虚空の中に支えられ、「金輪」「水輪」「風輪」の三つの層から成り立つといわれ「金輪」はその最上層で、大地のすぐ下にある。「水輪」はその下の水質の層で、「風輪」はその下のガス状の層のことをいう。「際」は果てという意味なので、「金輪際」とは大地の最低部で、人間の住む大地のギリギリのところをさしている】・・・・なんか分るような分らないような・・・・まあそれから、物事の極限や究極を示すことになり、否定の意味を伴うことになったわけだ。例えば今日日、気になってしようがない「全然」もそうである。「全然OK」なんてない!のだから。
  だが、「金輪際あなたには会いたくない」と言われることって考えてみれば凄すぎる話しだ。そこまで?会いたくない人になってしまう事って?そんな現実を突きつけられたら・・・・・と思った。

   城跡が好きで、先般、出雲に出掛けた折、戦国時代には大名尼子氏の本拠地となった月山富田城の城跡を訪れた。ここは独特の天然の地形を利用した城で難攻不落の要塞城と言われ、「天空の城」とも呼ばれていたらしい。本丸まではとても無理だなぁ・・・・・・と思いつつ屈折した山道をおりていく途中に綺麗な葉がピカピカと輝いている柿の木を見つけた。そして、何枚かいただいた。何故って?


  今は鯖が美味しい季節だ。そうだ"柿の葉寿司"を作ろうというわけである。何か、感動も詰まった寿司ができるのではないかとワクワク気分である。とってくる用意をしてきたわけでもないので、たまたまバッグの中にあったポロポロの袋に数枚、丁寧に入れて持ち帰った。道端には紅葉した葉が何とも芸術的に散っている。この風景もなかなかよいもだ。冬に向かう秋は物悲しくなるのだが、秋のひんやりした空気を頬に感じながら、いろいろな事を考えての山歩きも楽しいものである。
  
  さてさて、出来上がった柿の葉寿司はいろいろとまわりに配ってしまい・・・・・写真を撮っておけばよかったと今は後悔しきりである。

ch12.その他 : 不撓不屈


   羽田発着の国際線はソウル、上海、香港であったがに続く中国・北京を結ぶチャーター便を活用した直行便の運航が25日に始まり日本航空、全日本空輸、中国国際航空の航空機が相次ぎ、北京を目指し羽田から飛び立った。日中の定期航空路線は1972年にスタートしたが、よくよく考えてみるとそれほど昔の話でもないなと。

  さて、話しは少し、変わるが、現在山崎豊子さん原作の映画「沈まぬ太陽」が公開中だ。上映時間は3時間20分と長い。途中でインターミッションが入るほど長い映画である。
  映画の中で、御巣鷹山で520人の犠牲者を出した日航機墜落事故で亡くなった日本人の父親と、イギリス人の母親の次女として1985年9月に東京で生まれたダイアナ湯川さんの「永遠の記憶」演奏が流れる・・・・まさに我々は過去の記憶を風化させてしまうが、やはり永遠の記憶はとどまるものだと思う。しかし、既に、遺児がこんなにも社会活動をするほどに"時間"が経ったのかと思った。
   中途半端だとかステレオタイプだとかいろいろ言われもするがそもそも出版当時から物議をかもしたこの作品が映画化されたというだけでも感動だ。何人もの映画人が製作を試み断念してきた中で、主役の渡辺謙が試写会席だったか、号泣したというニュースを読んだが、政権交代もあった今、「この映画の公開が、そんな時代を待っていたのではないかと思います」と感慨深げに語ったという気持ちは十分に理解できる。本当に完成できるのか?思いは果たして伝わるのか?と何もかもが危ぶまれる中でコツコツと作り上げていく、それも社会情勢が変わっていく中で、ややもすれば「やめよう」という事になろう。そんな中で完成した作品だということ。こうした努力、いわばこれまでの日本の経済をもりたてた日本人の不撓不屈の精神。これに気付くだけでもいいかも知れない。

「沈まぬ太陽」ホームページ

20091016113927-1.jpg 暑い暑いと言っているうちに、今日などは急に寒くなりました。何か冬がすぐそこにといった感じです。空気の感覚というのでしょうか・・・・いよいよだなとこのところ、毎年思うこと。恒例となった12月のチャリティディナーショーの季節がやってきます。今年は10周年を迎えます。月日が経つのは本当に早いものです。要は団員も10歳としとった?ということですね。よく続いたというのがホンネです。でも時々、何人かの団員が集まり、話しをする時、この神楽坂女声合唱団の設立のために「この指とまれ!」と行動をしてくれた料理研究家の小林カツ代さんに感謝!感謝!だねと話します。そうそう、あの日、動物好きのカツ代さんが、「動物たちのためにと合唱団をつくろう!」と思いついた?からこそ、我々がこうした活動にかかわることが出来たと思っています。   勿論、私のまわりでは、いろいろとあれこれ言う方々もいました。「みなさん、時間と金をもてあましているから」「名前でも売りたいわけ?」「結局、お遊びでしょ」とまあ、よくぞ~ということも言われたこともあります。その度に私は苦笑しながらそういう方々を見つめてきました。   どんなことをしても何をしても人の口とは不思議なものです。しかし要はかかわることの大切さ、そんな事を学びました。全てはここにあるのかな?と私は確信しています。どんなことも永遠にということはないです。ただ、幸運にも切欠を得て、かかわっていく事、それに自分が納得した事であるならばよしでしょう。   冷静に考えれば考えるほど、この10周年という時間の重みを感じる2009年です。多分、これまでの集大成だと思っています。是非、チャリティという意思は勿論ですが、ご関心、ご興味のある方は今回は、いらっしゃってください! 鬼も大笑いするでしょうが・・・・来年は2010年です。

2009年 神楽坂女声合唱団チャリティディナーショー 概要
日時 2009年12月16日(水) 
受付17時30分 ディナー18時30分~ ショー開始20時~
会場 水天宮のロイヤルパークホテル
ロイヤルパークホテル 水天宮
料金 20000円 チケット代金のうち3000円は動物たちへの寄付金となります。
申し込みはファックスで042-683-0652

写真は今年のチラシです。団員ひとりひとりが猫ちゃんで描かれています♪

ch11.経済 : 発想の転換力


   とかく「100年に1度の不況・・・」「リーマンショックからは・・・」とつい口にしてしまう人々が多い。確かに、不安要素の多すぎる今ではあるが、この2年で売り上げが5倍になったというイービストレードという商社の話しを聞いた。社員は40人。2008年の売り上げは83億、1人の社員が約2億の売り上げをしたという計算か。しかし、考えてみれば凄い事である。
  茨城県のあるパチンコ店で、玉の持込みがあり、1ヶ月30万円の損失があった。その相談を受けたこの商社の社長が提案した事は・・・・・。
私も暫くあーでもないこーでもないと、いろいろ考えて見た。言われてみれば「はあ、なーるほどね」と思うことでも、その答えをなかなか出せるものではない。いわば発想の転換力というものだろう。空港では必ず通る、あのセキュリティシステムの金属探知機である。では、ハサミとかナイフでも探知されてしまうのではないか?と思うが、イタリアの製造会社に発注した探知機導入一ヶ月後には、見事、玉の持込を撃退したという。
  このイービストレードの社長の寺井良治さんは以前、日商岩井に勤務していた方で、こうした発想の転換は当時、タイにいた時、内容は素晴らしい良質な殺虫剤がなかなか現地で売れない。商品の表示などをなんと、現地の言語でなく日本語表示にしたところ、飛ぶように売れたというエピソードを持つ。言われてみれば・・・・聞いてみれば・・・「ふーん、なるほどね」と思うことでも、その発想の転換というのが、通常はなかなか出来ない事であるのだ。
  いつの時代も、先駆者とはこうした、「力」を発揮して伸びていくものなのだろう。現状に甘んじていては腐るものだ。脳科学者の茂木健一郎さんが「人は前頭前野」という脳の部分を如何に働かせるかがポイントだと言っていた。この部分は何か新しいことにチャレンジしようとすると、脳全体のネットワークというのか、働き出すらしい。だから、日々、コツコツと同じことを経験で蓄積していくことも大切だろうが。別に、新しいことに挑戦していく、そんな事もしてみたい。きっと、あれっ?!という力が生まれてくると思う。
  日本の経済だって然り。活性化していくためには?を真剣考えなくては。発想の転換力の出番である。

ch11.経済 : "挑む"家電

    "家電維新"ということで10月30日にJR池袋東口にLABI1日本総本店がオープンするという。場所は以前、三越があったところです。家電小売業として、世界最大級7000坪の広さらしい。キャッチは「この店を見ずして家電は語れない」とある。大した自信だ。こうでなくてはならないのだろう。大好きなテレビ番組の 「アメトーク」の家電芸人などしかと掴むのではないかって思う。これはかなりいいアピールになると思っている。私は家電を選ぶ時、かなり参考にしている。(あくまでも個人的感想であるが・・・・)
  オープン前日までにご入会の人には合計1000円のお買い物割引券を差し上げるということで、店舗の前には列まで出来ているではないか・・・・・斜め前のビックカメラが妙に大人しく見えてしまう。もう"挑む"という言葉が似つかわしい勢いである。
  あとは消費者が如何に動くかということであろう。価格は勿論だが、やはり品揃えとサービス。ホスピタリティとでもいおうか。あとは何だ?歳暮だ、ボーナス商戦だと言ったって本当に財布の紐はかたい。そんな消費者にどう"挑む"のだうか?1000円のお買い物割引券の申し込みに並ぶ人々を見ながら帰路へ・・・・

アメトークはこちら


  友人のメールで「入稿でバタバタしていました。出版なんて日常茶飯の人、誰か!」という内容があった。本とは出来上がったら次は販売だ。出来上がればそれでいい、あとは知り合いに配れば・・・という類のものは除き、売れるか売れないかが勝負でしょ。
   さて、年間にどのくらいの書籍の新刊が出ているか?約8万点。1日あたり平均220点。毎日毎日毎日毎日・・・・そんな数の新刊を仕入れる書店もないわけだ。そんな現状も理解せず、だだ「出したい出したい」という人の多いことと言ったら・・・・・。
  
  まあ、8月ごろに出版されたので、ちょっと遅くなりましたが、彩図社から『高校生でもわかる 日本経済のすごさ!』 という本が出ている。著者は三橋貴明さん。監修が廣宮孝信さん。
  帯には"年金、消費税、格差、国の借金 4つのテーマから見る日本の将来が安泰なこれだけの理由"とある。1492円プラス税。これを安いとみるか、高いとみるか・・・・である。
  何か、マスコミ報道に、またいろいろな情報に曖昧に?翻弄されていると思ったら、高校生になった気分(というのもおかしな言い方だが)で読んでみるといい。信じていた常識が、わぁぁぁぁぁと崩されるかも知れない。


  女優の南田洋子さんが亡くなった。
  ある時、老老介護というのか、夫の長門さんの闘病生活の番組を見た時、心が痛んで、言葉が出なかった。一度は「何もテレビで・・・・」と思ったのは確かだった。
  私にとって、南田洋子さんといえば、音楽番組「ミュージックフェア」の司会のイメージが強い。凛とした美しさ。才気を感じる素適な女性であった。そして何よりもあのヘアスタイルはお洒落であった。隣りでとぼける長門さんをニコッと笑い、フォローする南田洋子さんだった。
  石原慎太郎原作の「太陽の季節」のヒロイン役だったと言う。私は勘違いしていた。南田洋子さんがヒロインだったとは思っていなくて・・・・・。そしてこの映画で初共演した長門さんと、結婚したそうだ。結婚生活の中にもいろいろあったようだけれど。
  しかし「いつでも逝ってもいいよう、百万遍の別れを告げていた。だから、後悔はしていない」「愛おしく僕を待っていてくれた、ただ1人の女性」「一生分のキスをした」と、いろいろな葛藤もあっただろうが、連れ合いの巡る思い出に包まれた南田さん。まさに"お連れ合い"という言葉が相応しいご夫婦の気がする。涙ぐむ連れ合いの姿に、微笑みかけている・・・・そんな気がした。

ch01.政治 : 郵政民営化のうねり


  苦渋に満ちた表情とはこのようなものなのだろう。
  
  日本郵政の西川善文社長の記者会見での激高というのか。マスコミ報道関係者のカメラのフラッシュや音に対して「やめようか!?」とまで声を荒げた。「もはや私が現在の職にとどまることはできない」と述べた表情。口元に全ての気持ちが現れていた気がした。
  既に、亀井静香金融・郵政改革担当相の頭の中には次の「意中の人」がいると言う。我々は政権交代の今、口では「交代、交代」と簡単に口にはするが、あの、小泉政権での改革は一体何だったのか?とふと思う。あの時以来の郵政民営化の流れはうねりながら大きく転換する。
  今後は西川氏以外の日本郵政取締役にも退任の動きは広がるだろう。
  
  しかしこの秋頃だったか、西川氏としてみれば信頼できる側近たちが去って、そして今、こうした「時」を迎えた。 「民営化のためにこれまでやってきたこと、これからやろうとすることとの間に大きな隔たりがある」という西川氏の指摘には思い残すことはないとは言いながら、そうではない・・・という気迫さえ感じた。

ch10.生活 : 新しいカタチ


  不動産は一生に一度の買い物!と言われ、躍起になった時代があった。所謂バブル崩壊のあの冷や汗ものの時までは。社会の空気ははっきり言って異様であった。銀行は「もっとご融資致しますよ~」など、軽く、そんな事まで言った時代があった。金利が多少高くても一生に一度の買い物とばかり、人々は興奮状態だった時代だったからしようがないというべきか・・・・・
  
  最近は、家とは実に不思議なものだと感じる。家族が増えるにつれて「もっと広いスペースが欲しい」と思い、そして暫しそんな欲求は日々の忙殺により一瞬忘れ、そして家族が亡くなったり別れたり独立したりと、そんな変化によっては広すぎると感じる時さえある。
  そして、例えば鏡の中で自分がもうそんなに若くないと気付くように、あんなにピカピカだった新居さえも汚れ、破損し、何とも老朽化した現実に気付くのだ。


  ところで、現在シェアハウスというものが人気らしい。シェアハウスは別名ゲストハウスとも呼ばれ、昔からある、例えば友人同士が部屋を共有するルームシェアとは異なるものだ。職場も年齢も異なる人々が、居間や風呂などを共有し、共同生活する賃貸住宅のことだ。勿論、自分の部屋はあり、そこから一歩出れば他人の温もりが感じられるそうである。
 家のオーナーさんにとって今、資産運用の新しい選択肢になりつつあるということだ。一般住宅をはじめ、社員寮、古い下宿などを買い取るケースが多いそうで、オシャレに改装すればなかなかの家賃収入も得られると、まあ、貸す側、借りる側にとってそれぞれのメリットがある。居間や風呂などの共有部分は専門業者が掃除し、近隣トラブルも業者が解決するそうであるが・・・・・・
  帰ってきた時に灯りがついている安心さ、1人暮らしでいる寂しさや防犯上の不安の解決、つかずはなれずの緩い人間関係・・・・。まあ、これも新しいカタチなのだろうが、いいこともあればそうでないこともあるだろう。これはいつの世も、どんな時も付き纏うことではあるが。

ch12.その他 : ある天才の死


  遺書が残されていれば・・・それはやはり、自殺というものなのだろうか・・・・

  「ザ・フォーク・クルセダーズ」やロックバンド「サディスティック・ミカ・バンド」のメンバーとして活躍した加藤和彦さんが17日に軽井沢町のホテルで首をつって自殺しているのが見つかったというニュース速報を見て、しばし絶句・・・・。
  「死にたい」ともらしていたというコメントがあるが、もし、それならどうして?1人で行かせたのか?とすら思う。警察署は計画的な自殺とみて調べを進めているそうだが、やはりこれは「運命」?「宿命」?とはあるものなのだろうか?
  「音楽でやるべきことがなくなった」とたとえ本人が言ったとしても・・・・とりかえしのつかない事実とはこんなものかと悲しくなった。凡人はいつまでだってひとつひとつの事を愚直なまでにコツコツと積み重ねて生きていかざるを得ない。しかし・・・・天才の持つ悲しい宿命なのかも知れない・・・・

  どうでもいいことかも知れないが、昔、遅いランチをとるために大慌てで有楽町のあるうどん屋さんに飛び込んだことがあった。たまたま案内された隣りの席に加藤和彦さんがいらしたことがある。その偶然ともいえる奇跡に「わぁぁぁ」と胸がどっくんどっくんとときめいて、時間が止まってしまった・・・・そんな事を思い出した。

   
   多くの若者を歓喜させたあの時代からこの日まで。
   加藤和彦さん、安らかに・・・・

出雲大社前 駅舎.jpgのサムネール画像

神社での参拝の作法は、一般的には二拝二柏手一拝であるが、ここ出雲大社では、二拝四柏手一拝で拝礼を行う。
さて、60年ぶりに国宝・本殿の改修が行われている出雲市大社におまいりをした。60年もの長い時間、本殿を覆っていた檜皮が次々とはがされている。今回が4回目の葺き替えということだ。

写真は「出雲大社前」駅舎
『日本鉄道旅行地図帳 中国四国』(新潮社)の各駅舎100選 中国・四国8駅にも選ばれている。"日本で唯一ムスリム文化の影響を思わせる"というドームを持っているとある。建築されたのは昭和5年で、何ともレトロなにおいがする。駅舎前は結構、クルマのとおりがさすが?に多い・・・・。
出雲大社 ホームページ

ch04.カルチャー : 足立美術館を訪れました


  米国の日本庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」の日本庭園ランキングで堂々5年連続第1位に輝いている庭園が島根県にある。かの有名な桂離宮はなんと次位。要は"世界一の日本庭園"というものなのだ。名実ともに1位という日本庭園に、機会があれば一度は訪れると良いかも知れない。
  「枯山水庭」、「白砂青松庭」、「苔庭」、「池庭」そして一幅のお軸を鑑賞するが如き「生の掛軸」もここならではのものだろう。「白砂青松庭」は横山大観の名作である「白沙青松」を忠実に再現した庭だという。
   足立美術館は昭和45年に島根県安来市出身の実業家・足立全康が、自分のコレクションしてきた横山大観などの絵画や彫刻・蒔絵などを展示するために開設した美術館で、日本庭園と日本画の調和をテーマにしている。横山大観のコレクションはこれまた世界一の規模を誇るというから、ただただ驚きである。特に、大観の『無我』を前にすると声も出ないほどに感動する。2010年の11月には現代美術作家の作品を集める新館がオープンするという。現在工事中。人気を博している美術館には年間50万人もの人々が訪れる。新館が完成したら、また藝術に触れる人も増えていくことだろう。贅沢な時間、たまにはいいものだ。

「足立美術館」のホームページ

ch04.カルチャー : 太宰治の毒


  人それぞれ幸福の形は違うものだろう・・・・・しかし、では幸福って何なのだろう?と思うほど。


  今年は太宰治の生誕100年という記念すべき年ということだ。相変わらず太宰は日本文学史の代表的な作家であり、女性の人気はゆるがない。太宰の墓がある三鷹市の禅林寺で供養が行われる「桜桃忌」には今も尚、多くのファンが集う。
  その太宰治の晩年の傑作である『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~』(根岸吉太郎監督)が映画化され現在、上映中である。第33回モントリオール世界映画祭で最優秀監督賞を受賞するなどの話題性もあり、公開前から熱い注目を集めていた。
  映画館はやはり女性で溢れている。若いとか熟年とか全く関係なく、こんなにも女性を惹きつけるのって何?と思われるほどだ。何か浮き足立っている・・・そんな感じの女性が多い。

   大酒飲みで且つ、借金を抱え、そして浮気の繰り返し。その上、嫉妬深い大谷穣治の役を浅野忠信が演じている。太宰を彷彿させる。ふっーと勘違いをしてしまう魅力を放つ。そして何とも、着物姿に男の色気がある。ありすぎるかもしれない。何なのだろう?これが天性というものなのかとも思う。そしてその大谷の放蕩に翻弄されながらも傍で健気に・・・・いや強い女性とはこんな人の事を言うのだろうと感じる妻・佐知役を松たか子が演じている。しかし、これまで、松たか子の女優力というか気がつかないでいた自分。この女優は本当に凄い・・・・

   久しぶりに太宰に触れた気がした。

「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」のホームページはこちら

ch01.政治 : 一歩


  その日・・・・・
  情報ツウ?からオバマ大統領のノーベル平和賞受賞のニュースを聞き、何人かの友人に教えたところ「何で?」「どうして?」「全く理解出来ない」「実績ないじゃないか?」と、まあゴチャゴチャゴチャゴチャ・・・・・しかし、私は大拍手だった。あんなにプラス思考で社会や人々の事に熱心な人がいるだろうか?と思う。意志の強さ、そして夢を同時に語る・・・・・彼はアメリカを少しずつ変える切欠作りをした・・・そう思う。
  
  日本でも2001年に「自民党をぶっ壊す」と言った小泉純一郎。あれこれと間違いもあったかも知れないが彼が総理になったその変化はオバマがアメリカに大きな変化をもたらす切欠になったことに似ている。
  今、政権交代でいろいろ噴出し始めた。政治、経済と方向性が変わっていく時にはいろいろなものが動く。びっくりするほどの変化を迎える為には・・・・・これまでの業績だ実績だ成功事例だ、思い込みも価値観、もう蠢くほどに変わるだろう。進むためには兎に角一歩踏み出すしかないと思っている。

ch04.カルチャー : Re・・・・あらあらかしこ

   電子メールというものに慣れている今日この頃。時々"手紙"を書かなければならないことになると、「あれぇ?」という事が多い。
  ものごころついた頃から学校の教師や先輩諸氏に自然とならったのが頭語と結語か。一般的な発信に拝啓、結語として敬具。一般的な返信に拝復 復啓 敬復。 前文を省略する時に前略そして冠省や冠略という文字を見た記憶は鮮烈だった。年配のおばさまたちが、ちょっと慌てた文字で「前略ごめんくださいませ」という流れるような文字もまた鮮烈な記憶だ。丁重な発信で謹啓、謹呈、恭啓などは多分社会人になってから目にしたものだったと思う。

  便利、簡単、都合がいい・・・・そんな理由で「電子メール」に頼りきっているのであるが、どう最近、気になって気になってしようがないものがある。それは「件名」である。自分は、メールを返信する時、なるべくその件名を修正するようにはしているのだが、多くの人はそれを忘れている方が多いようだ。・・・・というより、あまり意識されていないのだと思う。要は「Re・・・」で延々と続くメール。返信していると、本当にどうなっちゃったんだろう?どうしたんだぁ?と感じる。あまりゴタゴタ言うとなんて五月蝿い奴だと言われそうだが・・・・・
  マナーとまで言わないが、メールとは実に難しい。強調したい気持ちは分るのだが、そのセンテンス?のフォントをかえる方が時々いらっしゃる。例えば極端に大きな文字に。これがまた、気忙しいというか、あまり気分が良いものではないのがホンネ。
  また、「例の件ですが」といきなり書き出す人。実は、その"例の件"を忘れてしまっている事が多いものなのだ。やはりその件をきちんと書いた方が分りやすいだろう。そして、最近多いのが携帯メールからパソコンに、まさに、いきなり!!という書き出しで例えば、コンサートのアナウンスやお願い事など勝手気ままというか、自己中心的な内容が目立つメール。暫く声も出なくなりそうだ・・・・・
  自信満々では決してないところが辛いのだが、常に発信と返信の時は「相手」の気持ちにたって書くのが良いのではないかしら?思わず「ほほっ-」と感動するような気持ちの良いメールのやり取りをしたいもの。まあ、別段、感動するようなものでなくて"当たり前のメール"とでもいおうか、それでいいのだ。


   秋の味覚というと"きのこ"。まさに王様!である松茸は勿論?であろうがシイタケ、シメジ、ナメコ、マイタケ・・・・といろいろ種類も多い。キノコご飯とかキノコ汁と名付けてはキノコどっさりの料理を作るのは楽しい。ふわ~っとかおるキノコのかおりの素晴らしさに気付くものだ。
  ところで、ネットで猛毒キノコ「カエンタケ」というキノコが京都など関西地方の山林で急増しているというニュースを読んだ。これはまさに火炎を思わせる真っ赤な色をしたキノコらしい。山奥ではなく、ハイキングコースでの目撃情報もあるそうだからこれからの行楽シーズンをむかえるにあたって注意をしてほしい。
  時々、毒キノコと食用キノコなんて図鑑で見れば分るよと言う人もいるが、決して侮るなかれ!である。ちょっと有名なところではベニテングタケ(毒)とタマゴタケ(食用)。本当によく似ている。両キノコの決定的な違いは、傘の裏側のヒダと柄が白いことがタマゴタケとの違いだというが素人にとって一見しただけでは分らないものだ。
  昔、キノコ研究家の大海勝子さんにいろいろキノコの話を聞いたことがあるが、実にキノコの世界も深~いものだった。見ているだけでは素人では殆ど見分けがつかない毒キノコと食用キノコ。しかし食すとなるとその差は大きい。多分、キノコを食べる食べないは別として、山の動物たちにはその差を見分ける凄い能力が備わっているわけだ。
  これからの季節は山で遊ぶ人たちも多くなる。片手に図鑑を持ち、ビニール袋にどっさりととったキノコをいれて「今夜はキノコ汁よ~♪」なんて気軽にいわないで。ご注意を。

ch12.その他 : 「知る」ということ


  しかし、プログという世界はやはりその人の人世縮図そのものだなと感じる。知人やチェックしたい人のプログを時折拝見するが地元びっしりネタ、鉄道の話、経理一本!、酒酒酒の話・・・・とまあ読めば読むほどに個性爆発だ。十人十色?まさに「その人そのもの」という世界があるものだ。興味のポイントから始まって、文体というか、その人の考え癖みたいなものまで分る。つまり読み込んでいくと性格そのものが分ってくるようだ。

  自分のプログのレスポンスも時折テーマこどにチェックしているが、やはり「傾向」が分る。マーケティングを考えるならやはりポイントはここか!と思われる。例えば、不祥事ものなどなんでまたこんなにレスポンスが高いのだろう?と思う。やはり興味津々、知りたいという気持ちは隠せない。まあ、これが人の心だよね。
  だが、本当に書ける世界というのはきちんとした情報を流さないと大変な事になる。「まっ、いいか」は通じない。それに「あとで削除すればいーじゃない」も通用しないと思っている。どこかの飲み屋で酒飲んで、映画見て楽しかった~とは違う。一度、嘘や偽りなどの「毒」を流したら本当に大変な事なのだ。この便利過ぎる世界は、知る喜び、楽しさの裏側には、知らなければ良かったという反面が必ずあるものだ。

ch10.生活 : "葉っぱ"の美学


  先般、某料理屋で打ち合わせも兼ねて日本料理をいただいた。秋の食材で美しく艶やかに彩られている。日本人に生まれて本当に良かった!と思う一瞬である。料理をより引き立てている"柿の葉"や"紅葉"を見つけ、まさに"秋"が目に飛び込んできて、ほっと心が和むのだ。
  ところでテレビ番組などで時々紹介されている徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」がある。日本料理を美しく彩る季節の葉や花、山菜などを、販売する農業ビジネスの事だ。番組を初めて見た時に、なんて素晴らしいアイデアだと思った。つまり、趣味ではなくビジネスとして確立させたところが実にすばらしいのだ。こういう着眼点というか、出来そうで出来ないことなのだ。。
  しかし、この上勝町は高齢者比率が49.5%という、過疎化と高齢化が進む町だった。しかし、今ではお年寄りが実にイキイキと仕事をされている。その姿を見ると、つい、ほほが緩んでしまう。高齢者でも扱える"葉っぱ"という商材であることがポイントなのだろう。中にはなんと年収1000万円を稼ぐおばあちゃんもいるというから驚きだ。パソコン上で自分が町で何番目の売上を上げているか?その順位も分かるようになっているから売り手側の良い刺激にもなるわけだ。
  たかが葉っぱ、されど葉っぱ・・・・・である。今では世界的にも注目をあびているビジネスだ。日本の美学がぎっしりつまっている感じがして嬉しい。

ch02.健康 : 平均寿命


  早期診断や医療技術の進歩とは例えば、今日誕生した赤ちゃんの過半数を100歳まで生きられるようにしてくれるそうである。それは先進国での話しであるが・・・・・。デンマークとドイツの研究者たちの調査報告によると「平均寿命が20世紀に30歳以上のびた米国、英国、フランス、ドイツ、カナダ、日本などで、この傾向が今後も続く見通し」だという。「えっ!100歳?」実に凄い数である。
  「 たとえ、寿命ののびが滞った場合でも、新生児の4分の3が75歳の誕生日を迎える」と、そんな予想であっても出来る限りいつまでも元気でいるということが大切だとつくづく思う。クスリに頼る日々も辛い。最新医療に頼り、「命」を延ばすということだけも考えようによっては辛い事だろう。
   こんな未来のデータを見ながら、ふと思う。1週間当たりの労働時間が短くなることで、寿命の延びが進む可能性があるそうであるが、ものは考えようである。例えば、現在では60歳でさあ定年だ、今後は第二の人生だからさあ!趣味にでも生きろ!愉しめ!・・・・と言われても、いきなり人とは生活を変えられるわけでもなかろう。もっとシルバー層の所謂、労働の時間を増大していくことで、個々の平均労働時間は少なしていく。さまり雇用の再分配ということだろう。元気なうちは働く、いや自分の元気の為に仕事をする。楽しく自分の力を惜しみなく提供していく、そんな考え方を徹底したいものだと思う。
  いずれにしてもだ、不規則な生活、偏った食生活、いろいろなストレスをためこんでいては、どんな世界がきても人は健康ではいられないということだと思う。これは変わらない事だろう。


   久しぶりに強烈な台風が日本をすっぽり包んだ。何もかもを吹き飛ばし、洗い流すかのように強い風雨で。まるで何か?を象徴しているが如くに。
  10月8日は「寒露」。つまりいよいよ10月が始まるのだ。この「甲戌」月とは実は今年の総仕上げのタイミングとなるそうだ。つまり総決算!とでもいえるだろうか。今年最後の総決算!出し切って?終わりということらしい。陰陽五行の伊勢瑞祥先生によれば、この時期は結構重要な時。11月は全陰なのでゼロで空っぽになる。そして12月に一陽がさし無が有を生じる時ということだ。
   しばし「ん・・・・・」と考え込む。今年もいろいろなものを引きずってきたようだ。延々と続くであろう・・・・なんて事も今後暫くはないのだろう。そう思う。常に研ぎ澄まされた神経と勘のようなものも必要だと思っている。鍛えて鍛えて、そして「決断」という時なのだろう。胸にズンときた。


  新米が美味しい季節になった。出張先の車窓から黄金色の稲穂が風に揺れるのを見ながら、ああ!日本という国に生まれて本当に幸せだと思う。
  健康に良いからという理由で、暫く玄米や雑穀などを食べているが、この季節になるとやはり炊きたての真っ白いご飯が食べたくなる。あの真白なものに何が一番か?と自己投票してみる、辛子明太子、塩昆布、糠漬け・・・・いやあの炊き立ての香りだけていいという感じだ。
  産地もいろいろ拘る人も多いが、魚沼産コシヒカリ」の産地、新潟県南魚沼市では「JA魚沼みなみ」コシヒカリ全てについて、食味を左右する玄米のタンパク質含有率を調査し、基準を満たさない場合は主食用として流通させない取り組みをしているそうである。確かに産地間の競争は激化する一方。多くの品種改良、また地球温暖化で、寒冷地でも質の高いコメの栽培ができるようになった今は比較的安価な北海道や東北産が浸透しつつある。こんな厳しい状況の中で"魚沼"という絶対的なブランド力を維持する場合はその価格に見合ったコメかどうか?は必須条件になってくるわけだ。タンパク質の含有率が多いといいんじゃないかって思っていたが、この値が高すぎるとご飯が硬くなり、粘りも少なくなるそうた。つまり「おいしくなーい」ということだ。
  どの世界も「作れば売れる」時代は完全に終結した。消費者の財布の紐はしまるばかり。これじゃあ経済も活性化しないと素人の私でさえ感じる。決して消費者を裏切らないということ、これに尽きる。

ch12.その他 : "時"の堆積


   『日経ビジネス』(2009年10月5日号)の特集記事に惹かれ、ぱらら~とページをめくったところ、伊藤忠商事の社長・小林栄三の「会議は5分前集合を徹底」という記事が目に入った。小林さんは、よく抜き打ちで社員の会議に参加されるそうだが、例えば100人の会議なら開始前にきているのは30人程度、残りは開始時間丁度に来たり遅れてくるので思わず「入り口のカギを閉めろ」と言ったことがあるそうだ。何をそんなに、かたいことを・・・・と思う人もいるだろうが、5分10分でも早めに会議を終わらせる努力をされていると言う。その分、自由に時間を使える、また余った時間で他の仕事も出来るだろうという経営者の心配りというものだろう。100人の会議で5分遅れたら掛け算で500分の無駄が発生したことになると小林さんは言う。徹底している。なかなか出来ない事である。


   日々、当たり前のようにあると思っている"時間"。しかし時間とは掛替えのないものである。
   ふと、この記事を読んで理不尽に振り回され、理不尽な時間を過ごしてきた足利事件の菅家利和さんの事を思い出した。5日に幕田英雄検事正と面会。起訴し、長きに渡り服役させ苦痛を与えたことを謝罪した。検察側が菅家さんに直接謝罪するのは初めてだというが。幕田検事正は、弁護団が「もういいです」と言うまで頭を下げ続け、謝罪は30分間続いたと言う。菅家さんが「冤罪を二度と出さないでください」と訴えると、幕田検事正は「再発防止に取り組みます」と応えたそうではあるが、理不尽な時間は堆積して年月となった。苦しみの日々だったと思う。緊張した表情の菅家利和さんの事を思うと私は心がしんしんと痛む。
  逮捕、起訴から17年だ。17年という年月。「ようやく許す気持ちになりました」と振り絞る菅家さんの声。この事件に巻き込まれ理不尽時間を過ごした人がいるのだ。菅家さんの事を決して忘れてはいけない。


   10月4日朝。中川昭一元財務・金融担当相の急逝。その訃報のニュースを聞いた時に、自殺した父一郎氏の事を思い出した。父一郎氏享年57歳だった。訃報に「まさか?」と一瞬・・・思った。病死されたようだ。不眠をうったえ、睡眠薬を服用していたという。ご遺体は行政解剖が行われる。

  今年のあの「『もうろう会見』。テレビなどではいまだに何度も何度も映し出される。確かに自民党にマイナスのイメージを与えてしまっただろう。そして選挙での落選。その後の心労が重なったのだろうか。しかし、今後の自民党の為には有能で必要な人物であったとは思っている。享年56歳。若すぎる。本当に若すぎる死である。突然の不幸。なんとも言葉も見つからず。

ご冥福を祈ります。


ch02.健康 : 歯痛はいやよ


   歯は痛くなったりしないと、なかなか歯医者さんには行かなかったが、最近は定期的に歯のチェックをするようにしている。しっかりと歯磨きしているようで実は磨き残しがあるものだ。歯磨きにも自分の性格というか癖が出てしまう。磨きすぎの部分、また、磨きが足りない部分などがある。本当に毎日毎日の事であるが積み重ね、実はこれが大切だと思っている。きちんと歯科衛生士に指導を受けて、日常生活で磨いてくるとなんとも不思議だが体調も良くなってくるようだ。

  さて、愛知県がんセンター研究所が1日2回以上歯を磨く人が口の中、食道癌になる危険性が1回人より3割ほど低くなるという研究結果をまとめた。全く磨かない人の危険性は2回以上磨く人の2.5倍!対象は3800人の疫学調査だ。室長の松尾恵太郎さんによれば、口の中には発がん物質とされるアセトアルデヒドを作る細菌がいるということで、歯磨きによってこの物質が洗い流される。決め手は朝と夜の2回の歯磨きで十分のようだ。


  昔々の話しだが虫歯でもないのに歯が痛くてしようがなく診察を受けたことがあった。先生は暫く訝しげに見ていたが、徐に「・・・・吉田さん、あんまり好きでない人と食事をしていませんか?」と言われたことがあった。先生がいうには、あまり好き(敢えて先生は嫌いな人とはいわないが・・・・)でない人と食事をすると唾液の成分が変わってくる・・・・そんな研究結果が出たことがあるというのだ。その時、私はいろいろいろいろ頭の中で考えた。仕事の上でか?まあ、時間も経ったことだからよいけれど・・・・・そんな時代もあったなあ。

  日々いろいろな研究が進められ、新しい発見がある。そんな中で、変わらない「ヒトの体の神秘」。その神秘の解明の為に、日々研究が進められる。"身体髪膚之を父母に受く、敢えて毀損せざるは孝の始めなり"全てはここだね!

  日本時間で、午前2時前、 2016年夏季五輪開催都市がブラジルのリオデジャネイロに決定した。南米での五輪開催は初めてだ。世界中のが一気にリオに集中した時だった。決戦投票に残ったマドリードと3回目の投票でリオが倍以上で引き離した。しかし、1回目の投票で、有力候補地の一つだったシカゴが最下位となり落選した時のオバマさんの落胆して表情は本当に辛そうだった。勿論、日本も大ショックであったのだが・・・・。、
  14年にはサッカー・ワールドカップも開催されるし有名なカーニバルをはじめ明るいサンバのリズムであふれるリオ。スポーツ大好きな国民性と今後のインフラ整備をはじめ、経済成長もある。それぞれの自分の国を愛し、一丸となってやり遂げる気持ちは常に熱く持ち続けたいものだ。

ch12.その他 : 昭和のにおい

091002_1755~0001.jpg 「人生」と書かず「人世」と書く横丁があった。池袋駅東口のビルの谷間にあった「人世横丁」にはその名の通り、いろいな人の世があった。敗戦後の町に生まれ、そこにはあったかい人と人との繋がりがあったのだろう。昭和26年頃に建てられた木造二階建て。そのレトロな雰囲気が人気をよんで、よくドラマのロケでも使われたと言う。2007年3月にその昭和のかおり・・・というかにおいをかわら版としてまとめられた。『かわら版 人世横丁』だ。発行は人世横丁商店会。会長は天ぷら「○天」の女将の中村規久代さん。「吉田さん、一冊、見つかったのよ」と中村さんかから電話をいただき、私は小躍りした。本当に嬉しかった。貴重な一冊に出会える!最後の明かりが消えてから一年少しか・・・・日本生命ビルの後方、今では広い駐車場になっているところを中村さんと歩いた。かわら版のイラストマップを見ながら「そうそう、ここにねえ」と言いながら、中村さんは歩く。広い駐車場には今は何もない。そこを歩きながら、私はふっと思う。真夏の歓声が去り、海の家が取り壊され、そこには砂浜がいつものように現れる・・・そんな秋を思い出した。暫く心にぽっかりと穴があいたような。耳には夏を愉しむ人々の楽しそうな声が聞こえているのに・・・・・。思い出の場所を真剣に歩く中村規久代さんの姿を見つめながら、きっと中村さんの耳にも、楽しい常連客の笑い声が聞こえているのだろうと思った。バアからジャズが流れてくるかも知れない。"昭和"という一つの時代が本当に去っていったのだな・・・と。2008年の盛夏、60年もの時間に築かれたもの。それと私のセンチメンタルなど比較にもならないだろう。しかし例えば、幕がおりても、芝居の興奮でなかなか席を立つことが出来ない・・・・そんな感覚の夜だった。

ch12.その他 : 石田純一という男


   今、巷で騒がれている話しの一つだが、タレントの石田純一さんがプロゴルファー・東尾理子と婚約発表したらしいね。「人生の中でも今はMAX。(東尾理子さんには)いつも笑顔でいてもらいたい」と言うなど、いつもこの人の発言には、ただただ凄いなと感心してしまう。何しろ、切り替えが早い。この切り替えの早さはどのように培われたものか調べてみたいほど。前妻の松原千明さんが離婚したといことについても既に聞いているし、また「これからも素敵な人生になるよ。大いに応援させてもらいたい」とエールまでおくる。娘さんにも「応援したいよ」とまで言う。
  思うに、なかなかこういうタイプは日本の男性には少ないのだ。しかし、また、何で石田純一が?と思っていたら、たまたま仕事で石田本人と出合ったことのある二人の友人が「何を言っているのよ。目がね、素適なのよ!」「そうそう、腰が低くてねぇ。話すときに、相手の目をじーっと見て、よく聞いてくれるのよ。そうそう、こう斜めから・・・・」「後から、もう一度会いたいっ!て思わせるのよね」と矢継ぎ早に言う。なるほど!ウルトラ聞き上手の男なのだと思い、納得納得。要は聞き上手の男が日本の男にはなかなかいないということ。
   例えば、女性は"ただ聞いて欲しいだけ"という事がよくあるわけだが、男性にはよくこの辺の心理が分らない。"結論はどういうことか?"と男は全身全霊で真剣に考える。そこで、いつまでもいつまでも続く女の話しに終止符をうとうとするものだから、"何で貴方は分かってくれないのよっ!"いつもそうなのよっ!わたしの気持ちを分かってくれないっ!という展開になる。男の方は"おいおい、どっ!どうしたんだ?解決方法を提案したぞ、俺は!"となりつまり平行線・・・・・。嗚呼!

  しかし、記者会見場にフェラーリで颯爽と現われる、娘と同じくらいの年頃の女性にプロポーズをして「いつも笑顔でいてもらいたい」と言い、別れた妻とその娘にも「これからも応援するよ」なんて言えるのは、やはりこの石田純一タイプしかいないわけだ。ただただ天晴れです・・・・・。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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